野球ファンは、彼らを「戦国」と表現する。関東地方で2番目に古い大学野球リーグ、それが東都大学野球だ。春季開幕から2週目を…

野球ファンは、彼らを「戦国」と表現する。関東地方で2番目に古い大学野球リーグ、それが東都大学野球だ。春季開幕から2週目を迎えている“大学野球の乱世”の魅力に迫りたい。

試合日程は、基本的に平日。土日には東京六大学野球リーグが明治神宮球場で試合を行うが、雨天中止や決着がつかない場合は、東都の試合も併せて順延されてしまう。これは神宮球場が六大学のために建てられた球場で、東都はあくまでも「借りている」という立場であるためだ。しかし、決して東都は弱くない。「人気の六大学、実力の東都」と評されるように、プロ野球選手をはじめ、多くのスターを輩出してきた。

※ファインプレーを見せる東洋大学・佐藤都志也選手。“世代トップレベル”との呼び声が高い

大きな特徴は、「入れ替え戦」があること。六大学が慶應、明治、法政、東大、立教、早稲田の6校に固定されているのに対し、東都は1部から4部まであり、シーズン終了後には昇格や降格をかけた試合が行われる。まさに天国と地獄の分かれ目だ。1部は神宮球場でプレーできるが、2部以下は大学グラウンドや地方球場で試合をする。特に2部から1部への昇格には相当な労力が必要だと言われ、その枠を巡って熾烈な闘いが繰り広げられてきた。リーグ毎に大学の顔ぶれが変わるため、前年の優勝校が降格することもあれば、昇格したチームが“下克上”を起こすこともある。このような事情から、各リーグのプレーの質は非常に高い。

※中央大学・大工原壱成主将。中央は昨季の入れ替え戦を制し、1部に踏みとどまった

そして、選手たちがよく声を出すことも魅力の一つだ。三振をとれば投手が雄叫びをあげ、安打や四球で出塁した際には、野手たちが塁上で喜びをあらわにする。ホームインすれば、チームメイトから手荒い祝福を受ける。ベンチも声を枯らして応援し続け、試合終了の瞬間まで絶対に諦めない。そこにあるのは、トーナメント制の高校野球とも、プロ野球や六大学とも異なる、「負けたら終わり」の世界。白球を追う大学生たちの熱さとひたむきさが、今日も神宮の舞台で輝いている。

※味方の得点に沸く亜細亜大学ベンチ