2019年2月、新主将の福田(法4)を中心に新チームが発足した。ホッケー部男子は、2018年秋に2部優勝を果たし、1部への入れ替え戦もここ数年で4度経験。2019年も、優勝や昇格が期待されるチームだ。

今回は、明日より開幕するリーグに向け、ホッケー部男子の注目選手を特集していく。第一弾は、ディフェンダーながら、PCシーンでも活躍を見せる森川治門(済4)に迫る。森川は、大学からホッケーを始めたプレーヤー。部活選びに悩む新入生も必見だ!

森川というプレーヤー

森川は、大学からホッケーを始めた。立教池袋中高時代には、主将・福田と同じゴルフ部に所属。授業が終わると、練習に向かう日々を過ごし、大会では多くの結果を残した。しかし、大学では一転「チームスポーツをやりたい」とホッケー部の体験会に参加。ゴルフに似ていると感じ、今までの経験が生かせると考え、入部を決意した。事実、ゴルフで磨いたスイング力はプレーに生きている。


ゴルフのスイング力を生かし、スクープする森川

立教大学のホッケー部では、教育らしい教育がないという。基礎的なことを入部当初は伝授するが、あとは練習で感じ取る。その分、自主練習で何に重きを置くかが、その選手の味になる。森川は、日々の練習の中で元々得意なのもあって、ストロークやスクープ、フリックに時間を割いていた。「だから今こうなってるのかなぁ」。
森川のスクープ、ストローク、フリックは、部内そして2部校内でも、群を抜く。特にスクープは、ボールが高く飛ぶだけでなく、ボールの着地先も的確だ。「強みは、ストロークの部分かな。特にスクープ、フリックに関しては、自分が抜けた時が予測つかないから、そこは、強みになってるかも」。

スタメンとして過ごした2018年


PCシーンでキーパーとともにゴールを守るディフェンス陣

ディフェンスに定着する森川だが、入部時のポジションはMF。しかし、先輩の助言により、2年次(2017年春)からDFへポジション替えになった。2年次の春リーグが開幕では、本人も「まさか…」と驚いた最速でのベンチ入りを果たした。DF歴2年目に突入した2018年春からは、スタメンとしてリーグ戦でフル出場し、チームに貢献した。

森川に2018年度を振り返ってもらった。春には、ディフェンスながらアシスト王に輝き、体育会総会では奨励賞を受賞。しかし、当の本人は4アシストのうち、大半が下たすきが決まった試合でのアシストのため、この結果に満足していない。春リーグは個人としてもチームでも、「ふわふわしたまんま終わったシーズン」と表現。

その後の夏練。春の2部5位という結果を受けて、チームには焦りがあった。森川は、そこからチームが変革した点について「戦術が変わったかなっていうのは大きい」という。
ホッケーは、大学から始めるプレーヤーがほとんど。森川もその一人だ。そのため秋からは、〝できないこと〟を極力取り入れずに省いて、〝できるところ〟を組み合わせていく戦術になった。それが、2部優勝という確かな勝利になった。だからこそ、春と秋で森川の求められる役割が変わった。森川の得意とするスクープが試合でも多々活躍を見せた。
「あれが分かりやすい役割の変化。変につなぐよりも、前に放って、フォワードがとってくれとか、前からプレスかけようとかに変わったから。そういう意味では俺は変に(ボールを)持ったり、つないだりせずにシンプルに一回切るっていう役割に変わったかな」。


戦況が厳しい時は、森川のスクープは必須であった。ボールに触れる機会が多いように見えたが、「一回あたりに持っていた時間はめちゃくちゃ短いと思う」と森川

前主将・中田(文4)も口にした「守りの立教」という言葉

前主将・中田(2018年度卒)も、秋の立教は「守りの立教」と度々口にしてきた。ディフェンダーの森川も、「守備は結構良かったと思うんだよね」と一言。
その背景には、ディフェンス4人に共通する〝イメージ〟があった。「なんとなくこれを一番させたくないとか、こういう取り方をしたいっていうのはスタメン4人の中で共通の認識があったから、結構いい守備ができたのかなって」。

加えて、技術力の高さがあった。2018年度のディフェンスは、秋にベストイレブンを獲得した野路(2018年度卒)、武田(文4)そしてホッケー名門校の飯能南出身の栗田(文2)、そしてスクーパーも担う森川。「個々の技術はね、あると思うよ。だって、ベストイレブン2人と、栗田と俺なんでいるかわからないけど。だから、まあ固いよ、そりゃ!」。


秋リーグにて、守りの立教を体現していったディフェンス陣(写真右が森川)

守りの立教は褒め言葉なのでは?と尋ねると、「ディフェンダーからしたら嬉しいよ。そこを頼ってもらえてるんだって。嬉しかったけど、逆にそれで俺ら崩壊したら終わりだなって思った。頑張んないとなとは思った」。

笑いながら、森川が続けた。「ディフェンスは大変だよ。だって、試合今60分で、59分頑張ってても1分やらかしたら1失点でさ、フォワードとってくれなかったら負けるじゃん?こんな辛いポジションある?って思いながらやってる(笑)」。
それは、特に秋シーズン時に身をもって痛感した。そしてその様子は、笑顔やガッツポーズ、涙など感情となって表れているように感じた。本人も「あーそうかもしれない」と回答。


3戦目・対成城大では、先制点を決められチームに不穏な空気が流れるも、森川がPCシーンで初ゴールを決め、流れを変えられた


入れ替え戦出場権をかけた学習院大戦にて、試合後当時の主将・中田と抱き合う森川(=写真左)。「すごい勝ち試合ができたからね、嬉しかった」。手の内もほとんど分かっている相手に対し、福田の先制点を守りきれたのは、ディフェンダーとして嬉しかった

特に取材をしていた印象的だったのは、一橋大戦だ。この試合で、チームは2部優勝を達成した。試合は、2-2でSO戦にもつれ込んだ。その間森川は、ずっと泣いていた。涙の理由を聞くと、そこにはSO戦メンバーとキーパー・武田に勝敗を任せてしまった「申し訳なさ」があった。
前半から、立大が先制し優勝が目前だった。しかし、一橋大のPCシーンでまさかの2失点。1失点目は、〝チームの決め事の裏〟をかかれ、読めない攻めだった。しかし、2失点目は1失点目がよぎり、「一瞬出るの遅れて、その一瞬でやられたっていう感じはあった」。たった数秒の決断で失点につながる。〝59分どんなに守っても、たった1分間のミスで失点につながる〟ことを身をもって体感した。チームとしては2部優勝を掴んだが、森川にとっては気づきの多いシーズンとなった。


2部優勝が決まった瞬間。森川は、主将・中田が集まる和ではなく真っ先にゴールを守り切った武田の元へ向かった

主将・福田とは10年目の仲

怒涛の2018年が過ぎ去り、新チームが発足した。森川は、新主将・福田と中高ゴルフ部時代からの付き合いだ。思い切って、森川から見た福田という人物像を聞いてみた。その瞬間、「むずっ!!」と即答。「福田、どんな人かなぁ。わかんなっ!(笑)」と言いながら数分間、必死に考え込んだ。

「あいつは、人を引っ張ってく力っていうのがあるから。意外とね、一人で全部突っ走るタイプでも無いと思う。けどあいつ、頼るところは頼るやつだと思うな。なんか全然上手く言えないけど」。

福田は、ゴルフ部時代も主将を務めていた。ただ当時とは、部の体制も人数も、更には個人スポーツではなくチームスポーツという点も異なる。
「あれとホッケー部は違う気がするから、きっとあいつもあの当時の感じではないだろうから、どうなるかわかんないな」。
言葉を慎重に選びながら、森川は続けた。
「自分のどうでもよくないとこというか、ここだけは妥協しないっていうポイントに関しては熱いし、すごい献身的にもなるし、頑張れる人かなって。っていう感じかな」。その言葉を聞いて、福田の筆頭のチームがより見たくなった。


春リーグにて、得点を決めた福田とハイタッチをする森川

ラストイヤーに思うこと

本誌が森川にインタビューするのは、今回で3回目。2年次のインタビューで目指すプレーヤー像について、「頭を使うプレーヤーになりたい」と掲げていた。今はどうなのだろうか。
「いや達成はされてないね。やっぱり状況判断とかは、もちろん誤ることも多いから、そこはまだまだ。そこに関しては、まだ終わりがないんじゃないかな。引き続きやっていかないと、意識していかないといけないかなって」。

今後目指すプレーヤー像を尋ねると、「基本的には変わってないかな。頭を使って、試合の状況を踏まえてどういう判断をするのか、一番正しいのかっていうのを、みながらできるようにやりたいと思う」。

ラストシーズン、目標を尋ねてみた。
「個人としては、ベストイレブンは考えてる。そこに入りたいっていうのは、ずっと思いながらやってるから、引き続き目指していくかな。
ただね、今の気持ちで言えばね、引退の時に楽しかったと思えればいいやって。多分社会人で、どっかのクラブチーム入ることもないから。そう考えると、ホッケーとの付き合いが4年間だとすれば、引退した時にこれで終われるわ!って思うのが大事な気がしてきた。だから、意気込みっていうと、楽しみたいってことになるのかな?」。

その感情は、ラストイヤーだからこそ芽生えてきたことだった。加えて、オフ期間でのインタビューというのもあったようだ。
「これまたシーズン始まったら絶対、1部昇格したいとかベストイレブンとりたいとか思うかもだけど、今の思いで言えば、楽しみたい!っていう感じ(笑)」。

最後に、恒例の色紙にコメントを書いてもらった。あなたにとってホッケーとは?は引退時に聞くことにし、今回は〝ホッケーで大切にしていること〟を書いてもらった。


「悩む…」といいながら、インタビューでも言っていた〝楽しむ!〟を書いた


〝ホッケーで大切にしていること〟に楽しむを書いた森川。ラストイヤーも楽しみながらホッケーをする

いよいよ、4月7日より森川をはじめとする福田世代のラストイヤーが開幕する。3年間取材をしてきた代が最高学年として駆けるフィールドは、記者ながら未だ想像できない。彼らのラストイヤーが悔いのない、歴史を変えるシーズンとなることを願う。(インタビュー・編集/4月5日 小林桂子)

☆試合告知☆
4月7日(日)11時15分より
対東海大戦@早大東伏見グラウンド
福田世代の開幕戦を、いざ観に行こう。