ロジャー・フェデラー(スイス)が、手術を受けた左膝の回復を図るため、リオ五輪、全米オープンを含む今シーズンの残りの大会について出場を断念すると表明した。火曜日にフェデラーは自身のFacebookに、今年初めに受けた膝の手術に続き、より時…

 ロジャー・フェデラー(スイス)が、手術を受けた左膝の回復を図るため、リオ五輪、全米オープンを含む今シーズンの残りの大会について出場を断念すると表明した。火曜日にフェデラーは自身のFacebookに、今年初めに受けた膝の手術に続き、より時間をかけたリハビリは必要なのだ、と書いた。

 「医師に、もしあと数年、ケガなくATPツアーでプレーしたいなら----それが僕の意図するところだが----両膝と身体にしっかりと回復するための時間を与えるべきだ、とアドバイスされた」

 17度のグランドスラム・タイトルを持つフェデラーは、8月8日に35歳になる。つまり「あと数年」という言葉は、フェデラーがまだかなりの時間、ラケットを振り続けるところを見ることができるという、より大きな希望を彼のファンたちに与えることになるわけだ。

 彼の代理人であるトニー・ゴッドシック氏はAP通信へのe-mailに、フェデラーのプランは「来年初めに向けて準備を整えることだ」と書いている。

 フェデラーはリオ五輪から棄権した、テニスのいわゆる〈ビッグ4〉の中の最初のメンバーとなった。このビッグ4には、世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、14度グランドスラム大会で優勝しているラファエル・ナダル(スペイン)、そして2012年ロンドン五輪の金メダリストであるアンディ・マレー(イギリス)が含まれる。リオ五輪のテニス競技は開会式の翌日8月6日から始まる。

 フェデラーは頻繁に自分にとってオリンピックがどれほど重要なものかについて語っていた。部分的には、それが妻のミルカと出会った場所だからでもある。ふたりはお互いに競技者として2000年のシドニー五輪に参加していた。

 4年前のロンドン五輪のシングルスで、フェデラーはスイスのために銀メダルを勝ち獲り、2008年の北京五輪では、スタン・ワウリンカと組んで出場した男子ダブルスで金メダルを獲得した。

 今回のリオ五輪でフェデラーはシングルスのほか、ワウリンカと組んで男子ダブルス、そしてマルチナ・ヒンギスと組んでミックスダブルスに出場することが予想されていた。

 彼は、リオ五輪のテニス競技で不在が惜しまれる2人目のビッグネームだろう。グランドスラム大会で優勝5回のマリア・シャラポワ(ロシア)は、薬物使用による出場停止処分のため、五輪に出場できない。

 フェデラーは今年2月、内視鏡を使った左膝の手術を受け、割けた軟骨を修復した。それは彼の長く成功に満ちたキャリアで初めての手術だった。皮肉にもフェデラーは双子の娘のための風呂の用意をしているときに、膝を痛めてしまったのだと言う。

 また今季、背中の問題も抱えていたフェデラーは、全仏オープンの欠場を強いられ、グランドスラム大会の連続出場記録は「65」で終わらせることになった。そして、2016年はひとつもタイトルを勝ち獲ることができていない。彼が年間で一度も優勝していないというのは、2000年以来初めてのことである。(C)AP