マーリンズのイチロー外野手は28日(日本時間29日)、本拠地でのカージナルス戦に代打で出場し、痛烈な二塁打を放った。ドン・マッティングリー監督は試合後に悔しさを滲ませつつ、「イチローは勝利を目指すチームの一部」と、1勝をつかむために結果を残…

マーリンズのイチロー外野手は28日(日本時間29日)、本拠地でのカージナルス戦に代打で出場し、痛烈な二塁打を放った。ドン・マッティングリー監督は試合後に悔しさを滲ませつつ、「イチローは勝利を目指すチームの一部」と、1勝をつかむために結果を残す背番号51のプレーを称えた。

■イチローの二塁打から1点差に迫るも敗戦、「3000安打は楽しみ」も…

 マーリンズのイチロー外野手は28日(日本時間29日)、本拠地でのカージナルス戦に代打で出場し、痛烈な二塁打を放った。メジャー通算2998安打で3000安打へ残り2本としたが、マーリンズは4-5で敗戦。ドン・マッティングリー監督は試合後に悔しさを滲ませつつ、「イチローは勝利を目指すチームの一部」と、1勝をつかむために結果を残す背番号51のプレーを称えた。

 イチローは2点を追う7回、1死一塁の場面で右腕ブロクストンからライトへ痛烈なゴロを運んだ。大歓声の中、快足を飛ばして二塁へ。1死二、三塁とチャンスを広げると、エチャバリアの遊ゴロで三塁走者のリアルミュートが生還した。

 1点差に迫ったマーリンズだが、その後は得点を奪えずに惜敗。ただ、どうしても得点が欲しい場面で代打として送られたイチローは、自分の役割を全うし、守備にはつかずにベンチへ戻った。

 27日(同28日)のフィリーズ戦では、大差がついた展開となったため、指揮官はイチローを代打に送ることはなかった。試合後には「彼を出すのにふさわしい展開ではなかった。3000安打のためだけに彼を出すようなことはしたくない。シーズンを通じて、チーム(の勝利)という観点から起用しているし、それは完璧に機能している。多くの人が3000安打を、しかも本拠地で見たいと思っているのは知っているが、強引に達成させるつもりはない。彼にはチームにとって理にかなった形でプレーしてもらう」と説明していた。

■「イチロー自身も3000安打達成を考えているわけではない」

 この日の試合では、まさに勝利のためにイチローを打席に送った。そして、イチローは結果を出した。

「3000安打を楽しみにしている。でも、私たちはチームが勝つことを第一に考えている。イチローもその一部だ。球団は勝つことにフォーカスしている。(二塁打)もちろん、みんな興奮していた。でも、イチロー自身も心地良くやっている。彼も3000安打達成のために(試合を)やっているわけではない」

 試合後には改めてこう話し、イチローの姿勢を称えた。

 本拠地での連戦は残り3試合。2安打を積み重ねられるか、注目が集まる。ただ、29日(同30日)の起用法について聞かれたマッティングリー監督は「(スタメン)まだ分からない。先に選手が知らなければいけないから、みなさんには言えない」と話すにとどめた。チーム全体を見ながら、イチローを起用する。そしてイチローがそれに応える。3000安打が近づいても、その関係に変化はない。