開幕2連戦に勝利し勢いに乗りたい早大は、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)2日目に神奈川大と対戦した。しかし、早大は序盤に流れを作れず、第1セットは接戦に持ち込まれる。そのなかでもセットを落とさないのが今年のチームだ。何とか第1セットを奪…

 開幕2連戦に勝利し勢いに乗りたい早大は、春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)2日目に神奈川大と対戦した。しかし、早大は序盤に流れを作れず、第1セットは接戦に持ち込まれる。そのなかでもセットを落とさないのが今年のチームだ。何とか第1セットを奪うと、1年生コンビがきのうに続き躍動。セットカウント3-0(25-23、25-14、25-19)で、2戦連続ストレート勝ちを収めた。

 昨日2本のサービスエースを決めた橋本美久(社2=福島・郡山女大附)のサーブで試合が始まる。いい流れを作りたい早大であったが、きょうも序盤は勢いがない。山下日和(社1=千葉・市立船橋)のブロードやブロック、齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)の技ありのスパイクなどで得点を重ねるも、なかなか差は広がらない。理由は明白であり、持ち味である守備で精彩を欠いていたからだ。セット終盤には逆転を許すも、富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)や井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)が苦しい場面で上級生の意地を見せ再度逆転。苦しみながらも、第1セットを先取する。


苦しい場面で決めきる富澤

 流れを渡したくない第2セット。1年生コンビが連日の大活躍。特に中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)は、このセットだけでサーブ・スパイク・ブロックの全てで得点を奪い、チームの攻撃を牽引する。しかし、早大のリズムはまず守備からだ。「1年生がスパイクでしっかり決めてくれている分、守備で頑張ろうと思っていました」と語る井上が好レシーブを連発し、早大らしい『粘りのバレー』を取り戻していく。この流れに乗り、大差で第2セットも奪う。迎えた第3セット。5連続得点を奪われるなど、またも本来の実力が出せない。それでも、河治えみり(社3=北海道・旭川実業)や井上を中心に守備からリズムを作り試合を立て直していく。さらに、セッター植松知里(文構3=香川・高松第一)の投入で攻撃のリズムにアクセントが加わり、点差を広げる。最後は中澤のサービスエースで試合終了。2戦連続ストレート勝ちを収めた。


攻守で輝く井上

 富澤が「自分たちの流れをうまく作れなかった」と振り返るように、なかなか流れを掴むことができない試合だった。また、2試合連続で立ち上がりに不安が残る内容となった。それでも負けないのは、冬に強化した守備、1年生の加入により厚みを増した攻撃、どの方面から見ても確実にレベルアップしているからだろう。リーグ戦は、まだ始まったばかりだ。さらなる強敵がまだ待ち受けている。課題と収穫がはっきりしたこの試合は、『1部昇格』への良いステップになるに違いない。

(記事、写真 友野開登)

セットカウント
早大25-23
25-14
25-19
神奈川大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 中澤恵(スポ1=大阪・金襴会)
センター 齋藤友里(社2=千葉・敬愛学園)
センター 山下日和(社1=千葉・市立船橋)
ライト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
コメント

富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合の振り返りをお願いします

自分たちの流れをうまく作れなかったのですが、そのなかでもしっかり1点ずつ取って勝ちきれたのは今後につながるいい試合だったのかなと思います。

――第1セットはチーム全体としてミスが多かったように見えましたが、第2セットまでにどのように立て直しましたか。

すごく守りに入った1セット目だったので、攻めていこう攻めていこうと2セット目から言うようにしました。

――セッターが2人いることのメリットはありますか

どちらかが調子悪いときに変えられるというのもありますし、セッターでチームのリズムは決まってくるので、美久のとき知里のときとで全然違うから、相手はやりにくいと思いますし、そこが利点だと思います。知里はレシーブがいいので守りを固くできるというのも自分たちの利点だと思います。

――富澤さん個人のプレーについては、点差が詰まってきているときや離したいときに決めきっていた印象がありますが、攻撃面で気をつけていたことはありますか

きょうは駄目だったですが、そのなかでも決めなきゃという気持ちが点数につながっているかなという感じです。

――次の試合に向けて一言お願いします

きのうときょうの課題で、いい流れを自分たちで作れていないので、相手のミスからとかでは無く自分たちでつないでつないでっていうリズムや連続得点とかのリズムをしっかり作れるようにしたいです。相手の対策とかももちろんなんですけど、自分たちのいいところをいっぱい出せるように頑張ります。

井上裕利恵(スポ3=岡山・就実)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きのうもですが、自分たちの一番いい状態では戦えていなくて、まだまだ間のボールなど詰められるところがたくさんあったのかなと思います。

――きょうの井上さんのプレーは守備が印象的でしたが、ご自身の守備はどうだったと考えていますか

私は攻撃面では力になることがあまり出来ないので、1年生がスパイクでしっかり決めてくれている分、守備で頑張ろうと思っていましたし、去年の秋リーグでも戦ったため大体この辺に来るかなっていうのが分かっていたので、そこをしっかり守るようにしていました。

――攻撃面でも苦しいところや1本欲しいところで決めきっていた印象がありますが、攻撃面で気をつけていたことはありますか

二段とかが結構多かったと思いますが、二段はとりあえず思いっきり頑張ろうと思って打っていました。

――新入生が活躍されていますが、先輩として心掛けていることはありますか

新入生は二人とも攻撃の面とかでチーム助けてくれているので、今はすごい生き生きとプレーしているので、ミスとかをしても思いっきりコートの中でプレーできるように声を掛けようと思っています。

――最後にリーグ戦の意気込みをお願いします

どんどん強い相手と当たってくると思うので、もっと自分たちのできることを詰めていって、1部のチームに当たったときに勝てるチームをリーグを通して作っていきたいと思います。