18日午後、公益財団法人日本サッカー協会審判委員会は『2019第1回JFAレフェリーブリーフィング』を開催。この取り組みは、メディア・報道関係者を対象に、Jリーグやその他の試合であった事象について説明し、レフェリングや判定について理解をより深めることを目的とするものだ。

初回の取り組みは、小川佳実JFA 審判委員長、上川徹JFA審判委員/トップレフェリーグループシニアマネジャーが登壇し、明治安田生命J1リーグ第1節~7節、J2リーグ第1節~9節、J3リーグ第1節~6節のレフェリング振り返りを報告している。同時開催で、メディアとの意見交換会も実施。意見交換は、上川氏を中心にフラットな雰囲気のなか行われた。

上川氏は、冒頭で「(1試合で250の判断をする)レフェリーのミスも(確率的に)下がってきている。数字だけをみれば、良い傾向。特に、ハンドの判定に関する意見交換は多い」とコメントし、初回講義をスタートさせた。『2019第1回JFAレフェリーブリーフィング』では、ハンドの事例やオフサイドの事例を中心に解説され、上川氏は、わかりやすく人間らしい言葉を添えてメディアに伝え続けた。

例えば、ペナルティエリアで、ディフェンダーがボールにチャレンジしようとしてバランスを崩し、「手(腕)に当たった」場合は、「PKにならない」という試合(J2山形vs琉球)例に取り、「興味深い事例」だと解説した。さらに、上川氏は「この場合、レフェリーの判断は充分にサポートできる」とも発言した。

続いて(J1/仙台vs鳥栖)の例を挙げ、82分にキックの空振りをした選手がバランスを崩し、ボールに2回ほど手に当たった瞬間を例に、1回目の判定は、「ノーファール」とし、2回目の判定は、ボールを意図して手を使いコントロールをした、と「警告」し、「ハンド」と判定している。その後、クラブにも意見交換を求めたが、この試合のケースでは意見交換が無かった、という事実についても触れた。

さらに、ハンドについては、副審のサポートが重要であった試合(J3/F東U23vs岩手)を例に挙げ、「ピッチ上で主審が見えなかった部分」を、「副審がしっかりサポートしていた」というポジティブな事例についても熱弁し、講演会場に集まったメディアを沸かせるシーンも。「主審には見えない部分もあるんですよね、これは副審の存在があってこその事例です!」と笑顔で語った姿は、印象的だ。

筆者の個人的な感想で申し訳ないが、普段ピッチの内外でお見かけする上川氏とは全く違う表情を何度も目撃した講義だった。

日本サッカーの発展を願う全ての人達に向け(18日の)様子を伝えるのなら、「ルール」や「ジャッジ」を「知る」ことでサッカーの「見方が変わる」。笑顔の上川氏を目撃する度に何度も「レフェリーも人間なんだ、サッカーは日々進化している」と感じてしまった。

ハンドの笛が吹かれなかった(警告が出されなかった)試合(J2/愛媛vs千葉)についても解説し、その後行われたクラブとの意見交換の様子も一部報告された。そして、上川氏は「反スポーツ行為」についても触れ、警告の対象にはならなかった「新しい例」についても熱弁。J2の選手がゴールした直後、ベンチに置いてあった私物携帯を取り出し、なんと試合中のピッチ上で記念撮影を行った行為についても解説。海外サッカーの選手がゴール直後にSNSを更新した例はあるが、日本のサッカーでは「反スポーツ行為とする」と発言。Jクラブ全体にメッセージを伝えた様子も報告している。

「このような議論やメディア報告の場は、今後も定期的に開催していく予定だ」話した上川氏。『2019第一回JFAレフェリーブリーフィング』の今後に注目がかかる。

取材・文 / スポーツブル編集部

日本サッカーの今を解説する上川氏(写真左)