文・写真=鈴木栄一

琉球と名古屋D、決着は明日のGAME3に持ち越す

4月28日、琉球ゴールデンキングスがチャンピオンシップのクォーターファイナル第2戦で名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。後半に持ち味の堅守を取り戻し、失点をわずか18に抑え込んだ琉球が77-53で快勝し、前日のリベンジを達成。これでシリーズは1勝1敗となり、明日の第3戦でセミファイナル進出を決めることになった。

前日、琉球は第1クォーターで4-21とつまずいたことが敗因となった。しかし、今日は試合最初のプレーでいきなりスクリーンプレーから古川孝敏が3ポイントシュートを決める。個人プレーに偏った第1戦とは打って変わり、チームで作り上げたシュートチャンスで先制すると、30秒後にも古川が同じ流れから外角シュートを沈める。

この古川に打たせるセットプレーは彼の十八番であり、名古屋Dも警戒していた。しかし、梶山信吾ヘッドコーチが「油断していたわけではないです。かなり慎重に選手たちも抑えようと理解して試合に入っていました。しかし、その上を行かれてしまった。決めた古川選手が素晴らしかったです」と振り返る、質の高い一連のセットプレー成功で琉球が流れをつかんだ。

こうして16-7と先行した琉球だが、ここから佐々宜央ヘッドコーチが「安易なプレーやディフェンスのミスで主導権を失ってしまいました」と反省するように第1クォーター終盤から第2クォーターにかけて得点が止まる。

逆に名古屋Dは、エースのジャスティン・バーレルに加え、中東泰斗や安藤周人も積極的に仕掛けるバランスの取れたオフェンスで逆転に成功。5点リードで前半を終える。

古川と橋本、勝負どころでタレントが力を発揮

だが、後半に入ると佐々ヘッドコーチが「ハーフタイムで古川は調子が良いのに、彼を使う選択肢をチームとして持たないのはおかしんじゃないか、と確認はしました。結果論ですけど調子が良い選手を使い続けるのは大事で、それを後半のゲームプランとしてできました」と振り返ったように、琉球は立ち上がりの2本の後は得点なしに終わっていた古川に再びボールを集める。

その期待に古川が見事に応え、このクォーターで3ポイントシュート4本中4本成功の16得点と大爆発。さらに橋本竜馬が持ち前の激しいディフェンスで前からプレッシャーを仕掛けることで、名古屋Dの攻撃のリズムを狂わせる。

この2人の活躍もあって波に乗った琉球は、このクォーターで32−12と名古屋Dを圧倒し逆転に成功。そして、第4クォーターに入っても守備のインテンシティは落ちることなく圧勝した。

前日の完敗からの完勝となった琉球だが、佐々ヘッドコーチは「試合後、ロッカールームに戻った後で喜ぶなと言いました。まだ何も成し遂げていない。平常心を持って明日の試合に臨むだけです」と気を引き締める。

「今日の勝ちは昨日の反省から学んだものだったのか、ただの勢いだったのか、明日のプレーで分かる。明日、賢いバスケットボールができれば次のラウンドに挑戦する資格がある。やることをやるだけです。それ以上のことはできないし、それ以下のことはしてはいけないです」

『やることをやるだけ』。琉球のそれはディフェンスだ。9得点に、3つのオフェンスリバウンドを含む5リバウンド2アシスト1スティールとオールラウンドな活躍を見せた田代直希は、「ディフェンスが僕たちの代名詞で、そこにプライドを持たないといけない」と断言。前日の第1クォーターを引き合いに出し、「例えば第1クォーターの得点が4点だったら相手を2点に抑えればいいだけ」と続ける。

3連戦も「疲れたとか言っている場合ではない」

今日で勝ちきれなかった名古屋Dの梶山ヘッドコーチは、「ウチがダメだったというより琉球さんが本当に素晴らしかったです。最初、1本目のシュートが入った時の会場の雰囲気が全く違いました。そんなファンの後押しがあり、琉球さんはオフェンス、ディフェンスともに良かったです」と、琉球に自分たちの上を行かれたと言う。

しかし、もちろんこのまま引き下がるつもりはない。明日の第3戦は3連戦の過密スケジュールとなるが、「疲れたとか言っている場合ではない。明日も全力でやるだけです」と気持ちを切り替えて挑むと言う。

チャンピオンシップの大舞台での3連戦は、フィジカル、メンタルの両方で選手たちにとってこれまでにない疲れをもたらす。だからこそ橋本竜馬が「いつも通りを強調します。負けたらシーズンの終わりが分かっている状況で緊張しない選手はいない。その中で、どれだけいつも通りにやれるのかが大事」と語るように、どちらがより普段通りのプレーを遂行できるかに注目したい。