春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)開幕後、3連勝で迎えた第四戦。早大は駒大との試合に臨んだ。第1セット目、駒大に6連続得点を決められ、一度は追い越されるものの、その後自力で立て直し、セットを先取。その後は危なげなくセット数を重ね、セットカ…

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)開幕後、3連勝で迎えた第四戦。早大は駒大との試合に臨んだ。第1セット目、駒大に6連続得点を決められ、一度は追い越されるものの、その後自力で立て直し、セットを先取。その後は危なげなくセット数を重ね、セットカウント3―0(25―23、25−18、25―16)という盤石な試合運びで勝利を収めた。これで開幕4連勝となる。

 

 武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)のスパイクで戦いの火蓋が切られた一戦。宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西高)のスパイク、村山豪(スポ3=東京・駿台学園)のブロックが決まり、早大は序盤から3連続で得点を決めるとこのセットの主導権を握っていく。その後もクイックをうまく織り交ぜるなどして、順調に得点を重ねていく早大。だが、第1セット中盤、「自分のミスから連続失点が始まってしまった」と宮浦が振り返るよう、相手のスパイクに苦しむとともに、ミスも重なり、6連続得点を許す。連続失点の要因については「コンビの部分が合わなかったというところもありますね。何が悪かった、というよりはチームとしてやるべきことがその時にできなかったのかなという感じです。」と武藤副将は試合後言葉を残した。結果、15―16で追い越されると、ここから駒大もペースをつかみ始め、一進一退の攻防が続いていく。どちらに転ぶかわからない試合展開であったが、結末は、駒大のサーブミスで早大が第1セットを先取。落ち着いてジャッジした早大に軍配が上がる結果となった。波乱がありながらも、なんとか第1セットを先取した早大は、第2セットもそのまま勢いに乗り、中盤には5連続得点を決めるなどして奪取。


サーブをカットする堀江主将

 

 迎えた第3セット。早大は序盤からブレイクを重ね、じわりじわりと駒大との点差を離していく。セット中盤には宮浦の見事なサービスエースから始まり、4連続得点、5連続得点を決めるなど、王者ワセダの貫禄を見せつけた。終盤からは昨日に引き続き選手を積極的に入れ替え、岩本大吾(スポ1=兵庫・市立尼崎)、重藤トビアス赳(スポ1=神奈川・荏田)、中島明良(法1=京都・洛南)の一年生トリオが得点を挙げるなど躍動し、第3セットも制した。

初得点を決めた岩本

 早大は、第1セットを苦しみながらも先取した後は、終始ペースを握り、ストレートで勝利。開幕4連勝を飾った。試合後、堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)が「今年でワセダは終わるわけではないのでベンチメンバーを出すことも僕たち上級生の仕事だと思っています。」と語っているよう、頼もしい先輩たちに支えられながら、ルーキーたちもすくすくと成長中だ。勝利を求めるだけでなく、選手育成を実現するために試合に臨むチームの姿勢が、垣間見えた瞬間であった。常勝ワセダはまだまだ続きそうだ。

(記事 林夏帆、写真 松谷果林、萩原怜那)


セットカウント
早大25-23
25-18
25-16
駒大
スタメン
レフト 村本涼平(法4=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
コメント

堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)

――今の率直なお気持ちをお願いします

4連勝できたのでよかったです

―第一試合ということで朝早い試合でしたがコンディション面で気をつけていたことはありますか

きのうの試合からきょうの試合まであまり時間がなかったですがみんなが個人個人でうまくリカバリーしてきょうの動きも別に悪くはなかったので良い準備ができていたのではないかと思います

――ご自身のプレーを振り返ってみて

きのう思っていたより自分のプレーが良かった分、きょうはそれよりは劣ってしまいましたが波はあると思うので最低限のことができたかなと思います

――きのう、きょうとベンチメンバーの出場機会が増えていますが

今年でワセダは終わるわけではないのでベンチメンバーを出すことも僕たち上級生の仕事だと思っています。点差が開いてから出るという決まりにはなっているんですけれどどんな形であれコートに出て(ベンチメンバーが)活躍するという場面が増えているので先輩としては嬉しいです。きのうはメンバーが変わったら得点取られましたがきょうはすんなりみんないい動きをしてくれたのでよかったと思います

――来週の日大戦に向けて

春は大胆なプレーを心がけていて、一本目のレシーブの精度などまだまだ甘い部分があるのでそう言ったことを一週間で詰めつつ良いことは継続しつつという形でいきたいと思います。良い状態で来週も臨めるように頑張ります

武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうは1セット目にこっちが5連続失点してしまい追いつかれる部分がありましたが、慌てずに1本1本切ることができました。また、2、3セット目は最初からリードを取ることができるという試合展開で、理想の形で楽な展開だったかなと思います。

――5連続失点の原因はやはり相手のサーブでしょうか

それもありますが、コンビの部分が合わなかったというところもありますね。何が悪かった、というよりはチームとしてやるべきことがその時にできなかったのかなという感じです。

――タイムアウトも要求しませんでしたが、その点については

そうですね。まだ春なので、「自分たちでどうにか修正する」という意味でタイム(アウト)は遅めに取ることを松井先生(泰二監督、平3人卒=千葉・八千代)も意識されていると思います。春の課題として、自分たちはレセプションアタックに取り組んでいるので、まずはレセプションでAパスを返し、センター線を中心に攻撃を展開するという自分たちの軸を形作ることを徹底しています。「相手が強いから」「サーブが強いから」などと言い訳せずに、まずは自分たちがやるべきことに集中していこうという感じで。そこはみんなでしっかり共通理解できていると思います。まだまだ連続失点の場面も多くなるかとは思いますが、その分こっちも(連続得点を)取れる可能性があるので、軸をぶらさずに丁寧にやっていきたいです。

――ブロックにかからないコースを突いたスパイクが多く見られました

ミスやシャットアウトはセッターの印象に残りやすく、次に(トスを)上げづらいと思ってしまいますよね。ブロックが見えている部分もあるので、それを見てどっちに打とうとか、レシーバーを見て上げづらそうな方向に打とうとか、色々と考えています。思い切り打つ部分もありますが、そういう対応が自分の武器で特長だと思っているので、そこは意識しているつもりです。

――冬から春にかけてのトレーニングについては

冬は体づくりの面で昨年よりももう1段階上のトレーニングをしました。高さやパワーをもっと出すために、例年以上に厳しいトレーニングをしてきたつもりです。昨年あのように良い結果を残せた分、同じことをやっていても勝てないので。その部分では、きょねんから出ているメンバーはかなりフィジカル的にも強くなりましたし、疲れた中でもそれなりのパフォーマンスができる状況なのではないかと思っています。

――来週に向けて

来週に向けては今まで通りレセプションアタックをしっかりすることですね。今週はかなりレセプションが良くて、コンビもしっかり組めています。ですが、まだまだコンビの部分でのミスも見られるかなと思う部分もあるので、来週までにそこを修正できるようにしたいです。

宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)

――ストレートで快勝でしたが、今の率直なお気持ちをお願いします

今日もチームのいい雰囲気が最初から最後まで続いたことが勝ちにつながったと思います。

――第一セット相手に6連続ポイントを決められ、追い越される場面が一度ありましたが、どうお考えでしたか

自分のミスから連続失点が始まってしまったのでミスをなくせば、もっと楽に勝てたように思います。なので、個人的な話ではありますが、自分のミスを減らしていきたいです。

――連続失点後、立て直して、第一セットを先取した要因はどこにありますか

チーム全員で1点ずつ取っていこうという気持ちで臨めたからだと思います

――第二セット、第三セットと宮浦選手のサーブが、連続得点の起点となっていましたが、サーブについてのご感想を教えてください

今日はサーブが入ったので良かったのですが、まだ自分のサーブが安定していないので、これからもサーブを課題として取り組んでやっていきたいです。

――対角に決めるスパイクが目立つ試合でしたが、スパイクに関してはいかがでしたか

対角へのスパイクが決まったのはよかったです。ですが、今は長いところに打つスパイクを心がけて取り組んでいて、それに関してはまだまだアウトになってしまったりするので調整していきたいです。

――来週の日大戦に向けて

チームとして今週の課題を修正して、また次の試合でも自分たちができることを100%出し切りたいと思います

中島明良(法1=京都・洛南)

――何度か試合に出場されていますが、実際に試合に出てみていかがでしたか

緊張とかはあまりありませんでした。先輩方に優しく出迎えてもらって、有難かったです。

――高校までのバレーボールと大学のバレーボールの違いについては

大学の方が頭を使ってバレーボールをしているなという印象です。洗練されているというか。特に早稲田が、というのもあると思いますが、高校と比べて緻密な印象を受けました。

――初得点の時の気持ちは

よし!って思いました。すごく嬉しかったです。

――これから1年間の目標について教えてください

Aチームがすごく強いので、A(チーム)の練習相手になれるぐらいのプレーができるようになっていきたいです。