ライバルの千葉ジェッツに「ファイナル見とけよ」

アルバルク東京は先週末の千葉ジェッツ戦で連敗を喫した。左足のハムストリングを痛めた田中大貴が欠場したことで、攻守ともに本来の迫力を欠いたことは否めない。特に日曜の第2戦は76-87の完敗で、これでレギュラーシーズンの千葉戦は1勝5敗と大きく負け越した。それでも馬場雄大は、自信が揺らぐことは「全くないです」と言い切る。

試合の最後は、点差が離れていたにもかかわらずギャビン・エドワーズが豪快なダンクで船橋アリーナを沸かせて締めた。このシーンを馬場は「すごく悔しい気持ちを感じました」と振り返るとともに「僕たちはもう『ファイナル見とけよ』としか思っていない」とリベンジを誓う。

「この2試合は負けてしまったんですけど、手応えは感じています。次にやる時はファイナルなので、そこで取り返すしかない。その準備をしていくだけです。昨シーズンも地区優勝は千葉さんなので、ここは全く見てないわけじゃないですけど、僕らが見てるのはチャンピオンシップです。そこで結果を残すことだけを考えて臨みたい」

馬場にとっては、プロ2年目のシーズンでの自身の成長を確認し、チャンピオンシップに繋げるのがこの千葉との連戦だった。「昨シーズンは走ってリバウンドを頑張って取る、単純なところを頑張れと言われていました。今シーズンは大貴さんとゲームを作る、ピック&ロールをメインに組み立てるようになって、最初はミスもあったんですけど後半は手応えもあり、成長を感じられました」

「アルバルクのバスケはまずディフェンスから」

その一方で、クリエイトだけでなく『決める力』の必要性を感じる2試合ともなった。「今日の相手だとやっぱり富樫(勇樹)の決定力は本当にすごいと思って、ウチはゲームメイクはするんですけど、その後の決定力がまだまだ足りない。決めきる力が勝敗を左右すると思います」

また、完成度の高い千葉のバスケットをどう止めるか、その大切さを痛感する2試合でもあった。「やっぱりオフェンスリバウンドとトランジション。千葉さんの得意なバスケを止めない限りは乗ってしまいます。それで富樫だったりメインプレーヤーも乗ってくる。そこを止めきれなかったのが敗因だったと思います」

「アルバルクのバスケはまずディフェンスからなので、僕が今日点数を取れた(19得点)のは、ディフェンスで良い流れを作れたからこそピック&ロールで冷静に判断できたと思います。プレーオフが始まるんですけど、ここをブラさずにやっていきたい」

このところ成長しているオフェンスでのクリエイトに手応えを得ると同時に、ディフェンスから良い流れを作ることの大事さも再認識した。そういう意味で、連敗を喫したがチャンピオンシップに向けてチームは良い学びを得たとも言える。

自らクリエイトしての得点に意欲「アタックは得意」

オールコートでのランニングプレーは大学時代からの武器で、その身体能力と思い切りの良さでBリーグでもそのまま通用した。一方でピック&ロールから崩すプレーはプロで身に着けたもの。A東京にはBリーグでも屈指のピック&ロールの使い手である田中大貴がおり、日々の練習から田中とマッチアップすることで馬場は急成長を続けている。

「大貴さんはすごく視野が広い。次のシチュエーションを予測できる力、ゲームを組み立てる力はすごいです。逆に僕は勢いをつかむこと、リングへのアタックは得意だと思っていますので、そこでうまく状況を見て、さらに自分でも得点できるとなれば、一つ上のステップに行けると思っています」

この馬場の成長により、A東京はどこからでもピック&ロールでクリエイトできるチームになっている。チャンピオンシップは相手を研究し、その対策を遂行する能力が問われる頭脳戦となるし、そこではプレーの引き出しの多さ、一つひとつの質の高さが非常に重要になる。相手からすれば変幻自在のA東京のオフェンスは対策が取りづらい。また馬場がそうであるように、A東京の選手には昨シーズンのチャンピオンシップを勝ち抜いた経験と自信がある。

指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチは連敗を喫してもなお、「次のファイナルの日まで、チャンピオンは我々だ」と、チャンピオンシップに向けて自信が揺らいではいなかった。古傷を痛めた田中のコンディションは気になるが、逆に言えば不安要素はそれぐらい。前年王者のプライドを持ち、A東京はチャンピオンシップを迎える。