日本人選手が試合を決めた。 Jリーグ第5節、ガンバ大阪対ヴィッセル神戸の関西ダービー。前節、王者・川崎フロンターレ…

 日本人選手が試合を決めた。

 Jリーグ第5節、ガンバ大阪対ヴィッセル神戸の関西ダービー。前節、王者・川崎フロンターレを1-0で破ったG大阪と、連勝が止まった神戸の一戦は、激しい打ち合いとなった。



ガンバ大阪戦で決勝ゴールを決めた田中順也に駆け寄るアンドレス・イニエスタらヴィッセル神戸の選手たち

 試合開始直後から、G大阪が積極的にプレスをかけ、神戸は思うようにパスがつなげない。G大阪の鋭いショートカウンターを何度も受けることになった。

 試合が動いたのは前半10分。右サイドを小野瀬康介がドリブルで持ち込みクロスを上げる。これに合わせたアデミウソンが難しいボレーを決め、G大阪が先制する。さらに前半24分、アンドレス・イニエスタに入ったボールを菅沼駿哉が奪い、ファン・ウィジョにつないで追加点。一方、なかなかボールをつなげない神戸は、前半終了間際の45分、ルーカス・ポドルスキの見事なボレーシュートで1点を返し、前半を終了する。

 後半に入っても攻撃的な姿勢を見せる両チーム。後半9分、神戸は左サイドからイニエスタのスルーパスをポドルスキが粘ってクロスを挙げると、ダビド・ビジャがヘッドを決め同点に。しかし、G大阪は後半27分、遠藤保仁の技ありのクロスを倉田秋が決めて再びリードする。

 しかし、試合はこのままでは終わらなかった。

 神戸は後半13分にビジャに代えて三田啓貴を、29分には初先発のセルジ・サンペールに代えて田中順也を投入する。すると後半35分、自陣からのポドルスキのロングパスを、古橋亨梧が絶妙なトラップから中に折り返し、田中が決めて同点に。そして後半44分、古橋がイニエスタへのパスをカットされると、そこから奪い返して中央にグラウンダーのパスを送る。これを再び田中が決め、神戸が劇的な逆転勝ちを収めた。

 神戸といえば、イニエスタ、ビジャ、ポドルスキのW杯優勝経験のある3人が注目されてきた。そこにバルセロナからサンペールが加わり、「日本人で守って外国人が攻撃を奏でる」と思われてきた。

「いくらスター選手を集めても、日本人のレベルが上がらなければ勝てない」という声も少なくなかったはずだ。現にこれまでの神戸は、外国人選手の活躍がなければ勝利に結びつかない試合が多かった。しかしこの日、試合を決めたのは古橋と田中だった。

 古橋は日本人で唯一、前線のポジションを任されている選手。シュートミスをしてポドルスキに文句を言われるシーンもあるが、この試合では十分に存在感を示した。サンペールの先発でベンチスタートになった三田も、イニエスタが加入して以来、確実にサッカーがうまくなっている。西大伍、山口蛍は神戸に移籍してから日本代表に復帰した。神戸の日本人選手のレベルは確実に上がってきているのではないか。

 ここまでの試合を振り返ると、神戸にまだまだ”強さ”は感じられない。攻め込まれたときの脆さは相変わらすだ。本物の強いチームに成長させるには時間がかかりそうだ。

 それでも、何が起こるからわからないという面白さは、いまのJリーグで無比かもしれない。行く先々でスタジアムを満員にする理由はよくわかる。