本拠地でのエイバル戦後、「ガレス・ベイルは観客からブーイングを受けていましたが、来季も残ってほしいと思いますか?」とい…

 本拠地でのエイバル戦後、「ガレス・ベイルは観客からブーイングを受けていましたが、来季も残ってほしいと思いますか?」という記者の問いかけに、レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督は明言を避けた。

「今にわかるよ。彼は2年契約が残っている」

 このやりとりによって、マドリード番記者の間では「ベイル退団へ」という論調が高まった。同じく移籍の噂のあったフランス代表DFラファエル・ヴァランについて、ジダンは「残ってほしい」と断言していたからだ。



エイバル戦でガレス・ベイルに交代を伝えたジネディーヌ・ジダン監督(レアル・マドリード)

 この日、ベイルの出来は酷かった。21回もボールを失い、68%のパスをミス。今なら5000万ユーロ(約63億円)以上の移籍金を見込めるし、年俸1400万ユーロ(約18億円)を浮かすことができる。スペイン語を話せず、意思疎通に問題を抱え、ファンにも見放されたベイルを、チームにとどめるのは難しい。

 では、来季のレアル・マドリードはどのような布陣になるのか?

 今シーズン、欧州王者レアル・マドリードはクラブW杯で優勝したものの、リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、スペイン国王杯を次々に逃していった。欧州4連覇の夢は露と消えた。

「疲弊」

 ジダンはそれを理由に昨シーズン終了直後にチームを去ったが、それは自身の消耗だけでなく、チームの”金属疲労”も意味していたのだろう。

 GKケイロル・ナバス、DFセルヒオ・ラモス、ナチョ・フェルナンデス、ヴァラン、ダニエル・カルバハル、MFルカ・モドリッチ、ヴィニシウス・ジュニオール、マルコ・アセンシオ、ルーカス・バスケス、FWカリム・ベンゼマ。

 彼らは残りそうだが、他のメンバーは入れ替わる可能性を残している。戦力のアップデートは欠かせない。

 ジダンが熱望しているのは、ロシアW杯で優勝したフランス代表の2人、FWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン=PSG)、MFエンゴロ・カンテ(チェルシー)だと言われている。

 ムバッペは次代のバロンドール最有力候補で、PSGでも中心選手として活躍。高速プレーで技術精度が落ちない。カウンター攻撃が多くなるジダンのチームで、”最強の武器”になり得る。

 もっとも、獲得交渉は難航するだろう。その場合、エデン・アザール(チェルシー)が最有力候補に浮上か。ジダンが辞任した理由のひとつは、「フロレンティーノ・ペレス会長がその獲得を渋ったから」とも言われるだけに、可能性は低くない。

 一方のカンテは、ボールを奪い取る技術に優れ、守備的MFとしては当代随一。ジダンが求める理由は、現役時代に自らの”護衛兵”のようにプレーした元フランス代表クロード・マケレレの面影を見るからかもしれない。敵ボールを鮮やかに奪い、迅速に供給。ジダンの”前政権”では、守備的MFとしてブラジル代表カゼミーロがその役を担っていたが、今シーズンは不振を極めている。

 フランス人指揮官ジダンは、図らずもフレンチコネクションを生み出そうとしている。

「ベイルをマンチェスター・ユナイテッドに売却し、代わりにフランス代表MFポール・ポグバを獲得するのではないか」という噂も出ている。MFポグバは中盤でインテンシティを出せる選手で、ジダンの戦い方にフィットするだろう。

 クリスティアーノ・ロナウドをユベントスに放出して以来、ストライカー不在が囁かれるものの、その点に関してジダンは深刻に捉えていない。エイバル戦では、フランス人FWベンゼマをキャプテンとして送り出し、ヘディングでの2得点を引き出した。指揮官のベンゼマに対する信頼度は、依然として飛び抜けて高い。

「ベンゼマ、マドリードの補強計画を修正!」

 マドリード系のスポーツ紙asもそう報じ、ベンゼマの活躍を伝えた。今シーズンは、カップ戦も含めると26得点。チームの不調を考えれば、悪くない数字だろう。マドリディスタ(マドリードファン)の評価は相変わらず低いが、チームの攻撃を牽引しているのは明らか。2列目のアタッカーの得点も引き出せ、ヴィニシウス、アセンシオとの連係も悪くない。

 そこに来季はサントスから、ネイマール二世、ロドリゴ・シウバの入団が決まっている。他にもストライカー候補としては、ウルグアイ代表エディンソン・カバーニ(PSG)、ポーランド代表ロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)、セルビア代表ルカ・ヨビッチ(フランクフルト)らの名前が挙がる。

 しかし、点取り屋の移籍金は莫大だ。ラージョ・バジェカーノで13得点と、サーラ賞(スペイン人得点王)を争うラウール・デ・トーマスを期限付き移籍から戻し、ベンゼマのバックアッパーに据えるのではないか。

 残りシーズン、選手のテストは続く。セルヒオ・レギロン、マルコス・ジョレンテ、アルバロ・オドリオソラら若手は、アピールが必要だろう。確執があったダニ・セバージョスには挽回の機会が与えられそうだ。

 ただし、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)が期限付き移籍から復帰する可能性は低い。ウクライナ代表GKアンドリー・ルーニン(レガネス)の復帰は、ティボー・クルトワの去就次第か。一方、ポルトのブラジル代表DFエデル・ミリタンは加入が決まっている。

「すべての選手にチャンスがある」

 ジダンはそうメッセージを送っている。