第6節終了時点で失点わずか1。首位のサンフレッチェ広島は、アウェーでヴィッセル神戸と対戦した。注目は、神戸の攻撃を…

 第6節終了時点で失点わずか1。首位のサンフレッチェ広島は、アウェーでヴィッセル神戸と対戦した。注目は、神戸の攻撃を広島がどうやって止めるかだった。

 試合は前半、大方の予想どおり、神戸が主導権を握った。前半15分、神戸は左サイドでフリーキックのチャンスを得る。するとアンドレス・イニエスタのボールをウェリントンがヘディングで合わせ、あっさり先制点を挙げた。広島も23分に、神戸のダンクレーのミスから、柏好文がゴール前でフリーになっていたパトリックにパスを出し、同点に。だが神戸は28分に、右サイドでフリーキックを得ると、イニエスタがクイックリスタートし、ペナルティエリア内に走り込んでいた古橋亨梧がゴールに流し込んで再びリードした。



ヴィッセル神戸戦で逆転のゴールを決めた渡大世(サンフレッチェ広島)

 後半に入ると、広島が本来の走るサッカーで神戸のゴールに攻め込む。すると後半20分、ペナルティエリア内に侵入してきた川辺駿のクロスに今季初先発の渡大生がヘッドで競り勝つと、そのボールを、野津田岳人がヘッドで押し込み同点に。25分と28分には、渡が鮮やかなボレーシュートを決め、これで勝負あり。広島ががっちりと首位をキープした。

 前半の広島は決してよくなかった。簡単に6試合ぶりの失点を許し、前半だけで今季初の2失点。その原因は、神戸をリスペクトしすぎたからかもしれない。神戸のパス回しに主導権を握られると、受けてしまった。

 神戸の中盤は、イニエスタ、ルーカス・ポドルスキが自由に動きながらパス交換をするため、広島はボールを奪う的が絞り切れず、カウンターにつなげることができなかった。ハイプレスでいくのか、中盤で奪うのか、中途半端だった。

 だが後半に入ると、野津田、柏による左サイド一辺倒だった攻撃に、エミル・サロモンソンを中心とした右サイドの攻撃も加わるようになる。守備を意識していたボランチ・川辺も積極的にエリア内に侵入するようになり、前半はその高さに苦労させられたウェリントンを孤立させた。

 さらに、広島が積極的な守備からボールを奪うようになると、神戸のイニエスタ、ポドルスキは積極的に守備をする選手ではないため、あちこちにスペースができる。広島はその穴を突いていった。こういう展開になれば、選手に迷いがなく運動量で上回る広島が圧倒できる。結果的に4点を奪ったが、5点目、6点目が入っていてもおかしくなかった。これが首位にいるチームの底力だろう。

 広島は、ロースコアの試合を何とかモノにしてきた印象が強かったが、ここにきて2試合で7得点。昨季、快進撃の立役者になったパトリックも、少しずつコンディションを上げてきている。

 次節は首位を争うFC東京が相手。その後も攻撃力があり攻守の切り替えが速い名古屋グランパス、横浜F・マリノスと、上位との対戦が続く。この3連戦をどう乗り切るか。広島にとって、最初の大きなヤマ場と言える。