ディフェンスで耐え続ける超ロースコアゲームに京都ハンナリーズは敵地で大阪エヴェッサと対戦。勝てばチャンピオンシップ進出の可能性を残していたが、大阪の粘りの前に屈して1点差で敗れてシーズンを終えた。ケガで2試合を欠場していたデイヴィッド・サイ…

ディフェンスで耐え続ける超ロースコアゲームに

京都ハンナリーズは敵地で大阪エヴェッサと対戦。勝てばチャンピオンシップ進出の可能性を残していたが、大阪の粘りの前に屈して1点差で敗れてシーズンを終えた。

ケガで2試合を欠場していたデイヴィッド・サイモンが復帰した京都は、立ち上がりからサイモン、伊藤達哉、サイモンと3連続でオフェンスを成功させて6-0としたまでは良かったが、ここから大阪のディフェンスを攻略できず得点が止まる。マブンガからサイモンのホットラインを大阪ディフェンスに断ち切られ、マブンガのジャンプシュートがことごとく決まらない。

得点にアシストにリバウンドにとシーズンを通してフル回転してきたマブンガは、浜口炎ヘッドコーチの言葉を借りれば「満身創痍」で、第3クォーターのラストプレーまで無得点が続いた。

切り込み隊長のポイントガード伊藤もドライブにキレがなく、シューター陣の3ポイントシュートも決まらない。ディフェンスは機能し、大阪の得点を単発で食い止めるものの、オフェンスはなかなか上向かなかった。第1クォーターはリードしたものの、第2クォーターに逆転を許すと、第3クォーターは終始ビハインドを背負う苦しい展開に。

それでも、ディフェンスで耐えてオフェンスの爆発を待つ試合展開は京都の得意の形でもある。超ロースコアとなった試合は、第3クォーターの最後に3ポイントシュートでマブンガが初得点を決めて35-37と京都が1ポゼッション差に迫った。ファストブレイクもセカンドチャンスポイントもほとんどない重い展開から、波が来れば一気に突き放してもおかしくはなかった。

ここで浜口ヘッドコーチは伊藤をベンチに下げ、マブンガをポイントガードとして起用。インサイドにサイモンと永吉佑也を置いて勝負に出る。その圧力が効いて大阪を苦しめ、チームファウルを先行させたが、やはりシュートが入らず、クロスゲームから抜け出せない。

抜け出した大阪、ホーム最終戦を勝利で飾る

抜け出したのは、エグゼビア・ギブソンに勝負どころのオフェンスを託した大阪だった。エースの役割を期待されながら故障続きで、シーズンの半分を欠場したギブソンが、6760人を集めたホーム最終戦でブースターに勝利をもたらすべく奮闘。そして残り30秒、こちらもここまで無得点が続いていた熊谷尚也が値千金の3ポイントシュートをねじ込み、52-49とリードを奪う。

それでも波乱はまだ続く。51-52と1点ビハインドの京都が仕掛けたファウルゲーム、ジョシュ・ハレルソンと熊谷が2本ずつフリースローを落とし、リバウンドを拾ったマブンガがファウルを受けて逆にフリースロー2投を得る。2つ決めれば逆転の場面だったが、ここまでフィールドゴール16本中2本成功のみ、ここまでフリースローもなかったマブンガは1本も決められず。スコアが動かないまま、大阪が勝利した。

浜口ヘッドコーチは「オフェンスでプレーが単発で、マブンガの3ポイントシュートがポーンと外れて終わり。入っているうちは良いバスケットに見えるが、今日彼が調子悪かったことを考えると、もう少しチームショットを増やしていかないと得点は伸びないと」と振り返るが、「マブンガで勝ったゲームがたくさんある」と万能のエースを一切責めようとはしなかった。

マブンガ自身は「今シーズンで最も出来の悪い試合がここにきてしまった」と説明したが、チームとしてカバーできなかったのも事実。京都はマブンガのチーム。最後にエースが不発に終わったことで、チャンピオンシップ進出にあと一歩届かなかった。