「我々に対抗できるチームはないと思っている」

レギュラーシーズンを西カンファレンス1位で終えることが決まったウォリアーズ。スリーピート(3連覇)という壮大な目標に向けたプレーオフがまもなく始まろうとしている中、その少し先の話であるフリーエージェント選手の去就も騒がしくなり始めた。

ウォリアーズから今夏フリーエージェントになる選手で去就が注目されるのは、クレイ・トンプソンとケビン・デュラントの2人。トンプソンは以前から残留を希望する旨の発言をしているが、デュラントは他チームに移籍する可能性もあると見られている。『The Athletic』は、4月7日にオラクル・アリーナで行われたクリッパーズとのレギュラーシーズン最終戦前に、ウォリアーズオーナーのジョー・レイコブに話を聞いた。レイコブは、デュラントがフリーエージェントになることについて「率直に言って、考えてもいない」と語った。

「考えていない。私にできることは何もないからね。何もない。ゼロだ。彼は、フリーエージェントになる権利をつかんだ。自分にとってベストと思う選択をするだろう。生涯ウォリアーズの選手でいることがベストと納得させられるかは、シーズンが終わってからの我々の仕事になる」

「彼に一番の大金を支払えるのは我々だ。素晴らしいチームもある。コーチの能力も高い。最高のファンにも恵まれている。もし検討材料としてこういう類のことを考えるのだとしたら、我々に対抗できるチームはないと思っている。それに、優勝するチャンスもある。今シーズンも良い結果を残せるよう期待しているし、さらに優勝するチャンスもある。伝説的なチームになれる可能性も秘めている。これだけの機会を頻繁に得られるとは思えない。彼にも同じように考えてもらえたらうれしいし、納得して、チームに残りたいと思ってもらえたらうれしい」

これは、あくまでもレイコブの希望であって、選手にとって、それぞれの幸せの形は異なる。デュラントが金銭面での条件を最優先するのなら、ウォリアーズが最も高額の条件を提示できる。それ以外に優先する何かがあるのなら、移籍も十分に考えられる。レイコブも、デュラントが退団する可能性を理解している。「その一方で、どちらを選択しようと、彼に対する怒りは生まれない」と答えた。

「なんであれ、彼が決めること。どういう結果になっても、おそらく私はケビン・デュラントのファンでい続ける。感情的にもならない。仕方がないことだ」

一部報道によれば、デュラントはニックスに移籍する意思があるとも伝えられている。トンプソンとの再契約という大きな仕事も控えているウォリアーズのフロントは、シーズンオフも多忙な日々を送ることになりそうだ。