カナダ・トロントで開催されている「ロジャーズ・カップ」(ATP1000/7月25~31日/賞金総額408万9740ドル/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第4シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)が第10シードのガエル・モンフィ…

 カナダ・トロントで開催されている「ロジャーズ・カップ」(ATP1000/7月25~31日/賞金総額408万9740ドル/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第4シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)が第10シードのガエル・モンフィス(フランス)に4-6 4-6で敗れた。

 ラオニッチは見るからに、失望を隠せない様子だった。  「失望、は適切な言葉だろう」と試合後のラオニッチ。「テニスの世界では、ほとんどの週で優勝しているトップ中のトップの選手でない限り----こういう選手は極めて少数だが----かなり何度も敗北を味わうことになる。だから、それら(の敗戦)を最大限に利用すること、そこから学び、それらの状況からよりよくなろうと努めることがとても重要なんだ。それが僕の次の目標だよ」と続けた。  モンフィスは土曜日に行われる準決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。ジョコビッチは準々決勝で第5シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)を7-6(6) 6-4で下した。  モンフィスに対し11戦全勝の戦績を誇るジョコビッチだが、それでも「今現在、彼は素晴らしいテニスをプレーしている」と言って警戒心を見せた。「彼はワシントンで優勝した。ここ数週間の彼は、おおざっぱにいえばほぼ毎日プレーしており、コート上で自信を感じている様子だ」。  そのほかに行われた準々決勝では、第2シードのスタン・ワウリンカ(スイス)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6-1 6-3で下し、第3シードの錦織圭(日清食品)がグリコール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-3 3-6 6-2で倒した。ワウリンカと錦織が土曜日の準決勝を戦う。  ラオニッチは満場の観客の全面的サポートを受け、主審が何度も静かにするよう頼んだほどだった。それでもファンたちは「レッツゴー、ミロシュ!」と叫んだり、各ゲームのほとんどのポイントのあとに、彼の名を呼びながら両手を打ち鳴らした。しかし騒々しい観客たちは、モンフィスをも助けていたのだ。試合前にモンフィスは、たとえ観客が自分のほうを応援していなくても、満員の観客の前でプレーするのが大好きだ、と言っていた。  「アウェーでデビスカップをプレーしたことは何度もある」とモンフィス。「同じような感覚だよ。僕は常に(大舞台の雰囲気に触発されて)燃え上がり、高揚するタイプの選手だと思う。それが僕への声援であれ、相手選手への声援であれ、どんなエネルギーをも活用するんだ」。  ラオニッチは今年、グランドスラム大会の準決勝に進出した最初のカナダ人となったあと、ウィンブルドンの決勝で、アンディ・マレー(イギリス)に敗れた。かつてカナダ・オープンと呼ばれていた、このロジャーズ・カップに優勝したカナダ人は、1958年のロベール・ベダール以来、出ていない。  ジョコビッチは第5シードのベルディヒに対し、12連勝を刻み、彼に対する戦績を25勝2敗とした。29歳のジョコビッチは、トロントとモントリオールの間で毎年会場をローテーションするこの大会で、2007、2011、2012年に優勝している。ジョコビッチはまた、今年6度優勝しており、その中には全豪、全仏という2つのグランドスラム大会も含まれている。(C)AP