いよいよ4月13日(土)に開幕を控える、東京六大学春季リーグ戦。それに先立ち、慶應スポーツでは開幕前特集インタビューを実施した。

第四弾は 主将・郡司裕也選手(環4・仙台育英)とエース髙橋佑樹選手(環4・川越東)の相性抜群、最強バッテリーに意気込みを伺った。


相性抜群のお二人にお話を伺った

――まずはお互いに他己紹介をお願いします

髙橋:郡司裕也、捕手、主将、右投げ右打ち、180cm、84キロ

郡司:めっちゃ知ってるな(笑)

髙橋:12月27日生まれ、好きな歌手はback number。キャッチャーという立場でずっとチームを見てきましたが、今年は主将ということもあって一段と、これまでになく広い視野を持ち、チームを良い方向に引っ張って行ってくれるいい主将でしょう。

郡司:髙橋佑樹、投手。21歳、独身、左投げ左打ち。ピッチングよりバッティングが好き。去年だけではなくずっと、チームの中心として投げてくれています。練習でも誰よりも球数を投げて、投手陣を数字でもけん引してくれているなと思います。

――昨年の春季を振り返って、いかかでしたか?

郡司:早慶戦の前に優勝が決まっていて、ふわっとした気持ちのまま早慶戦に挑み早稲田に負けてしまいました。全日本もベスト4で止まってしまって、優勝はしたのですがどこか心に引っかかるシーズンでした。

――では秋季はいかがでしょうか

髙橋:春と違って1勝1敗から勝ち点を取るのがギリギリ、という戦いが続いていました。特に法政3回戦はとんでもない試合をひっくり返して勝ったり、とチーム力をどんどんつけて、このチームなら優勝できるぞ、という状態で早慶戦に臨みましたが、最後勝ちきれなかた。いいチームでしたが、悔しいシーズンでした。

――特に印象的な試合はありますか?

郡司:良い方と悪い方があるのですが、良い方で言うと法大3回戦。まあ言わずもがなです。4年生の活躍が目立った試合で、勝つのはやっぱり4年生の力が不可欠だと実感しました。そのまま法大が優勝したのですが、法大のメンバーを見ると4年生が特に活躍していて、4年生の力は偉大だと感じたシーズンでした。

髙橋:悪い方も言わずもがなですが早慶戦3回戦。勝てば優勝、5対4。9回であと3つアウトを取れば三連覇というこれ以上ないチャンスを目の前で逃しました。これまで経験してきた野球人生の中で一番大きなインパクトを与えられました。悔しい試合でした。

――新体制になってしばらく経ちましたがチームの雰囲気は

郡司:オープン戦の初めの方は大差で負けたり、勝つとしてもギリギリ、みたいな試合が続いていて本当に大丈夫かな、と不安でしたが、最後は3連勝できて、社会人相手に結構点も取れて、チームも仕上がってきて、手応えをつかんでいるなという感じです。

――新チームの雰囲気は

郡司:去年とは全く違いますね。去年は4年生があまり試合に出ていなくて、すごくサポートに回ってくれていたので、4年生のために下級生が盛り上げていくぞ、と言う感じでした。今年は経験者の上級生が多いので俺たちが引っ張っていくから下級生はついてこい、と言う雰囲気が出ているなと感じます。

髙橋:ピッチャーは結構自分勝手な人が多いので、自分のやりたいように、自分が活躍するために練習する、という感じなので年度によって変わったりはしないですね。

――ブルペンの雰囲気は

郡司:ガラリと変わりましたね。今年から助監督が変わったのですが、林前助監督は厳しい所をどんどん指摘してくださる方だったので、常に緊張感がありかなり張り詰めた空気の中で練習していました。もちろんそれは神宮を想定するという点で素晴らしかったのですが、今はとにかく新しいことにチャレンジして、それに対して竹内助監督がアドバイスをするという形でブルペンを作り上げているという雰囲気あります。

髙橋:僕らはその両方を体験しているので、今は厳しい指摘の声が飛ぶことはないですが、それで緊張感がなくなるというようなことはないようににしようと意識しています。

――竹内助監督の印象は

郡司:年が近いので、聞きたいことは気軽に聞けます。そして、年が近いけれど僕らより何年も長く野球をやっていて、上のレベルの社会人でもずっとやっていたわけで、引き出しはすごく多いなと感じますね。

髙橋:去年とどっちがいいとはではないですが、とにかく竹内助監督は親しみやすいですね。

――最上級生として何か意識していることはありますか?

郡司:主将になったのでみんなに見られている、とか練習をやらなきゃいけない、みたいな意識ももちろんあるのですが、下級生ともっとコミュニケーション取らなきゃなと思っています。去年まであんまり下級生とコミュニケーションをとってこなかったのですが、主将なので全体を見なきゃいけないので、積極的に喋るようにはしています。

髙橋:私の方はいつもと変わらず、試合で抑えることを目的に練習をしています。

郡司:それでいいと思います(笑)。

髙橋:まあ、投手のキャプテンは津留崎(大成=商4・慶應)なので、まとめ役は彼にやってもらって。僕はブルペンでの気持ちとか、そういうのを感じている後輩がいればいいなと思いますね。

――新一年生についてはいかがでしょうか?

髙橋:目障りですね(笑)。生井(惇己=総1・慶應)と増居(翔太=総1・彦根東)がすごくいいので、居場所を取られるんじゃないかと不安に駆られる日々を過ごしています(笑)。あの二人には何度も直接言っているのですが「一年間投げられないように左腕折るぞ」と。まあそれくらいいいピッチャーがベンチにいるっていうのが今年の強みなんじゃないかと思います。

郡司:野手も下山(悠介=商1・慶應)だったり山本晃大(総1・浦和学院)だったり、と甲子園を経験しているかどうかは知らないですけどみんなどっしりしているというか、先輩に対して物怖じしないので(笑)。僕らがそういう雰囲気を目指しているのでいいのですけど、神宮でもやってくれると思います。

――2、3年生については

髙橋:はい!(挙手)

郡司:どうぞ。

髙橋:木澤(尚文=商3・慶應)ですね。あと正木(智也=政2・慶應)。この二人です。

郡司:そうですね。木澤は今年にかけてると思います。去年は悔しい思いもしたので、今年にかける思いは練習からもにじみ出ています。オープン戦でも結果を残しているので今年はやってくれると思います。

髙橋:で、正木はすごいんですよ。

郡司:彼が5番で僕が4番なのですが、4番より5番が打つんじゃないかという勢いで打っているので、期待しています。

――4年生全体として目指していることなどは

郡司:4年生が活躍しないと勝てないっていうのは身にしみて分かっているので。去年のチームは4年生がサポートに、とはいえ春は河合さん(大樹=H31総卒)が1番でめちゃくちゃ打っていましたし、内田さん(蓮=H31総卒)や菊地さん(恭志郎=H31政卒)の活躍もありました。秋は代打の4年生たちの気迫もあって、やっぱり4年生が活躍しないと、という意識は常に持っています。

――去年のチームと今年のチームで何か違いなどは感じますか?

髙橋:ピッチャーはとにかく枚数が多いです。充実していますね。僕がいなくてもいいくらい(笑)。

郡司:層が厚くなっているなと思います。誰が出て行ってもスタメンと遜色ないので、守備が不安なところもありますが、かなり自信を持ってリーグ戦に挑めると思います。去年は自分たちが弱いと言い聞かせて挑んでいたので。もちろん今が強いというわけではないのですが、ある程度…

髙橋:積み重ねてきたものがある人が試合に臨んでいくので手応絵は掴んでいます。

郡司:去年は優勝できるなんて思ってもいなかったのですが、今はもう明確なビジョンが見えているので、それをできるかどうかですね。

髙橋:見えてるらしいです。俺にはわかんねえ。

郡司:僕には見えています!(笑)

――オフシーズンはどのようにすごされましたか?

髙橋:たくさん食べて、たくさん飲んで…

郡司:そういうのじゃないから!

髙橋:まあ我々は第一寮ボディビル部としてパワーを上げようということで。

郡司:肉体改造ですね。

髙橋:津留崎講師をお呼びして(笑)、ウェイト場でメニューを組んでもらってやりました。

郡司:もう食事からサプリメントからトレーニングメニューから何から何まで、意識高くやっていたつもりです。

髙橋:今年はちょっと頑張りました。


笑いが起きる一場面も

――奄美大島でのキャンプは

髙橋:いやあ、辛かったよね。

郡司:辛かった。奄美ではチームプレーというよりは量をめちゃくちゃこなす、という感じだったので。

髙橋:野手はバットをたくさん振ったし、ピッチャーはたくさん投げました。

郡司:シーズンを戦うためのベースを作りました。

――キャンプ中特に意識して取り組んだことなどは

郡司:出し切る。折角奄美まで行ったのにちょっと辛いから調整しよう、となると勿体無いのでぶっ壊れてもいいぞというスタンスで挑みました。

髙橋:ピッチャーもかなりなげました。次の日腕上がらないのにどうやって投げるんだ、みたいな。

郡司:紅白戦の前日に250球くらい投げて、紅白戦で野手にめちゃくちゃ打たれるという(笑)。

――その成果は

郡司:野手はホームランがよく出ていますし打率もかなりいいです。ピッチャーも枚数が増えて、みんな球も速くて。もうキャッチャーやっていて怖いくらいですね。

――他大学で注目している選手は

髙橋:お決まりなんですけど、名門川越東高校の、立大・藤野(隼大=経4・川越東)、早大・福岡(高輝=スポ4・川越東)、法大・札葉(弘樹=経4・川越東)です。高校3年間一緒にやっていた仲間が、大学4年でまた同じ舞台で、しかも六大学野球というレベルの高いところで戦えるというのは光栄なことです。当たることがあれば全力で抑えに行きたいなと思っています。

郡司:僕は早稲田の早川(隆久=スポ4・木更津総合)ですね。去年までは能力のわりになかなか結果を出せていない印象なのですか、監督が小宮山さんになってから何か掴んだと本人も言っていました。秋の代表合宿の時も凄まじいものを持っていたので、宿敵早稲田に面倒な奴が現れたなという感じです。

――憧れの選手はいらっしゃいますか?

髙橋:僕はヤクルトの坂口(智隆)のバッティングがすごく好きで。川端慎吾と坂口のバットの芯をを外してでも内野手の後ろに落とすっていうヒットを量産する姿が本当にかっこいいなと。

郡司:それ野手じゃん。ピッチャーじゃないんですか(笑)。

――次にお互いの事についてお聞きします。お互いの第一印象は覚えていらっしゃいますか?

郡司:シニアの時(中学)ですね。僕が千葉市シニアで髙橋が東京神宮シニアだったのですが、その時から変わってる奴が(笑)。帽子を凄くまっすぐにかぶっていてマウンド上で面白い動きをしていて、あだ名が「ボンバー」というのも聞いていたので、変な奴がいるなあと思っていました(笑)

――その頃からボンバーがあだ名だったのですね。

髙橋:そうですね、小6から呼ばれています。小学校の時に12球団のジュニアチームが集まって年末に札幌ドームで試合をしたのですが、その時に僕がヤクルトジュニアで、郡司が千葉ジュニアでした。

そこで、プロって打席入る時に登場曲を流すじゃないですか。あれをやろうという事になって、一人一曲選んだのですが、僕がその時にとんねるずの矢島美容室が好きで、その3曲目の『はまぐりボンバー』という曲を選んだんですよ。そしたらみんな面白がってボンバーと呼ぶようになって。高校まで一緒だったチームメイトがいたので、高校中にあだ名が浸透してしまいまして(笑)。引くに引けなくなって大学では自分で広めた、という(笑)。

郡司:大学のクラスの自己紹介の時に「みなさんボンバーって呼んでください」って言っていてみんな最初はひいてました。

髙橋:え、ひかれてたの?(笑)でももうボンバーって呼ばない人はいないので。LINEの一言も「ボンバーって呼んでね」にしています。

――では髙橋選手からの郡司選手の第一印象は

髙橋:僕は郡司の第一印象は結構悪いです。シニアの時に何回か試合をしているのですが、その中で郡司に怪我をさせられたんですよ。ランナー一、三塁の状態だったのですが、僕が一塁ランナーで、郡司が相手のキャッチャーで。中学野球って、そういう場面でキャッチャーはあんまり投げないんですよ。三塁ランナー帰って来ちゃうので。僕も盗塁しようと思って走っていったら郡司が二塁に投げて来て。まさか投げてくると思ってないし、足も遅いしで焦ってスライディングしたらベースで足をくじいて、結果靭帯が2本切れていて手術する流れになりました。郡司のせいで僕の野球人生3ヶ月無駄になりました(笑)

郡司:どう思います?これ、僕悪くないですよね?(笑)

――すごい出会いだったのですね。ではお互いの事にすごいと思うところはどこですか?

郡司:(髙橋は)ピッチャーっぽい(笑)。さっきも1年生が出て来て目障り、って言ってましたけど、本当にマウンドを降りたくないという意志がすごい。自分が先発したくて、抑えたくて、っていう負けん気ですね。私生活は全然そんな事ないのですがマウンドに上がると変わるなあと思います。

髙橋:郡司はやっぱり包容力ですかね。冷静で、客観的に物事が見られるという面ではキャッチャーとか主将にとても向いていると思います。感情に任されて行動することはほとんどないと思いますし、そういう面ではチームの中心の選手がこういう性格の選手でよかったなあと思います。

――チーム内でのご自身の役割は

髙橋:ピッチャーなんで・・まあ、投げる人…

郡司:じゃあキャッチャーなんで・・捕る人…(笑)

髙橋:去年の秋たくさん投げたこともあって、期待されていることは先発で1試合投げ切って、という、イニングをたくさん稼いで、という事だと思います。ただこれからまたチーム状況も変わってくるので、与えられたところで監督が思ったような投球をする、ということですね。監督が思った通りに僕らが動ければ優勝できると思っています。

郡司:僕は4番、主将、キャッチャー、とかなりチームの支柱的なところを任されているので、僕が崩れたらチームが崩れる、くらいの意識でやっていますし、僕の姿勢が慶應の姿勢という風に捉られると思っているので、全てにおいて意識して行動しています。


エースとして負けられない戦いが続くことが予想される

――今季の目標をお願いします

髙橋:ファンが選ぶMVPですね。あれ嬉しいんですよ。

郡司:僕が春で(髙橋が)秋なので。

髙橋:選ばれるってことは活躍しているということなので。

郡司:じゃあ僕もそれにしようかな。もちろん細かい数字でいったらたくさんあるのですが、まあ一つにするならベストナインかなと。キャッチャーでベストナイン取れるってことはきっと優勝しているので、そこを目指してやっていきたいです。

――試合で注目して欲しいところは

郡司:チームとしては、ピッチャーがいっぱいいます。もうボンバーしかいない、なんてことはないと思われるので。期待していただいていいかなと思います。

髙橋:逆にボンバーがいないってことになるかもしれないね(笑)

郡司:個人では、僕はあまり目立ったプレーをするタイプでは無いので、これはリーグ戦終わってから気づいて欲しいところなのですが、僕がスタメンマスクを被ってから全部勝ち点4で来ています。結局郡司がキャッチャーをやっていると勝っているなあと思っていただければ。

髙橋:僕は今年もバッティングを頑張ります。

郡司:こら(笑)

髙橋:川端、坂口のような綺麗な流し打ちができるように頑張るので是非注目して欲しいですね。


主将・4番・キャッチャー、今年のチームは郡司にかかっているとも言えるであろう

――最後に、春季リーグに向けての意気込みを兼ねて、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

髙橋:元気はつらつと、退屈させないプレーをするので、是非神宮球場に足を運んでください。

郡司:昨秋の悔しさが原動力となって冬を過ごしてきたので、時間が経つと悔しさって忘れがちなのですが僕たちはずっとその悔しさを持ってやってきています。それを思う存分、遺憾無くぶつけたいと思うので、その勇姿を目に焼き付けて欲しいなと思います。

――ありがとうございました!!

(取材:左近美月 写真:菊池輝)

(この取材は2019年4月8日(月)に実施しました。)