春の訪れとともに、ワセダのハンドボール部は新たなスタートを切ろうとしている。関東学生春季リーグ(春季リーグ)が男子部は4月13日(対日本大)、女子部は4月14日(対筑波大)にそれぞれ開幕する。新体制で戦いに挑むワセダセブン。彼らがどう躍進…

 春の訪れとともに、ワセダのハンドボール部は新たなスタートを切ろうとしている。関東学生春季リーグ(春季リーグ)が男子部は4月13日(対日本大)、女子部は4月14日(対筑波大)にそれぞれ開幕する。新体制で戦いに挑むワセダセブン。彼らがどう躍進していくのか注目だ。

 男子部の目標は春季リーグでの4位入賞だ。昨年とメンバーが大幅に変わったとともに、チームの戦力も大きく変わったため実力が未知数である新チーム。まずは春季リーグにおいて4位に入賞し、着実に自信をつけながら実力をあげ、ゆくゆくは『日本一』を目指す。新体制の男子部では、昨年からレギュラーとして出場している新主将となった清原秀介(商4=東京・早実)が、堅実なプレーでチームをけん引する。オフェンス面で注目される前田理玖(スポ3=福井・高志)が放つサイドシュートや精巧なロングシュートはチームの得点に絡んでくることだろう。また、得点が期待されるのは昨年から勢いを増している青沼健太(社2=千葉・昭和学院)だ。放たれるシュートもさることながら、周りの状況をうまく生かしたゲームメイクも期待できる。佐藤法俊(スポ2=長野・屋代)が放つ力強いダイナミックなシュートもオフェンス面でチームの支えになることだろう。一方、ディフェンス面では原遼太(スポ3=岡山・総社)や遠藤瞭(スポ3=神奈川・法政二)、福田友貴(スポ2=神奈川・法政二)の3人の豊富な運動量とあたりの強さが光る。特に原や福田は持ち味ともいえる高めのディフェンスが試合で期待される。ことしはより一層重点を置いているという速攻の要として、キーパーの羽諸大雅(スポ4=千葉・市川)も欠かせない存在だ。また、ハンドボール部としては数年ぶりにスポーツ推薦で入学した新入生の山田和親(スポ1=群馬・富岡)が今後どのように活躍していくのかにも注目したい。『自分に自信を、周囲に笑顔を』をスローガンとして掲げることしの男子部。確実に一歩ずつ新体制の強みを見つけ、そして自信に満ち溢れたプレーで勝利をつかみにいきたい。


シュートを放つ青沼

 ことしの女子部の目標は、春季リーグ上位4チーム、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)トップ3に入り全日本学生選手権(インカレ)のシード権獲得、そしてインカレでの優勝だ。昨年の春季リーグ優勝、秋季リーグ優勝、インカレの3冠という目標に比べると、手堅く、現実的な目標といえるだろう。この目標について、新たに主将に就任した杉山瑞樹主将(社4=神奈川・横浜創英)は「まだチームが出来上がっていない春に高望みした目標を設定するよりも、まずは自分たちのものを作って、試合を経験していく中で成長していきたい」と話している。また、この目標は厳しいチーム状況も無関係ではない。昨年主力だった4年生がチームを抜け、人数は大幅に減少。新たに1年生が入部したものの、コートプレーヤー11人という厳しい状況だ。ただ、その人数の少なさはチームの強みにもなり得るだろう。昨年まではAチーム、Bチームというように分かれていたが、ことしはメンバー全員がベンチ入りする。どのメンバーも試合に出場する機会が増えるので、そこでチームの底上げができれば、チーム力の向上にも繋がるのではないか。そんなチームの中心は、昨年から活躍する吉田瑞萌(スポ3=東京・佼成学園女)だ。昨年度秋季リーグ得点王、優秀新人賞の2冠を獲得したエースが、チームをけん引する。また、チームの浮沈の鍵になるのはセンターを務めることが予想される山本彩椰(スポ4=神奈川・川和)、岡崎麗(教3=埼玉・浦和実業学園)、紅林詩乃(スポ2=佼成学園女)の3人だ。他のポジションと比べて昨年から出場している選手が少ないこのポジションの選手の活躍に期待したい。チームの最終目標はインカレでの優勝だが、まずは春季リーグで手堅く上位進出を狙う。


主力として期待される吉田

 新チームで始動する選手たち。手探りであるが故に不安もあるだろうが、1か月でチームの強みや課題を見つけさらなる飛躍を遂げ、次に待つ秋季学生リーグ戦やインカレへとつなげていくことだろう。2019年もワセダのハンドボール部から目が離せない。

(記事・写真 栗林真子、稲葉侑也)

コメント


清原秀介主将(商4=東京・早実)

――ことしのチームの特徴を教えてください

縦も横もつながりが強いですね。上級生、下級生関係なしにオフの時から仲良くやっていたり、練習中もみんなで指摘しあったりできる環境があると思います

――新チームの練習の雰囲気はいかがでしょうか

雰囲気を作って盛り上げてやろうというふうに取り組んでいるので、下級生も上級生も声を出して盛り上げてやれているなと思います

――どのような点を練習を通して強化してきましたか

ことしは昨年と違ってメンバーの身長が小さかったり、フィジカルや技術面も劣っている面もあるので、ディフェンスや速攻に、主に速攻に重点を置いて強化しました

――主将になったことで心境の変化はありましたか

はい、ありました。昨年から(試合に)出させていただいていたんですけど、コート上のプレーだけではなくて、チームをどうまとめていくかという責任感というのが増したなと思っています

――活躍を期待している選手はディフェンス、オフェンスそれぞれにいますか

ディフェンスだと、ことしは原ですかね。昨年は試合に出ていなかったんですけどディフェンス面でことしは期待できるかなと思います。遠藤や福田もディフェンス専用の選手といいますか、そういう選手が三人ぐらいいるのでディフェンス面は期待しています。オフェンスだと、前田とか青沼、あと佐藤の三人ですかね。青沼と佐藤はまだ2年生ですが、それでも攻撃力はすごく持っているので攻撃面で引っ張ってくれる選手だと思っています

――ポイントとなる試合や、対戦相手はありますか

正直、ことしはほぼ全部なんですけど、特に初戦が毎年言われている通り大切だと思っています。昨年も春リーグは初戦でうまくいって結果優勝につながったんですけど、秋で初戦から崩れてしまって最初の4試合で3敗1分けという結果になってしまったのでやはり初戦が大事かなと

――ことしの目標を教えてください

今までは日本一というのを掲げて1年間取り組んでいたんですけど、ことしはインカレ、秋、春と別に考えていて、春リーグはことしは4位を目標にしています。昨年からメンバーもほとんど変わって、自分たちがどういう実力なのかわからないというときにどうしたら自分たちに自信が持てるのかということを考えると、まずは4位を狙うことによって自分たちに自信を持てるのではないかと思って。最終的にはもちろん日本一を目指していきたいです

――春季リーグ戦への意気込みをお願いします

スローガンとして「自分に自信を、周囲に笑顔を」というのを掲げていて、自分たちに自信が持てるようなプレーをして、最終的に春季リーグが終わった時にも自信が持てるような、そんな春季リーグにしたいです


杉山瑞樹主将(社4=神奈川・横浜創英)

――リーグ戦に向けて、チームの雰囲気はいかがですか

みんなで、というか、そういうチーム作りをしています。戦術的にも、人数的にも最上級生だけでは厳しいというのが分かったので、そのようなチーム作りをしていて、後輩たちに助けられている部分もあります

――新チームの特徴は

人数が限られているっていうのもあって、今までだったらAチーム、Bチームのように分かれていたんですけど、全員ベンチにも入るし、試合に出ることも増えるので、チームの底上げというか、共通意識だったり、共通理解を深めています

――ことしのチームの目標は

春季リーグ上位4位以内、秋季リーグ上位3位以内に入ってインカレのシード権獲得、インカレ優勝です

――昨年は春季リーグ優勝、秋季リーグ優勝、インカレ優勝の3冠という目標でしたが

春はまだチームが出来上がっていない段階だと思うのでそこで高望みをするよりも、まずは自分たちのものを作って、試合を経験して成長していければいいかなと思います

――キャプテンになった今の心情は

今までは自分のプレーで精一杯なところもあったんですけど、それを、戦術的な意味でも、雰囲気的な意味でも、試合中にもっと一番に気にかけなければいけないっていう意味では、まだ開幕前でわからない部分もあるんですけど一番難しい部分かなと思います

――どのようなチームにしたいですか

よく私たちが言っているのは、『全員が当事者意識を持ってハンドボールと向き合えるチーム』です

――攻守の中心選手を教えてください

攻守の中心は昨年からエースとして活躍している吉田瑞萌です。個人的に注目しているのは、センターを務めることが予想される山本、岡崎、紅林の3人です。他のポジションに比べて昨年から出ていた選手が少ないポジションなので、鍵になると思います