JOCジュニアオリンピックカップ2日目を迎えた。結果は米澤凌(スポ2=秋田商)が70キロ級で優勝。同じく70キロ級の鈴木歩夢(スポ1=埼玉栄)が準優勝を果たし、米澤は世界ジュニア選手権、鈴木はアジア・ジュニア選手権の出場権を獲得した。97キロ級の山崎祥平(商1=茨城・土浦日大)は準決勝で敗れ3位入賞となり、今大会2連覇とはならなかった。57キロ級の坂井剛光(社3=福岡・小倉南)は前回敗退した2回戦を今回勝ち進んだが、3回戦で敗退した。

★70キロ級決勝は同門対決


決勝で激突する米澤(左)と鈴木

 米澤は3回戦4回戦をともに10−0のテクニカルフォール勝ちを収め、優勝候補の実力を見せる。準決勝では諏訪間新之亮(国士舘大)相手に開始1分半でバックポイントと連続のローリングから6−0と点差をつける。第2ピリオドでは守りを重視し相手に得点を許さず、そのままの点差で決着し決勝へと駒を進めた。

 対し、1年鈴木は、3回戦はテクニカルフォール勝ちであったが、4回戦、準決勝は苦しい試合だった。両戦とも攻めようにも相手の守りが固く、思うように流れをつくれない。バックポイントを決められたのはともに1回ずつだった。何度も危機が訪れたがしっかりと守り抜き、4回戦では3−2の1点差、準決勝では2−2のビックポイント差によって辛勝。見事デビュー戦で決勝へと進んだ。

 決勝は米澤と鈴木の先輩、後輩の同門対決となった。試合は2ピリオド(P)を通して米澤が押す展開。鈴木はパッシブで1点を取られると、場外に押され第1ピリオドで2点差をつけられてしまう。第2Pでは果敢に攻めるも米澤が鈴木の攻めにしっかりと処理する。さらに米澤にバックポイントをとられ、結果4−0と無得点で同門対決を終えた。米澤は計5試合を全て無失点で抑え、実力を見せつけた。しかし、「今大会はある程度点を取ってディフェンスに回りすぎた。良いか悪いかで言ったらあまり良くなかったんじゃないかと思う」と米澤は言う。優勝を果たしてもなおこのように課題を見つけ反省する姿勢に米澤の強さがあるのだろう。国際大会は初めての両者。今大会70キロ級の優勝、準優勝コンビにこれからも注目だ。

★山崎、2連覇はかなわずも3位入賞!坂井は3回戦で敗退


3回戦敗退に終わった坂井だが、取り組みの成果を感じさせた

 試合終了間際の逆転で2回戦を突破し、前年の成績を上回った坂井は3回戦で山口叶汰(神奈川大)と相対した。しかし、第1Pにタックルのカウンターからバックポイントを奪われるなど0−4とリードを許すと、第2Pでも劣勢を覆すことはかなわず、0−5で敗戦。表彰台には届かなかったが、「(2回戦で)前だったら確実に負けていたところを最後逆転して勝ち切ったのは大きかった。坂井が一番ここまでの成果を出せていたんじゃないかなと思います」と佐藤吏ヘッドコーチ(平19スポ卒=秋田商)は振り返った。上級生として迎える今年度、坂井は飛躍のきっかけをつかみつつある。


2連覇はかなわなかったものの、山崎はそのポテンシャルを見せつけた

 前日の1回戦で圧巻のテクニカルフォール勝ちでデビューを飾った山崎は、この日の初戦となった2回戦でも立大の横田裕大を圧倒し、13−2のテクニカルフォールで準決勝へと駒を進めた。しかし、大津拓馬(山梨学院大)との対戦となった準決勝では序盤に立て続けに失点を喫し、試合開始1分時点で0−6と大幅にリードを許す劣勢を強いられる。反撃を期す山崎は果敢にタックルからの崩しを試みるも、カウンターで相手にポイントを献上してしまうなど、主導権を握れず。試合終盤には体力も底を尽き、攻撃の糸口をつかめないまま0−8で完敗を喫した。大会2連覇はかなわず、3位入賞という結果に終わった山崎だが、大会を通じて鋭いタックルや力強いグラウンド技を展開し、自身の持ち味を発揮。早大の未来を担う新生がそのポテンシャルの高さを見せつけた。

 米澤が優勝、ルーキーの鈴木と山崎もそれぞれ2位、3位に入賞し、早大の若き力を見せつけた今大会。入賞はかなわなかった坂井、小西拳(スポ2=岩手・盛岡工業)もそれぞれが冬場の取り組みの成果を発揮し、成長を感じさせた。次の舞台は2週間後に控える東日本リーグ戦。レスリング部の悲願であるリーグ戦総合優勝、そして国内最高峰の舞台・明治杯全日本選抜選手権へ向け、視界は良好だ。

(記事、写真 北﨑麗、林大貴)


優勝した米澤(左)と2位に入賞した鈴木

結果

フリースタイル
▽57キロ級
坂井 3回戦敗退

▽70キロ級
鈴木 2位
米澤 優勝

▽97キロ級
山崎 3位

コメント

太田拓弥監督

――大会2日間を総括していかがですか

一人しか優勝できなかったのでそれがちょっと残念だったり、安楽が出られなかったりとありましたが、いい面と悪い面がはっきりして課題がよく見えた大会だったと思います。

――今大会1年生が活躍しましたが、その1年生たちの躍進についてはいかがですか

祥平も去年優勝してますし、歩夢も練習で実力があるところを見せてくれていたので凌とどれくらいやれるかなって思ってたんですが、もっといいスコアであと一歩で追いつけるようなスコアで戦ってほしかったけど、凌のほうが気合いが入ってましたね。そういう感じが見てとれたと思います。それでも二人とも2位と3位というかたちで終われて、来年度優勝するレベルがあるという手応えを感じたのでその点についてはよかったなと思います。改善すべきところを改善すれば間違いなくもっともっと上に行けるなということが分かったのでしっかりやっていきたいなと思ってます。

――鈴木選手は4回戦、準決勝と互角の試合を繰り広げていた印象がありますが、そこで勝ち上がれた要因は

もともと受けが強い選手なのでそこが生かされたところと、攻撃のかたちが徐々にできつつあるのでロースコアでいってディフェンス面が強いことから守りきれたりとかポイントをしっかり取れていたりとかしたのが勝因の1つだと思います。

――山崎選手の攻めのレスリングが発揮できていた印象です。そこで見られた強みと準決勝での敗因は

あの階級であれだけ低いタックルができる選手は少ないですし、タックルの処理も早く、その後のグラウンドもしっかり処理していていいかたちでした。まあ負けた敗因は明らかにフィジカルの差ですね。一回り体が小さかったですし、祥平にも話はしたんですけど、体をしっかりつくっていけば十分勝っていけるはずです。彼の場合は一般受験で2月の後半くらいまでテスト勉強でろくに練習できていなかったので、大学入って1ヶ月ちょっとやりだして、フィジカル面でまだちょっと追いついてないのでその差が明らかに出た内容でしたね。

――優勝した米澤選手はあまり相手に得点させなかった印象です

ほぼ失点ゼロだったと思います。でもまだまだ自分で得点できるかたちを持ってるので、もっとそこを出していけばよかったんじゃないかと思います。まあまず優勝という結果を残せたのでよかったです。

――坂井選手についてはいかがですか

3回戦では最初の失点がすべてでしたね。タックルに失敗した後、頭から押さえられてバックをとられていました。マットを見て相手を全然見ていなくて失点するかたちで。前から学生には言っているんですが、「がぶり」と「ローリング」は気持ちで防げるものなので、その気持ちが足りなかった、弱気であったところを突かれたという感じですね。それらを防げなかったことが敗因のひとつであったと思います。

――小西選手については

去年1年間ケガでろくに練習できていなかったんですけど、体つきもレスリングもまだ大学で勝ち抜く力づくりができていないのでそこをもっとやっていかないとと思います。

――次戦リーグ戦に向けて修正していく点は

組み合いで追いつめる力とグラウンドの攻撃面、あと場外際の得点など試合で出た課題を修正していきたいと考えています。それらを改善していけば十分優勝を狙っていけるメンバーがそろっているので。コーチ陣と選手陣でよく話し合っていけばこの2週間で優勝をするチームになれるでしょう。しっかりこのゴールデンウィークで強化して準備をしていきたいと思います。

米澤凌(スポ2=秋田商)

――優勝おめでとうございます!

ありがとうございます!

――今大会はどういった意気込みで臨みましたか

ジュニアは最後で一番上の年だったので、優勝してやろうという意気込みでしたね。

――練習では調子が良さそうでしたが、実際のコンディションはいかがでしたか

調子は良かったんですけど、練習でできていて、試合でできないこともあったので、そこをしっかり修正できていればもっといい試合にできたのかなと思います。

――できなかった部分というのは具体的には

正面の組手はうまくできていたと思うんですけど、横についたりする動きがあまりできなかったので、そこを中心に改善していければもっと崩しのレパートリーも増えて得点にもつながったんじゃないかなと思います。

――大会通じて無失点でしたが、守りの部分で特別な意識などはあったのでしょうか

安定を求めてしまった部分があって。得点を取って安心していた部分があって、相手もカウンターがない選手だったりもしたので、ある程度点を取ってディフェンスに回りすぎたかなと思います。良いか悪いかでいったらあまり良くなかったんじゃないかなと思います。

――決勝では同門の鈴木選手との対戦となりましたが、振り返っていかがですか

歩夢もカウンターがすごく上手いので、そこを警戒しつつ、相手を動かして点を取れたり、圧力を掛けて点を取れた部分は良かったんですけど、最後の詰めの部分はポイントが取れそうな場面でも取りに行かなかったので、そういった場面でも詰めてポイントを取っていけるようになればもっと上でも通用するようになるんじゃないかなと思います。

――今大会良かった部分や成長を感じる部分はありましたか

少し圧力を掛けてポイントを取ったり、捌きだったりだとかは最近練習していたので、その部分ができたのは良かったと思います。

――世界ジュニア選手権の出場権を獲得しました。今後に向けた意気込みをお願いします

まず第一にけがをしないようにしたいです。国際大会は初めてなんですけど、海外で試合となると外国の選手は力が強いので、フィジカルを鍛えたり、今大会で課題だった横の動きだったりを強化していきたいですね。

鈴木歩夢(スポ1=埼玉栄)

――2位という結果については

早大に来て2ヶ月ぐらいで、階級を上げて初めての大会だったので、その成果が出るかっていう試合だったので、そこで決勝まで行けたというのはすごく収穫だったと思います。

――初めての70キロ級で、2回戦、3回戦はテクニカルフォール勝ちでしたが、振り返っていかがですか

2回戦は高校生だったのいつも通り。3回戦は前にやったことがあって、その時は接戦だったんですけど、うまくグラウンド技が決まってテクニカルで勝てて、そこの試合でうまく勝てたのが次の4回戦や準決勝でバテずに勝ち切れた要因なのかなと思います。

――4回戦、準決勝は接戦を勝ち切りました

比較的試合運びを考えながら練習をしていたりしているので、その中で準決勝は実績は相手の方が上だったので、試合運びで優位に立って勝つしかないなと思っていました。うまい具合に自分が主導権をにぎって試合を展開できたので勝てたんじゃないかなと思います。

――米澤選手との決勝を振り返っていかがですか

組み合わせが出た時から決勝は凌さんになるとわかっていたので、とりあえずは決勝まで進むことが今大会の目標で。練習でいつも勝てていなかったので、どのくらいできるかなっていうのを確かめたかったんですけど、普通に負けてしまったので、結果は満足だったんですけど、決勝の内容は課題が見つかったと思うので、そういった部分を今後は改善していきたいです。

――早大のレスリング部で練習を始めて2ヶ月ほどですが、ここまでの手応えとしてはいかがですか

自分でもすごく集中してできているなっていう印象はあって。早大でやっているとあまり感じないんですけど、出稽古に行ったり、試合になると自分が成長しているということが感じられるので、自信にはなっています。

――早大4年間での目標はありますか

自分は高校でも全国で優勝したことがないので、インカレ(全日本学生選手権)や内閣(内閣総理大臣杯全日本大学選手権)で優勝したいです。