自分の強みを理解し、攻守で活躍

栃木ブレックスは先週末のサンロッカーズ渋谷戦に連勝した。2試合とも失点を60点台に抑える、栃木の堅守ぶりが目立ったが、第2戦では今シーズン2番目に多い99得点を奪ったオフェンス力も光った。

この試合、23分の出場でチームハイ(タイ)の16得点を挙げ、4アシスト3スティールを記録した鵤誠司は、勝利に大きく貢献した。

それでも、「第1戦の修正ができて、チャンピオンシップに繋がる試合ができたのが良かった」と、個人的な活躍には触れず、チームが前進したことを収穫に挙げた。

「フィジカルなディフェンスと速攻が長所。そこを出しながらチームに良い影響をもたらしたい」と、自身の強みを語るように、鵤は攻守両面で違いを生み出した。

昨シーズンに比べて約6分間伸びたプレータイムに比例し、主要スタッツを伸ばしている。3ポイントシュート成功率は今のところキャリアハイ(33.5%)の数字を残しているが、「スペーシングを大事にしているチームなので、ノーマークで打つ機会は多くなっている。そこはあるかな」と、栃木のチームバスケットを深いところで理解できている賜物だと鵤は見ている。

一方で2ポイントシュートの確率は下がっているが、どんなにシュートを落としても迷わず打ち続ける強心臓の持ち主でもある。そうしたメンタルの安定性は性格によるものだと明かした。「ポジティブに考えてるので、ミスしても切り替えがスムーズにできます。引きずらないので、フレッシュな気持ちで臨めていますね」

指揮官から寄せられる守備面での絶対的信頼

栃木にはシーズン途中に比江島慎が加わった。普通に考えれば、日本代表のエースを務める比江島が先発を務めるのが妥当だろうが、ディフェンスに重きを置く栃木では、比江島でさえスタートが確約されていない。栃木を指揮する安齋竜三は5人のメンバー構成を考える際に、「ディフェンス面で残さないといけないメンバーがいる」と話した。

そのメンバーこそ、Bリーグ初代最優秀守備選手賞を受賞した遠藤祐亮と、そして鵤なのだ。「遠藤と誠司、あの2人は相当高いレベル。多分Bリーグの中でも高いレベルでディフェンスできてるとは思います」

安齋ヘッドコーチは鵤のディフェンスの良さを具体的にこのように語った。「足が動きますし、身体の強さは素晴らしいです。彼の読みとか、もともと持ってるモノもありますし、ファウルをしてほしい時にファウルができたり、そういう隙もなくなってきました」

また、オフェンス面では安齋ヘッドコーチが「それが彼の良いところ」と太鼓判を押すドライブが大きな武器となっている。特に1番や2番の選手に対してのドライブは強力。フィジカルで圧倒して、ゴール下へと押し込むシーンが多々見られ、ファウルを誘発することも多い。

「最初から出ても、途中から出てもやることは変わらないので、そんなに意識はしてないです」と、鵤自身に起用法にこだわりはない。それでも、ベンチからタイプの違う比江島が出てくることは、相手にとっては脅威でしかなく、また鵤がベンチから出てくることも同様だ。

指揮官にとっては、彼らをどう組み合わせてチャンピオンシップを戦うか、贅沢な悩みが続くところだろう。いずれにしても、1番から3番をこなせる鵤の万能性は、王座奪還を果たすうえで大きなアドバンテージになる。