東京六大学リーグ春季リーグ戦 対慶大 3回戦
2019年4月29日(月)
神宮球場

1勝1敗で迎えた慶大3回戦。法大は先発のマウンドを高田孝一(法3)に託した。序盤、法大は毛利元哉(法4)の待望のソロや安本竜二(営4)の3試合連続本塁打となる3ランで4点を先制。しかし、またしても慶大打線は襲い掛かった。粘投を続けた高田孝に代わり、6回裏には3試合連続登板となる三浦銀二(キャ2)がマウンドへ。しかし、柳町達に勝ち越しの3ランを許すと、その後は打線も奮起できず敗戦。このカードで喫した2つの敗戦は共に逆転負け。慶大の底力を見せつけられる形となった。

試合後、スタンドのファンに向けてあいさつをする法大ナイン

戦評

 1勝1敗で迎えた慶大戦。勝ち点獲得に向け絶対に落とせないこの試合を先に動かしたのは法大だった。
 2回表、2死走者なしの場面で打席に立ったのは毛利元哉(法4)。慶大エース・髙橋佑樹の5球目を捉えると、これが左翼席へと飛び込むソロとなり、先制点を挙げる。すると、続く3回表には9番・高田孝一(法3)が中前打で出塁。1番・宇草孔基(営4)も右前に安打を放つ。2番・福田光輝(人4)が犠打で走者を進め、この場面で打席に迎えたのは慶大戦絶好調の安本竜二(営4)。髙橋佑の3球目を今日も左翼席へ運び、3戦連続となる本塁打でさらに3点を追加した。
 一方、先発の高田孝は4回までを投げ、5奪三振と粘投を見せる。3回裏には1死満塁の場面を1失点で乗り切るなど、気迫のこもった投球を続けていく。

3回裏、1死満塁のピンチを凌いだ高田孝はマウンド上で雄叫びを上げた

しかし、迎えた5回裏、ついに高田孝が慶大打線に捕まる。1番・柳町達に四球で出塁を許すと、続く2番・渡部遼人が中前打で続く。3、4番をテンポ良く打ち取るも、5番・正木智也が高田孝の3球目をバックスクリーンへと運ぶ豪快な本塁打を放ち同点に。高田孝はこの回を投げ切ったところで降板となった。
 続く6回裏には3日連続登板となる三浦銀二(キャ2)が登板。しかし、慶大打線は三浦にも襲い掛かる。8番・小原和樹に左前打を許すと、代打・若林将平にも左前打を放たれる。1死一、三塁で迎えるは1番・柳町。真ん中に甘く入った直球を振り抜かれ、打球は右翼席へと飛び込んだ。痛恨の右越え3ランとなり、逆転を許してしまう。
 その後、法大打線は慶大投手陣の継投に翻弄(ほんろう)され、追いつくことができず、逆転負け。投手責任者の内沢航大(キャ4)は「打たれてはいけない場面で打たれてしまった。敗因はピッチャー陣全体かなと思います」と悔しさをにじませた。
 次戦は中4日で迎える立大戦。次に向け主将の福田は「1日1日自分たちのやるべきことをやるだけです。(今日の敗戦を)無駄にしないように頑張りたい」と意気込んだ。

(須藤大樹)

クローズアップ:毛利元哉

 待ちわびた一発だった。苦しんだ末に生まれた先制ソロに、法大ベンチは大きく沸いていた。

 オープン戦からクリーンナップに名を連ね、リーグ戦でも勝負強い打撃と長打力が期待されていた毛利元哉(法4)。しかし、開幕してからの結果は、その期待とはまさに対照的だった。「打てない間はいろいろなことを考えていた」。毛利は一人、苦悩していた。しかし、今日考えていたことはいたってシンプルだった。『チームのために打つ』。もともと、打席の中ではあまり考えず、『無心』で来た球に対しコンタクトする毛利。自身の打撃スタイルをもう一度思い出し、初心に返った。
 そして、迎えた第1打席。真ん中に来た甘い変化球を無心で振り抜いた。左中間へ打球は伸びていき、そのまま左翼席へ。ダイヤモンドを回りながら、毛利は拳を強く握っていた。「1本出してチームのために活躍したい」。その思いがかなったからなのか、それとも、長いトンネルから抜け出したことに対する安堵からなのか、毛利の表情は今季になって初めて、本当の意味で崩れたように見えた。
 守備につく際、スタンドのファンからの大きな歓声に左手を上げながら応えた毛利の背中には、以前よりも増した頼もしさが感じられた。もう苦悩はない。平成最後の神宮で長い長いトンネルを抜け出し、ようやくスタート地点に立った毛利が、次は令和の神宮でアーチを描く。

(山﨑有馬)

監督インタビュー

金光 興二 監督代行

—慶大とのカードを振り返って
こういうギリギリのゲームが3試合続くなということは慶応の投手力、打撃力を見ていてやる前からわかっていました。こういう試合を勝ち切るだけの、力がなかったかなという感じはします。

—この3試合全てで、慶大は中盤から終盤にかけて追い上げを見せました
ピッチャーも、甘いボールがいったら一発があるということは感じていましたから、どうしても慎重にならざるを得ないですし、甘いボールは投げられないという気持ちでいった中で、慶応の打線の圧力というのを感じました。選手はこのカードで感じたことをこれからに生かしていけたらと思っています。

—三浦選手が3連投という形になりました
結果的には、昨日、投げさせざるを得ない状況になって、三浦には気の毒な状況になってしまったと思います。昨日、三浦を投入せずに、休めさせることができていたら、(結果は)違っていたのかもしれません。三浦は責められないです。

—打線の方は3試合とも先制に成功しました
それはそうなのですが、ただ、福田、宇草、また学生コーチには言ったことで、ホームランでしかあまり点が取れていないという現状があります。ホームランで点を取ることは良いことですが、つないで、タイムリーで点が取れるような形をもう一回、立教戦以降のゲームの中でできるようにやっていきたいと思います。

—打順は3戦の間で入れ替わりました
今日のゲームはおそらく5〜6点くらいの勝負になるかなと踏んでいたので、今日は調子の良いバッターを上位に持っていって、『攻撃的に』という考え方でいきました。安本の状態が良く、期待に応えてくれましたね。

—次戦に向けて
リーグ戦はまだまだこれから先がありますし、これで優勝がなくなったというわけではないので、とにかくこれから、立教、早稲田、明治に対して、法政ができることをやっていきます。勝ち点を一つ一つ積み上げていくこと。それに向けてまた練習をしっかりやって、次のカードに向けてやっていきたいと思います。

選手インタビュー

福田 光輝 主将

—今カードを振り返って
結果的に勝ち点落としてしまったので、悔しい気持ちがあります。

—今日は逆転負けという結果になってしまいました
誰が悪いとかはないので全員でカバーしていければ良かったです。それができなかったので、こういう結果になったかなと思います。

—今日の自身の出来栄えとしては
結構良い形で1、2試合目を攻められていたので、無理して打つのではなくて、しっかりできることをその場でやろうと思って、良くはなかったですけど、ある程度は自分の思った打席があったのかなと思います。

—3連戦となりましたが調整などは
もう切り替えてやっていくしかなくて、まだまだあと3節ありますし、そこに向けてやるべきことは変わらないと思うのでやっていきたいと思います。

—今日見えたチームの課題点などは
ホームランでしか点が取れてないので、次の立教戦までにはしっかり自分たちで考えていきながらバッティング練習をして、また試合で力を発揮できるようにしたいです。

—次の立大戦に向けて意気込みをお願いします
ここからも手強いチームが続くんですけど、1日1日、自分たちのやるべきことをやるだけだと思うので、(今日の敗戦を)無駄にしないように頑張りたいと思います。

内沢 航大 投手

—今日の試合を振り返って
試合が始まる前から昨日勝った時点で「総力戦」と言われていて、最終的にピッチャーが7点取られて野手が点を取ってくれたんですけど、踏ん張りきれなくて、敗因はピッチャーかなと思います。

—今日の法大投手陣の出来栄えとしては
打たれてはいけない場面で打たれましたが、やっぱり三浦が3戦連続で投げていて、決定打は三浦のホームランだったんですけど、あれはもう自分たちピッチャー陣全体としても負担を減らしてあげられたら結果は変わってたんじゃないかなと思います。三浦だけではなくて、みんなの責任と感じて来週の立教戦に向けて頑張っていきたいと思います。

—自身は今日、慶大戦のカードとしては初登板でした
3連戦の中で「常に行ける準備を」というのは言われていたので、結果が出せて良かったと思います。

—次回登板に向けての調整などは
どのポジションでもしっかり投げることを意識して調整していきたいです。

—今日見えた課題点などは
慶応のバッターに対してインコースとか、力強いボールが投げれているので勝負球、決めるボールを、日数は少ないですけど、もっとしっかりうまく入るように決めていけたらなと思います。

—立大戦に向けて
慶応戦の勝ち点は落としてしまったんですけど、残りのカードを全て勝ち点取ればまだ優勝の可能性はあると思うので、勝っていきたいなと思います。

高田 孝一 投手

—今日の試合を振り返って
3戦目の先発を任せてもらって、土曜日の(三浦)銀二も、日曜日の(鈴木)昭汰も良いピッチングをしていたので、自分も負けないようにと思って投げました。

—今日の内容としては
甘い球を打たれてしまったので、そこがやっぱり課題です。

—気迫のこもった投球でした
慶応戦がリーグ戦全体のキーになるというのは前々から思っていて、東大戦ではあまり良いピッチングができなかったので、そこも含めて、気持ちで投げていきました。

—今日は直球の調子が良かった印象です
真っすぐは最近、走っているので、そこは良かったですね。

—次戦に向けて
先発をやるのか、リリーフで投げるのかはまだわからないですけど、負けられない試合が続くので、1回1回、1球1球、全力で投げていきたいと思います。

三浦 銀二 投手

—今日の試合を振り返って
負けたので、次に向けてしっかり切り替えられたらいいかなと思います。

—ご自身のピッチングを振り返って
打たれた球が甘かったので、調子良いとか悪いとか関係なく、しっかり投げれるようなピッチャーになりたいなと思います。

—課題として見つかったものは
勝負球が甘かったり、調子が悪い中でもバッターを打ち取れることを目標にやってきたので、そこは自分の課題として持ち帰りたいです。

—柳町達選手に3ランを許しました
めちゃくちゃ悔しいですね。柳町さんの記録とかもありますけど、あれが決勝点になったので、シンプルにそれがすごく悔しいです。

—次の試合に向けて
次も投げることがあるなら、自分はチームを勝ちに導けるようなピッチングができれば良いなと思います。

安本 竜二 内野手

—今日の試合を振り返って
負けたので、それが1番悔しいですね。

—3試合連続本塁打となりました
チャンスで貴重な追加点になって、ホームランという1番良い結果が出たので、素直にうれしいです。

—狙っていましたか
いや、最悪犠牲フライを上げられれば良いかなという気持ちで楽に入ったので、上手く出て良かったです。

—打撃の好調の要因は
欲を出さずに、結果も欲しがらずに、割り切って打席に入れていることかなと思います。

—悔しい敗戦となりました
チームの雰囲気としては、今週の土日にまた立教戦があるので、それに向けてやるしかない、負けないで、1試合1試合勝っていくだけだという風になっています。

—次の試合に向けて
次もしっかり打って、次は勝てるように頑張りたいと思います。

毛利 元哉 外野手

—今日の試合を振り返って
慶応戦はなんとしても勝ちたいという思いがあったのですが、勝てる試合を落としてしまったと感じています。

—開幕から苦しい打席が続きました
11打席連続で凡退していたので、そろそろ1本出してチームのために活躍したいという気持ちでいました。

—その中で今日、待望の一発が生まれました
今日の試合はどうしても勝ちたいという気持ちがあって、打つしかないという気持ちでいきました。結果が出て良かったです。

—打席で考えたことは
今までは全く打てていなかったので、いろいろなことを考えていたんですけど、今日はもう「打つ」、「塁に出る」ということだけを考えました。

—次戦に向けて
もう、これ以上は落とせないので、立教戦含めて、全部勝てるように頑張っていきたいと思います。

フォトギャラリー

試合前は西山を中心に円陣を組んだ
気迫のこもった投球を見せた高田孝
待望の一発を放った毛利
安本は3試合連続となる本塁打で3番での起用に応えた
3試合連続登板となった三浦
今日も2安打を放ち、現在の打率は5割を超えている宇草
内沢は2回を完璧に抑えた
試合後、スタンドのファンに向けてあいさつをする法大ナイン