一日だけのスペシャルなクリニック

3月25日、福岡の照葉積水ハウスアリーナにて、KAGOバスケットボールスクールの主催によるスペシャルクリニック『NEXT LEVEL CLINIC』が開催され、80人を超える小中学生、また指導者が参加した。

KAGOバスケットボールスクールは「TO THE NEXT LEVEL」を掲げ、世界で戦う人材育成を目指している。この一日だけのスペシャルクリニックでは「Knowledge is POWER」(知識は力なり)をキーワードとし、スペシャルな指導者を集めた。

石橋哲哉メンタルコーチによるメンタルトレーニングから長く濃密な一日がスタート。この日に何を学び、どう生かすかの心構えが、短い時間できっちりと作られた。続いてはスパーズのアスレティックトレーナーを務め、現在は東京医科歯科大学特任助教のDICEこと山口大輔のストレッチ指導。準備運動とはいえボールを使った激しいもので、ケガ防止のストレッチのと同時に声も出して心身とチームワークのスピリットも整えた。

こうして準備万端となった子供たちに、東京医療保健大学でインカレ連覇を果たした恩塚亨コーチの指導が始まった。限られた時間の中で恩塚コーチが選んだテーマは「一対一で抜くメカニズム」。能力で抜くのではなく、「こうすれば抜ける」というメカニズムを説明した上で、それを実践するためのスキルを丁寧に指導した。

KAGOのメインコーチであるMARU(丸田健司)は、1on1に必要なハンドリングをメインにアメリカ仕込みのスキルアップトレーニングを実施。アメリカだけでなくヨーロッパのプレー経験も豊富なARU(ルンゲ春香)は、身体を使ってズレを作るムービングスキルを指導した。

ユニークだったのが高知県の教員をしながらシュートクリニックで日本全国を回る今倉定男コーチの指導。「常識の嘘」として従来のシュートの打ち方を否定するとともに、女子でも簡単にワンハンドで3ポイントシュートが届くようになる打ち方を、基本の身体の使い方から、独特のユーモアを交えて指導した。今倉コーチは「2時間では足りない」と嘆いたが、初めて取り組むシュートフォームで飛距離が伸び、精度も増し、さらには打ち方がステフィン・カリーのようなNBAのトッププレーヤーに自然と似てくる不思議に、参加者たちは引き込まれていた。

最後はDICEによるアスレティックトレーニングがみっちりと行われた。小学校低学年の小さなプレーヤーから、協力校として参加した精華女子高校バスケ部の選手まで、長時間のハードなクリニックをやり通した。トップレベルの指導によるスキルアップだけでなく、意識も大いに高まった一日になったに違いない。