1勝1敗で迎えた関東学生春季リーグ(春季リーグ)第3節、早大は明大と対戦した。前半戦序盤、試合のペースを完全につかんでいた早大。一時は5点リードとなりこのまま点差を広げていくかに見えたが、着々と明大に追い上げられ2点リードで前半を終えるか…

 1勝1敗で迎えた関東学生春季リーグ(春季リーグ)第3節、早大は明大と対戦した。前半戦序盤、試合のペースを完全につかんでいた早大。一時は5点リードとなりこのまま点差を広げていくかに見えたが、着々と明大に追い上げられ2点リードで前半を終えるかたちとなってしまった。後半戦を迎えてもなかなか明大のペースを崩しきることができず、終盤の必死の追い上げも虚しく2点差で敗北した。

 前半戦開始1分、RB阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)の得点をきっかけに、試合は完全に早大のペースとなった。LW前田理玖(スポ3=福井・高志)の意表を突いたシュートや、CB宮國義志(社4=沖縄・浦添)の力強いシュート、9分には岡本隼(商3=滋賀・彦根東)の速攻も決まって、11分を5点リードで迎える。早大らしいプレーが続き、試合の流れをつかみきって前半戦を終えると思われた。しかし、試合開始から17分が経つと明大の反撃が始まった。1点を奪っても速攻で点を決められ、明大に着々と点差を埋められる展開となってしまう。最初のリードを活かし引き離そうと試みる早大であったが、ところどころのパスミスなどを相手にとられてしまい、1点ビハインドとなってしまった。残り3分で何とか2点を入れた早大は、15-13と2点リードというかたちで試合を折り返したが、試合の雲行きは怪しいままであった。


阿南のシュートも確実に決まった

 明大の反撃のペースを断ち切りたい早大。しかし後半戦開始後、3連続失点を喫してしまい、逆転を許してしまった。何とか同点まで追いつこうとするワセダセブンであったが、「相手のディフェンスシステムに対応しきれなかった」と前田が振り返るようになかなか思うように攻めることができない。また、シュートチャンスを得ても外してしまう場面も多くみられ、点差はどんどん開いていってしまう。4点ビハインドとされた12分、タイムアウトがとられ、PV中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)やRW清原秀介(商4=東京・早実)のシュートが決まり巻き返しの兆しが見えたかと思われたが、GK羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)や、途中出場のGK中村匠(スポ2=千葉・市川)の調子が上がり切らないこともあり1点を返せば1点を奪われるという展開が続いた。しかし、早大もなすがままとはいかない。残り時間5分を切ったころ、LB青沼健太(社2=千葉・昭和学院)のサイドシュートが決まったことを皮切りに早大の攻撃が勢いづく。前田はチームのミスをカバーし、単独でゴールに乗りこみシュートを堅実に決めた。また、阿南の速攻も決まり会場に歓声が響いた。27-28というスコアで残り1分を切ると、双方に緊張が走る。相手の攻撃を食い止めたいワセダセブンは終盤オールコートの陣形をとったが、必死の奇策も虚しく27-29で試合を終えることとなってしまった。


2連敗となり、悔しがるワセダセブン

 前回の中大戦と同様に僅差で敗北した早大。来週には強豪校である日体大や筑波大との試合が控えているため、主将である清原は「今回の明大戦は絶対に落とせない試合だった」と悔しそうに振り返っていた。強敵との戦いを踏まえると明大戦での黒星は早大にとって痛手となってしまったが、春季リーグはまだまだ続いていく。再び気持ちを切り替えて次の日体大戦に挑むワセダセブン。次戦での熱いプレーに期待が高まる。

(記事 栗林真子、写真 稲葉侑也)

関東学生春季リーグ
早大2715−13
12−16
29明大
GK 羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)
LW 前田理玖(スポ3=福井・高志)
LB 青沼健太(社2=千葉・昭和学院)
PV 中村祐貴(スポ3=北海道・札幌西)
CB 宮國義志(社4=沖縄・浦添)
RB 阿南遼星(スポ3=大阪・大体大浪商)
RW 清原秀介(商4=東京・早実)
コメント

清原秀介主将 (商4=東京・早実)

――試合を終えた今の気持ちをお願いします

来週は日体大、筑波大という強いところとの戦いなので、今回の明大戦というのは絶対に落とせない試合というふうに認識して取り組んできていたので、そういう面ではすごく悔しいです。

――試合全体のプレーを振り返ってみていかがでしょうか

前半はよかったんですけど、後半の出だしでディフェンスで守れず、オフェンスでも一線から変則への変化にも対応できなかったというのが悪かったなと思います。

――後半、失点が多くみられましたが、そのことを通して課題などは見つかりましたか

オフェンスであまり攻めることができずに、逆速攻とかでディフェンスをする機会がないというのが大きかったので、ディフェンスで1本とって自分たちの速攻につなげることが大切かなと思いました。

――次戦への意気込みをお願いします

来週に試合を2回やって、3日空いてまた(試合が)2回というハードスケジュールなので、まずは初戦の日体大戦で分析とかで対策して勝って、流れに乗って(勝利を)4つ取りに行きたいかなと思います。

前田理玖(スポ3=福井・高志)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしょうか

1勝1敗で迎えて試合だったので、この後日体大、筑波大と強い相手が続くので落とせない試合だとミーティングの中でも話していたんですけど、そこで勝てなかったのは痛かったなというふうに思います。

――試合前、どのような気持ちで臨まれましたか

前回も1点差での負けだったのでただ負けるよりみんな悔しかったと思いますし、僕も悔しかったので、全員で勝とうという気持ちは前回よりも強くなっていました。

――チームの出来はいかがでしたか

前半の入りは自分たちの中では今までで一番の出来だったんですけど、中盤から終盤にかけて相手のディフェンスシステムに対応しきれなかった甘さが出た試合だったかなと思います。

――自身の出来はいかがでしたか

大事な場面でシュートを外してしまったり、体力面でもきょうはちょっときつかったので、まだまだこの関東1部で戦うには甘いなと思いました。

――次戦以降強豪との試合が続きますが、意気込みをお願いします

僕らは全チーム格上だという意識で、チャレンジャー精神で臨んでいるのでその面ではどの相手でも試合前の気持ちは変わらないと思うんですけど、相手の戦い方っていうのもチームによって違うと思うので、あと1週間でできるだけ準備して1点差でもいいので次こそは勝ちたいと思います。