開幕から1週間が経ちいまだ1セットも落としていない早大は、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)3戦目で武蔵短大と対戦した。第1セットは均衡状態が続いていたが、一度流れを掴むと止められないのが今季の早大。連続得点を重ねこのセットを奪うと、その…

 開幕から1週間が経ちいまだ1セットも落としていない早大は、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)3戦目で武蔵短大と対戦した。第1セットは均衡状態が続いていたが、一度流れを掴むと止められないのが今季の早大。連続得点を重ねこのセットを奪うと、その後も主導権を譲らずにセットカウント3-0(25-13、25-18、25-20)で勝利を手にした。

 山下日和(社1=千葉・市立船橋)の技ありフェイントで試合が幕を開ける。先週から課題としていた立ち上がりは競り合うかたちになったが、馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)が「悪くなかったと思います」と語るように、うまく相手に対応して着実に得点を積み重ねた。すると、山下の連続得点を皮切りに均衡が破れ、点差を広げる。セット終盤には、富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)の連続スパイクポイント、齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)の連続ブロックポイントを含む8連続得点の猛攻をかけ、第1セットを先取した。続く第2セットは、橋本美久(社2=福島・郡山女大附)と植松知里(文構3=香川・高松第一)の両セッターをうまく起用し相手に的を縛らせない。富澤・山下・中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)のブロックポイントでも効果的に得点を奪い、第2セットも連取した。


攻守で活躍が見られた齋藤

 いいテンポで迎えた第3セットであったが、序盤は細かいミスが散見され点差を広げることができない。その中でも、井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)や河治えみり(社3=北海道・旭川実業)の安定したレシーブで確実に試合を組み立てていくと、ピンチサーバー・梨本未央(社3=東京・駒場)がサービスエース。チームに勢いをもたらし、最後は好調な齋藤がブロックポイントを奪い、試合終了。見事、3試合連続ストレート勝ちを収めた。


安定したトスを供給する橋本

  先週の課題であった試合の立ち上がりも改善され、全体を通して優位な試合運びであった。特にブロックがいつも以上に機能し、ダイナミックなバレーが展開された。その反面、細かいミスも見受けられ、チームが発展途上であることもうかがわせた。齋藤は「自分たちの形が確立されつつある」と語ったが、確立されつつある「自分たちの形」が本当に確立すれば、目標である『1部昇格』はおのずと現実のものとなるだろう。

(記事 友野開登、写真 飯塚茜)

セットカウント
早大25-13
25-18
25-20
武蔵短大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)
センター 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)
センター 山下日和(社1=千葉・市立船橋)
ライト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
コメント

馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)

――今日の試合を振り返っていただけますか

1本目の動きは良かったと思いますし、ブロックもいつもと違いポイントを稼げたので、その部分では試合の運びとしては楽だったなと思います。一方で、ブロックが出たことでバレーがすごく大味になり細かいミスが出てきて、しっかり粘りきって勝ち切るといったところまでは意識が上がりきっていなかったので、そこは明日改善したいと思います。

――先週は立ち上がりに課題が見られましたが、きょうの立ち上がりはいかがでしたか

今日は悪くなかったと思います。点数的には1点ずつ重ねていくという状況でしたが、そのなかでしっかり相手を見てそれに対応するような動きでうまく立ち上がりをスタートしていたと思います。

――富澤選手や齋藤選手など上級生の活躍が多く見られましたが、その点についてどう感じていますか

一人一人がやるべきことをやってくれているなと思うので、今名前が出たメンバーそうですし、名前が出なかったメンバーもしっかり役割を果たしていると思います。

――きょうは途中出場の選手がうまく機能していましたが、選手起用で気をつけていることや意識していることはありますか

コートの中のメンバーだけでなく全員でやろうということでやっています。きょう起用されたメンバーについてはもっとできると思います。日々の練習の中で一つ一つできることが増えてきているので、それを最後にコートの中で発揮してもらえれば個人の自信にもなると思いますし、個人の自信が重なればチームの力になると思うので、そういうことを考えて起用しています。

――明日の試合の意気込みをお願いします

一戦一戦です。大味にならずにきめ細かく、そしてダイナミックに戦っていきたいと思います。

齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)

――今日の試合を振り返っていただけますか

まずしっかりストレートで勝ち切れたのは良かったと思います。1セット目の1点目を取るというのをチームの目標にしていて、先週の2試合はそれが出来なかったが、今週はそれが出来たのでそこは良かったと思います。1セット目もしっかり自分たちの流れを作れましたが、1・2セットを簡単に取れた後の3セット目で少しずつ自分たちのミスが出始めて詰めの甘さが見られたので、そこはしっかり詰めたいなと思います。

――春季リーグ3試合を終えた感想はいかがですか

強力な1年生が2人入って自分のチームへの貢献の仕方は変わりましたが、だいぶ慣れてきてきょうは個人的には自分の理想の形でチームに貢献できてよかったです。チームとしても、3試合目にしてようやく慣れてきて自分たちの形が確立されつつあるかなと思います。

――同じポジションに山下選手が入ってきたと思いますが、なにか意識することはありますか

すごい意識しています(笑)。でも、良い刺激を貰っていて、プレースタイルややっていることは少し違いますが、きょうもお互いにブロックをしあって、今までとは違う感じで良い刺激になっています。

――きょうはブロック以外にクイックなども決まっていたと思いますが、攻撃の面で何か意識したことはありますか

春リーグの前になかなかクイックが合わなくて苦しんだ時期もありましたが、きょうは比較的クイックを合わせられたのでそこは良かったと思います。相手のブロックが絶対に1枚はついてくるとセッターと話して、少しコースをずらしてもらうとかの細かい調整がきょうは上手くいったかなと思います。

――春季リーグの意気込みをお願いします

私たちが目指しているのは1部に復帰することなので、まず1セットも取りこぼさずしっかりと勝ちきって、今はまだ自分たちのバレーをやり切れていないところがあるので、自分たちのバレーをしっかりやり切って1番良い状態で入れ替え戦に挑めるように、2部でしっかり優勝して入れ替え戦に挑めるように頑張ります。