ロジャー・フェデラー(スイス)が37歳でツアーの第一線で好成績を残す一方で、さらに年齢を重ねながらも活躍するプレーヤーがいる。現在世界77位のイボ・カルロビッチ(クロアチア)がその人で、年齢は40歳だ。米大手紙のニューヨークタイムズも取り上…

ロジャー・フェデラー(スイス)が37歳でツアーの第一線で好成績を残す一方で、さらに年齢を重ねながらも活躍するプレーヤーがいる。現在世界77位のイボ・カルロビッチ(クロアチア)がその人で、年齢は40歳だ。米大手紙のニューヨークタイムズも取り上げるなど、再び注目を集めている。

カルロビッチはプロテニス界の中でもっとも高い211㎝の長身を持ち、最速で251キロのサーブを武器の一つにしている。プロデビューしたのは約19年前の2000年で、キャリアハイは14位だ。

同選手は今年最初の大会の「ATP250 プネ」で決勝に進出。準優勝と惜しい結果に終わったものの、当時世界6位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)とフルセット、すべてのセットでタイブレークで決着をつける熾烈な優勝争いを演じた。

当時39歳にしてATPツアーでファイナリストになる驚異的なパフォーマンスを見せたカルロビッチだが、大きなモチベーションの一つに家族への想いがあるようだ。

具体的にそれは、子供たちに自分がテニスのプロ選手だと伝えることだという。カルロビッチには7歳の娘のジェイダちゃんと1歳半のノア君の2人の子供がおり、ジェイダちゃんにテニス選手としての自分を覚えていてもらいたいようだ。

さらに、1歳半のノア君については「覚えておいてもらうには、最低でもあと8年はプレーしないとね」と話し、さらに長くキャリアを継続する意欲は子供たちの存在により支えられている。

それでもニューヨークタイムズによれば、カルロビッチは家族とテニスの間柄について「インドでのトーナメントに出場するためにクリスマスの日に発たなければならず、友達や家族みんなで家に集まっていたが、昼食の後、空港へ向かいました。辛かった」と話すなど、葛藤もあることを明かしている。

さらにその時について「子供たちは泣くし、簡単なことではなかった。でもある意味ではそれは彼らのためでもあります。だから、彼らは私ほど辛い思いはしていない、そう思えば割り切れるような気がするよ」とカルロビッチは振り返っている。同選手のさらなる活躍を期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000 インディアンウェルズ」でのカルロビッチ

(Photo by Kevork Djansezian/Getty Images)