春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)も折り返しを迎えるなか、早大はきょう江戸川大と対戦した。序盤は早大ペースで試合が進んだが、江戸川大の猛攻にあい連続得点を許す場面もあった。しかし、持ち前の守備からリズムを作ると、ブロックポイントやサーブポ…

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)も折り返しを迎えるなか、早大はきょう江戸川大と対戦した。序盤は早大ペースで試合が進んだが、江戸川大の猛攻にあい連続得点を許す場面もあった。しかし、持ち前の守備からリズムを作ると、ブロックポイントやサーブポイントが良い場面で見られ得点を重ねる。実力のある江戸川大に苦戦する部分もあったが、セットカウント(25-15、25-18、25-20)で5戦連続ストレート勝ちを決めた。

 「1点目を取るということ」(植松)を課題にして試合に挑んだ早大は、中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)のブロックアウトで先制した。セット序盤で試合の流れを掴むと、富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)や齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)のブロックポイントなどで10連続得点を奪い、13点の差をつけた。江戸川大も粘りを見せ5連続失点を喫する場面もあったが、序盤に奪ったリードは大きく第1セットを先取する。第2セットも課題の1点目を山下日和(社1=千葉・市立船橋)がきっちりと決め、主導権を譲らない。富澤・中澤のバックアタックや井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)・梨本未央(社3=東京・駒場学園)・山下のサービスエース、齋藤のクイックなど変幻自在の攻撃が相手のディフェンスを惑わせ連続得点を重ねた。最後は、中澤が冷静にフェイントで得点を奪い第2セットも奪う。


スパイクで得点を量産する中澤

 このまま逃げ切りたい第3セットであったが、課題の1点目を奪われると自陣のミスも重なり、いきなりリードを許してしまう。それでも、井上が二段トスをうまく打ち得点に結びつけると、それを皮切りに4連続得点を奪い相手に食らいつく。両チーム一歩も譲らない展開が続くなか、早大はセッターを植松知里(文構3=香川・高松第一)に代え拮抗状態の打破を試みる。すると、植松の投入で守備に厚みが増し『粘りのバレー』で流れを手繰り寄せた。富澤・井上の好レシーブで長いラリーを制すると、最後は中澤・山下を中心に5連続得点を奪いストレート勝ちを収めた。


流れを変えるピンチサーバー梨本

 早大は開幕から5試合、1セットも落とさずに勝利し春季リーグを折り返した。好調の要因として、中澤・山下の強力な1年生コンビの加入は言うまでもないが、昨年度まで得点源では無かったサーブやブロックで得点を稼げていることは、点差を広げるという意味でもチームに流れをもたらすという意味でもチームの好調の一因となっている。それに加え、持ち味である守備も安定感が増し早大らしい『粘りのバレー』を支えている。しかし、富澤が「今週から上位のチームと当たる」と語るように、今後対戦するチームはどこも強豪だ。相手のレベルが上がるなかで、早大らしい『粘りのバレー』を体現できるかが全勝優勝へのカギとなることだろう。

(記事 友野開登、写真 篠田雄大)

セットカウント
早大25-15
25-18
25-20
江戸川大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)
センター 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)
センター 山下日和(社1=千葉・市立船橋)
ライト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
コメント

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

今週から上位のチームと当たるということで、1週間すごく緊張していたんですけど、今日の試合では1セット目からいい流れが作れて、相手も手ごわかったですけどそれ以上に自分たちのいいところがいっぱい出て良かったと思います。

――リーグ戦前半を折り返しましたが、今の率直なお気持ちはいかがですか

とりあえず全勝優勝というものを目標にやっているので、ここまで1セットも落とさずやってこられたのはとりあえずみんなをほめたいと思います。

――きょうの試合は1セット目はかなり点差を広げることができたと思いますが、後半に連続失点が目立ったように思います。それに関してはどうお考えですか

やっぱり気が抜けたかなあというところもあるし、そういう部分があるとこれからきつくなってくる時に厳しくなってくると思うので、気を引き締めてやっていかないといけないですね。課題ですね。

――3セット目はずっと競った展開が続きましたが、プレーヤーとして、主将としてどうチームを引っ張りましたか

いつも3セット目は調子が悪くてきょうの試合のような感じなので、それはリーグ戦含めて毎回課題にしていかなければならないと思いますが、それでもあのように勝ちきれたり1点1点取り切れているということはいいことなので、それは自分だけの力だけではなくみんなの力だと思います。</p>

――今日はブロックとサーブが好調だったように見受けられましたが、好調の要因は何ですか

1年生の二人の素晴らしさだと思います。あの二人に引っ張られてという感じなので(笑)。

――昨年にはあまり見られなかったバックアタックに中澤さんとともに取り組んでいらっしゃいますが、その手ごたえはいかがですか

恵(中澤)が何でも打てるので、それは使っていこうという風になっているんですけど今日初めてちゃんと打ちました私は。

――後半戦に向けて意気込みをお願いします

まだ対戦していないチームが2つありますが、今日よりもさらに強いと思いますし自分たちももっと苦しめられると思うので、もう1回相手の対策も含め自分たちのいいところをしっかりと出せるように頑張ります!

植松知里(文構3=香川・高松第一)

――今日の試合を振り返っていただけますか

1点目を取るということをずっと課題にしてやってきましたが、1・2セット目は1点目から自分たちで点を取れていたので、そこでいい流れが作れていたかなと思います。

――きょうで春季リーグが折り返しますが、前半戦の個人として、そしてチームとしての感想を聞かせてください。

チーム全体としてはリーグを通してちょっとずつ詰められるところは詰められてきていると思いますし、チームが固まってきているなという印象があります。個人としては途中から出ることが多いですが、ちょっとずつ途中から出ることにも慣れてきて、アップの仕方や体の作り方も分かってきた部分があるし、まだまだプレー的にはコートに出たときに自分の良さを出していかないといけないなと思います。

――きょうは第3セットの競っている場面で出場されたシーンもありましたが、どのような気持ちでコートに入られましたか

絶対にセットを取りたかったし、自分が入ることでチームに良い流れを持っていけたらいいなと思って入りました

――橋本さんと二人でセッターをやっていると思いますが、植松さんの長所はなんですか

美久(橋本)はコンビを組むのがうまくて速攻とか上げるのがすごい上手だなと思います。自分はそこがあまり得意ではないですが、その分レシーブでチームに貢献するというのが自分の役割かなと思います。

――後半戦への意気込みをお願いします

チームとしては全勝優勝して入れ替え戦で勝つのがもちろんなんですけど、自分としては途中から入ったときに自分らしさをもっと出していって、勝ちに繋げられるように頑張ります。