文・写真=鈴木栄一

フィジカルとメンタルを削るディフェンスが勝因に

4月29日、琉球ゴールデンキングスは名古屋ダイヤモンドドルフィンズとチャンピオンシップのクォーターファイナル、GAME3を戦った。ロースコアの展開となる中、最後まで守備の強度が落ちなかった琉球が名古屋Dとの我慢比べを67-43で制した。昨年に続いて名古屋Dを退けた琉球は、セミファイナルで前年王者アルバルク東京をホームで迎え撃つ。

お互いに激しい守備を見せることに加え、連日の激戦で疲れも溜まっていることもあり序盤から互いにシュートを決めきれない。その中でも名古屋Dは第2クォーター終盤に安藤周人の連続得点で22-18と流れを引き寄せにかかる。しかし、ここで琉球は守備のまずさから前日は約3分のプレータイムに終わっていた岸本隆一を投入すると、最初のプレーでいきなり3ポイントシュートを成功させる。さらに速攻からケビン・ジョーンズのダンクが飛び出し、琉球が23-22とまるで第1クォーター終了時のようなスコアで前半を終える。

第3クォーターに入っても一進一退の攻防は続くが、残り約5分に投入された岸本が再び交代直後に3ポイントシュートを決める。「オフェンスが最初うまく行ってなかったのを岸本が解決してくれました」と佐々宜央ヘッドコーチも絶賛した岸本は、このクォーター約5分で10得点をマーク。この主将の爆発によって主導権をつかんだ琉球は、超満員のホームの声援という大きな後押しも受け強度の戦いディフェンスを継続。45-31と一気に突き放す。

第4クォーターになっても琉球の激しいプレッシャーが落ちないことで、名古屋Dはフィジカルとメンタルの両方でスタミナを削り取られ、完全に失速。琉球は53失点に抑えた前日に続いての鉄壁ディフェンスによって激闘のGAME3を制した。

「タレントはハードワークをしないと生かされない」

佐々ヘッドコーチは、次のようにハードワークによる堅守でつかんだ勝利だったと言う。「ずっと言い続けたリバウンド、トランジションディフェンスを徹底して、少しふわっとした時間がありましたが、40分間の大半でディフェンス強度を上げられた中でできたのは良かったです。タレントはハードワークをしないと生かされない。どんな状況になってもハードワークをし続けろと言いました。それを選手たちはしっかりやってくれました」

これで2年連続のセミファイナルを決めた琉球だが、対戦相手のアルバルク東京について指揮官は「東京さんは優勝しているチームで、大一番でのピークの持って行き方を分かっています。中立地でやったら普通に負けてしまう」と相手の方が格上と見る。

だが、リーグ随一の熱狂度を誇るホーム沖縄で戦える地の利があれば、この劣勢を覆せると言う。「勝つとしたらホームコートアドバンテージを最大限に生かして、ファンのみなさんをどれだけ盛り上げることができるかにかかってくる。しっかり応援されるような準備はしますし、一体感を得て、強いチームを強い気持ちで倒したい。ファンの方々と一緒に戦いたいです」

そして「素直にA東京をホームで叩き潰したい気持ちが強いです」と闘志をむき出しにした。

3ポイントシュートが不発、ロースコアに沈んだ名古屋D

名古屋Dは昨シーズンに続き、琉球相手に先勝しながらの逆転負けでシーズン終了となってしまった。梶山信吾ヘッドコーチは、「フィジカル、メンタルともにかなり削られ続けたことで、特に後半に効いていました。この3試合を通して3ポイントシュートの確率が悪く、それがウチらしさを出せなかった原因。昨日も言いましたが、僕たちが悪かったというより琉球さんが素晴らしかったです」と敗因を分析する。

指揮官が言及した通り、名古屋Dの3ポイントシュートはこの試合が17本中3本成功。勝利したGAME1も21本中4本成功、GAME2が15本中3本成功と、最後まで火を噴くことがなかった。

昨シーズンと全く同じ結果となったが、それでも「残念ながら次のステップに進むことはできませんでしたが、チームとして本当にステップアップができました。今のチームは、まとまっていてワガママな選手がいない。最高のチームで恵まれた中で指揮を執らせてもらったのでみんなに感謝したいです」と梶山ヘッドコーチは成長の手応えも得たと総括している。