ディフェンス合戦のラストはブロックショット

栃木ブレックスvsアルバルク東京の東地区上位対決第2戦。互いにインテンシティの高い、壮絶なる守り合いを繰り広げた結果、第1戦とは一転してロースコアゲームとなり、勝負を決めたラストプレーもディフェンスだった。

最終クォーター残り4秒、逆転を狙った遠藤祐亮のドライビングレイアップをアレックス・カークがブロック。直後に渡邉裕規がアンスポーツマンライクファウルをコールされ、A東京が60-56で勝利した。

第1クォーター、A東京は田中大貴がドライブでボールを失って栃木に走られ、オフェンスリバウンドも取られたが、しっかり戻ることでセカンドチャンスポイントを許さない。そして、アレックス・カークが渡邉裕規からライアン・ロシターへの不用意なパスをカットし、そのまま安藤誓哉の速攻に持ち込むなど、A東京はターンオーバーを得点に繋ぐ。チームプレーの中でフィニッシャーとなったカークが、内外から10得点を荒稼ぎし、A東京が21-14と先行した。

1試合を通し、クォーターの得点が20に乗ったのは第1クォーターだけ。ここから互いの強みであるディフェンス合戦が始まり、強度の高いディフェンスの前に、お互いにシュート確率が上がらない重い展開となった。

遠藤にスティールされて走られるも、馬場雄大が全力で戻ってボールを奪い返し、速攻を狙うロシターのパスをカークがインターセプトするなど、A東京はこのクォーターだけで7つのターンオーバーを犯したが、それを得点に繋がせなかったことでリードを保った。

だが、後半に入ると、ディフェンスの強度を一段上げた栃木の時間が訪れる。ディフェンスリバウンドを取ったロシターやギブスにそのままボールをプッシュされてディフェンスの陣形を整えられず、遠藤に3ポイントシュートを浴び、ロシターのランニングプレーを止められない。0-12のランを浴びて逆転され、最大で9点のビハインドを背負ったA東京だったが、タイムアウト後にミルコ・ビエリツァの3ポイントシュートで悪い流れを断つと、ディフェンスを立て直すことで2点差まで詰め寄り、最終クォーターを迎えた。

流れを引き寄せ切れなった一つのミス

フリースローと速攻による6連続得点で早々に逆転したA東京は、残り5分に同点に追いつかれるも、馬場雄大がミドルシュートを沈めてオフィシャルタイムアウトを迎えた。そして、1ポゼッション差ではあるものの、このわずかなリードを保ち続けた。

こうした拮抗した試合の場合、一つのミスが命取りになることは多々ある。最終クォーターではA東京が4つ、栃木が3つのターンオーバーを犯したが、よりダメージの大きいターンオーバーを犯したのは栃木だった。

残り3分を切った場面、ボールを保持する安藤がスクリーンを使う際にダブルチームを仕掛け、苦し紛れのパスをギブスがカットする。前線に待ち受けるロシターにボールが渡れば逆転という状況だったが、パスカットで体勢を崩したまま送ったボールは、ロシターの頭上を越えた。たらればではあるが、栃木の最も得意とするプレーから速攻が決まり逆転、というシーンが生まれていれば、試合の結果は変わったかもしれない。

栃木の安齋竜三ヘッドコーチは「ジェフじゃなかったらあそこで取れてない可能性もある」と擁護したが、「1個のミスだったり、1個のシュートだったり、この何かが勝敗を分ける」と話し、痛いミスであったことを認めた。

ギブスも「僕がパスカットして、あれがロシターに渡っていれば。リードできるタイミングだったのをターンオーバーにしてしまった。チャンスをモノにできなかったのが勝敗を分けたと思う」と自分を責める。

最後は逆転を狙った遠藤のレイアップをカークがはたき落とし、激闘に終止符が打たれた。

ルカヘッドコーチ「数字では表せられない」

勝利したA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「アグレッシブにプレーすることが重要でした。最終的にはタフネス、ここで負けずに最後まであきらめずに戦って勝つことができました」と、総括した。

一方、栃木の安齋ヘッドコーチは、敗れはしたものの内容をポジティブに受け止めた。「崩れそうなところをしっかり我慢して、今年やってきたうちのディフェンスを、チャンピオンチームに少しは出せた。我慢して、1回リードもしましたし、良いゲームができたかなっていうところもあるので、あまりネガティブには考えてないです」

スコアが示す通り、互いの強みである強固なディフェンスが存分に出た試合となった。ルカヘッドコーチが「数字では表せられない。両チームともに、質の高いレベルでプレーをしたのは間違いないと思います」と話せば、安齋ヘッドコーチも「第3クォーターの出だしに強度を上げて、流れを持ってきたのも収穫だと思いますし、ウチのディフェンスもある程度やれた。東京さんのディフェンスが本当に素晴らしかった」と、示し合わせたように両指揮官は互いを称えた。

上位対決に相応しい激闘となったが、今回はわずかにA東京が上回った。前年度王者のプライドが垣間見え、負けてなお強しという印象を与えた初代王者の姿がそこにはあった。