関東大学春季リーグ戦(春リーグ)も折り返しを迎えた。男子は同じく2連勝中の日大と対戦。渡辺俊和主将(スポ4=埼玉栄)が日大の主将相手にフルセットを制し、チームに流れをもたらす。その後の第1ダブルスの大林拓真(スポ2=埼玉栄)・緑川大輝(ス…

 関東大学春季リーグ戦(春リーグ)も折り返しを迎えた。男子は同じく2連勝中の日大と対戦。渡辺俊和主将(スポ4=埼玉栄)が日大の主将相手にフルセットを制し、チームに流れをもたらす。その後の第1ダブルスの大林拓真(スポ2=埼玉栄)・緑川大輝(スポ1=埼玉栄)組が快勝。女子部も明大相手に鈴木ゆうき(社2=宮城・聖ウルスラ学院英智)、吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)ら下級生の活躍により3-2で勝利し、男女ともに前半戦を無敗で終えた。

  渡辺が主将としての意地を見せた。この2日間厳しい試合を強いられていたが、「選手としてというよりは、主将として負けられない」と意気込んで試合に臨んだ。その言葉通り、大差で1ゲーム目を奪う。しかし、強烈なスマッシュに押されて2ゲーム目を失い、迎えたファイナルゲーム。渡辺が粘り強くラリーを続けると、相手にミスが増え始める。2点リードでインターバルを迎えるが、一進一退の攻防が続き、20-20。「技術じゃなくて、気持ちで勝ちにいきました」(渡辺)と語ったように、スマッシュを返し、ときには倒れ込みながらレシーブする。先にマッチポイントを握られても焦らず、目の前のシャトルを追いかけ、今度は渡辺が王手をかける。最後は相手の打った球がサイドラインを割り、ゲームセット。ベンチから歓声が沸く。そして、勢いそのままに、第1ダブルスの大林・緑川組がストレート勝ちし、3連勝となった。


相手のショットを確実に返球した渡辺主将

  昨日の試合では4年生が執念で勝利を手にした女子部。今度は下級生がチームに貢献した。吉田が同級生対決を制し、まずは1勝をあげる。続いて第2シングルスに登場した鈴木ゆ。第1ゲームは相手をしっかり奥まで押し込み、前後左右に動かす。すると相手がミスを連発し、21-14で先取。大きな展開で相手のポジションが下がったのを見逃さず、第2ゲームではカットで相手を揺さぶる作戦に出た。それが功を奏し、先にインターバルを迎える。だが、鈴木ゆにミスが見られ、なかなか攻めきれない。試合はジュースにまで及ぶ接戦に。マッチポイントをしのぎ、サイドを抜くショットで1点を返す。そして、相手のミスからまた得点を重ねて23-22。果敢に攻め、甘くなった球をたたき込んで最後の1点を手にした。次のダブルスで勝利を決定づけたかったが、桃井伶実女子主将(スポ4=石川・金沢向陽)・平野紗妃(スポ2=福岡・九州国際大付)組は全日本学生選手権ダブルス女王に敗北を喫す。鈴木ゆ、吉田がダブルスでも勝ち星をあげ、女子部も3-0で5月3日からの後半戦に挑む。


鈴木ゆはコートを広く使って試合を進めた

 シングルスとダブルスを兼任している選手が多い早大バドミントン部。選手たちの疲労が蓄積される中、春リーグ前半戦は男女ともに3連勝となった。1年生から4年生まで全員が奮闘し、勝ちたいという気持ちの強さが勝敗を分けたのだろう。アベック優勝という目標が現実味を帯びた今、後半戦の戦いに期待がかかる。

(記事、写真 山本小晴)

結果

▽男子団体○3-2日大

シングルス1 大林拓真○2―0(21-15、21-18)

シングルス2 渡辺俊和○2-1(21-11、18-21、24-22)

ダブルス1 大林拓真・緑川大輝○2-0(21-14、21-19)

ダブルス2 浅原大輔(スポ4=宮城・聖ウルスラ学院英智)・吉村徳仁(スポ4=富山・高岡第一)●0―2(15-21、15-21)

シングルス3 友金利玖斗●1-2(21-13、3-21、14-21)


▽女子団体○3-2明大

シングルス1 吉田瑠実○2-0(21-19、21-10)

シングルス2 鈴木ゆうき○2-0(21-14、24-22)

ダブルス1 桃井伶実主将・平野紗妃●0-2(6-21、14-21)

ダブルス2 鈴木ゆうき・吉田瑠実○2-0(21-12、21-13)

シングルス3 松本茜(社4=福岡・九州国際大付)●0-2(20-22、20―22)


コメント

渡辺俊和主将(スポ4=埼玉栄)

―― 今大会初勝利をあげました

主将として、2敗続いていましたし、昨日のシングルスはちょっとふがいない試合だったので、昨日の夜から次の日の試合に向けてビデオとかを見てイメージトレーニングをしていました。きょうの試合は選手としてというよりは、主将として負けられないなという気持ちで臨みました。

――相手は日大の主将でしたが意識されましたか

相手も主将だなってやりながら気づいて、俺も主将じゃんって思って(笑)。絶対負けられないと、より強く思いました。

――この二日間、苦しい試合が続きましたが、切り替えて挑まれたということでしょうか

やるしかないという気持ちだったので。これでまた自分がネガティブに試合をやってもチームに悪影響なので、自分がきょうは勝つという感じで決めて、やりきろうと挑みました。

――試合中は落ち着いてプレーしているように見えましたが、実際はどうでしたか

実際はドキドキ、わくわくが止まらなかったです。バクバクでした。ベンチ見たらみなさんが笑わせてくるので、特に吉村(君とか。そういう面白いのもありましたし、主将として負けられないというので駆け引きとかが楽しかったです。

――3ゲーム目は競った展開になりましたが、終盤はどんなことを考えていましたか

気持ちでもう、何やってでも取るっていう感じです。相手のコートに返すことしか考えていなかったです。『最後はフェイントとか技術の勝負じゃなくて、勝ちたいとか相手のコートに返したいっていう気持ちが勝敗を分けるんだよ』って昔から先生とかにも言われていて、技術じゃなくて、気持ちで勝ちにいきました。それでしか勝てないと思っていたので。相手は技術がうまかったので、自分はそれを全部返すイメージでやりました。

――きょうで前半戦が終わりますが、これまでの3日間を総括していただけますか

平成最後の公式戦、男女ともに3勝して、いい形で締めくくれたと思います。なので、また後半戦、令和元年、チャンピオンになりたいと思います。

大林拓真(スポ2=埼玉栄)

――シングルスとダブルス、両方に出場されていますが、疲労はどうですか

でも、リーグ前にナショナル合宿があって、今回の合宿はリーグのために頑張ろうって思って練習しました。疲労って言ったら合宿の疲労の方が大きいです。でも練習は他の大学の誰よりもやったと思います。

――スマッシュのレシーブで苦しんでいるように見えましたが実際は

相手が前の筑波戦で筑波のエースに勝った選手なので、絶対調子はいいなと思っていました。結構身長も高い選手なので。明大戦や法大戦よりは苦しんだかもしれないんですけど、レシーブが全てではないので。レシーブができなかったら、上げないでおこうとか、作戦を立ててできたので、3日目にしてはいい試合ができたかなと思います。

――いい試合ができた要因は何だと思われますか

(シングルスとダブルスの)2個を兼ねて出ているのは多分他の大学でもあまりいないと思いますし、それで勝ち続けているのは今のところ自分しかいないので。自分のことえらいって思いながらポジティブにやればいいかなと思っていて、きょうもシングルスもダブルスも勝てたので、いい風に捉えていいかな、という感じです。

――ダブルスは快勝でしたが、どんなことを考えながらプレーされましたか

ナショナル合宿でも1回もダブルスの練習ができなくて。早稲田の練習でも(緑川が)入学してから1回しかなかったです。それくらい本当に組んで練習できなかったので、まさ(小野寺雅之、スポ3=埼玉栄)と組んでいるときもそうなんですけど、楽しんでやろうって話していました。下の学年と組むことがあまりないんですけど、引っ張っていきながらやれたし、それで緑川も伸び伸びやれていたので、きょうは本当にいい勝ち方ができたと思います。まさと組んでいるときは引っ張ってもらっている側なので、緑川の気持ちがよくわかるっていうか。そういう気持ちも考えながら、まさはこうしているから自分もこうしようってやりました。昨日ファイナル(ゲーム)までいって、きょうほどの勝ち方はできなかったです。だから、だからきょうは気持ちよく、いい勝ち方ができたのでよかったと思います。

――明日から試合まで3日間空きますが

ダブルスもあんまり考えすぎてもかみ合わなくなってしまうので、気楽に、あと2回楽しくやろうと思います。それは誰と組んでも一緒だと思うので、そこは崩さずに、調子を落とさないように練習したいと思います。

――後半戦に向けて意気込みをお願いします

先輩のために頑張りたいと思います!

鈴木ゆうき(社2=宮城・聖ウルスラ学院英智)・吉田瑠実(スポ1=埼玉栄)組

――お二人はシングルスとダブルスを兼任されていますが、疲労はどうですか

鈴木目がすぐにでも閉じられます(笑)。(シングルスとダブルスの)2つを同時に入れるのは結構きついので、シングルスはシングルスでお互いにスイッチをいれています。私は逆に瑠実ちゃんがシングルスで頑張ってくれているのを見て、めっちゃスイッチが入っています。

吉田疲れはすごくありますね。でも、自分は先輩たちがとってくれると思っているので、すごく気楽にやっています。後ろを信じて。すごく気楽でした(笑)。

――ダブルスでは日に日に連携が取れているように感じましたが、攻撃の面で意識していることは

吉田何も考えてないよね(笑)。

鈴木もう疲れていて(笑)。とりあえず楽しくやることが一番だし、相手がどういうプレーをしてくるかは事前にお互いいろいろ話をしていました。今回、相手よりも自分たちの方がミスが少なかったことが勝てた要因なのかなと思います。深く考えすぎるのもよくないので、とりあえずお互いいけるとこいこう、みたいな感じです。あとは気づいたことがあればお互い話して。それくらいです。

――シングルスの話に移ります。まず、吉田さんは高校の同級生が対戦相手でした。大学に入って対戦することになった心境は

吉田 ほんっとにやりたくなくて。オーダーも違う人に当てにいったんですよ。そしたら向こうも変えていて。うわ当たったと思って、入るのが憂鬱で憂鬱で仕方なかったです。

――実際試合は快調に進んだように見えたのですが

吉田最初は足が動かなくて、気持ちも落ちていたんですけど、とりあえず足がつるまでやろうと思って。そしたら、はい、動けました!(笑)。気持ちで試合しているので(笑)。

鈴木負けていいですか?って言ってたもんね。1年生なので、そんなに背負わなくていいよって感じでした。

吉田だからすごく楽でした!

――試合中フェイントが多く見られましたが得意なプレーなのですか

吉田そうらしいですね。つい癖で出ちゃうんですよ、本当に。いつも逆に打っちゃうんです。空いているなぁと思って。試合中は基本何も考えてないです。

鈴木試合中って考えられないよね。

――続いて鈴木さんに伺います。1ゲーム目は大きな展開だったのに対し、2ゲーム目はカットなど落とすショットが目立ちました。何か戦略を変えたのでしょうか

鈴木1ゲーム目はお互いにクリアー、クリアーって展開で相手のポジションが下がり気味だったのもあって、長めというよりは短めのカットでちょっと展開を変えました。2ゲーム目は自分のミスも多かったですし、ギリギリではあったんですけど、気持ちで勝てたかなと思います。

――カットを落とすときには左右に振るなどコースは意識されましたか

吉田何も考えてないよね!(笑)。

鈴木自分のシングルスのパターン的に相手を動かすカットが得意みたいで。それが自分の持ち味なところもあるので。逆にそれしか打てないっていう部分もあります。別に狙っているわけじゃないけど体が勝手に。

――2ゲーム目はジュースに及ぶ接戦でした

鈴木負けたくなかったっていう気持ちがあったんですけど、逆にそれ以外はあんまりなくて。とりあえず足、足、足、みたいな(笑)。コースをどうしようとか具体的なことは考えなかったです。とりあえず足動かせよ、と気持ちしかなかったです。勝ったときはとりあえず1つ勝てたのでうれしかったです。自分たちのシングルスで後ろもやるぞって気持ちになればいいかなと思います。

――お二人のシングルスがチームの要になっていると思うのですが、いかがですか

鈴木あんまり意識していないよね。チームでオーダーを決めるときも、どっちか1本取ろうという感じでやっていて、あまり気にしていないです。でも、瑠実ちゃんが1シン(第1シングルス)、私が2シン(第2シングルス)で、つながるものがあったので、気持ちの面では大きかったです。やっぱり後輩が頑張っているのを見ると、どうしても先輩は動くじゃないですか。それが今回は大きかったですね。

吉田なんかやたら勝てますねー。本当は1シン出たくなくて、2―2の場面とかが好きなんですけど、意外といけました!

――後半戦まで3日ありますが、その期間は

吉田しっかり体を休めます。落とさないくらいに練習します。

鈴木上げも落としもせず、我慢して、これをキープできるくらいに練習します。

――最後に後半戦への意気込みをお願いします

鈴木楽しみながら勝つことを意識して頑張りたいと思います。

吉田全部勝ちます!