「福岡一丸、まずは僕たちが一丸となって」

ライジングゼファーフクオカはホームに富山グラウジーズを迎えた前節で連敗を喫した。これで11勝38敗。74-101と大敗した第2戦を終えて、チームリーダーにしてキャプテンの山下泰弘は、「プロとして良くない試合だった」と戦いぶりを戒める。

前半は福岡が主導権を握る展開だったが、後半に崩れた。「相手の強いインサイドに対して、こちらはトランジション、スピードで勝負しようと前半から走るバスケットができました。後半にファウルトラブルが出てしまい、そこから相手のインサイドに受け身になってリズムが崩れてしまった」と山下は試合を振り返る。

ただ、山下が指摘するのは第3クォーターに崩れたことではなく、本来であれば反撃すべき第4クォーターに戦う姿勢を出せず、大差での敗戦となったことだ。「エリック(ジェイコブセン)が退場したあたりでチームとして切れてしまった。そこで僕たちは戦う姿勢を見せなければいけなかったと思うし、『福岡一丸』と僕たちは言っているので、まずは僕たちが一丸となって、いくら負けていても最後まで戦い抜く姿勢を、今後の試合でも続けていかないといけない」

それでも、個々の努力が勝利という結果に結び付かない状況でチームとしてまとまり続けるのは簡単ではない。「チームの中でも『最後まで頑張ろう』という言葉はよく耳にするんですけど、今日の試合みたいに言葉と身体が一致しない部分も大きくて、昨日と今日は選手とスタッフもレフェリーと戦ってしまいフラストレーションを溜めました。自分たちのプレーが悪いのに、半分以上をレフェリーのせいにしてしまっていた部分もあります。チーム内でもバラバラな空気感が出てきてしまっているので、もう一回、選手で同じ目標を持って戦っていきたい」

「ここでもう一回、立て直していかなければいけない」

勝ち負けを競う厳しい世界では、きれいごとばかりは言っていられない。負けが続いて、降格の危機に晒されるとなればなおさらだ。山下は言葉を濁すことなく、現実に真正面から向き合う。「やはり、こうやって厳しいシーズンになり試合に勝てなくなると、敗因を探し始めます。一人ひとりが誰かのせいにし始めて、コーチだったり選手の誰かだったりに不満を持つ傾向が見え始めてきたと思います。でも、そこで一人ひとりがまず自分自身を見つめ直して、まず自分がやるべきことをやる。そこを徹底させたいです」

かつての山下は東芝(現在の川崎ブレイブサンダース)に所属し、常に優勝を目指してプレーしてきた。Bリーグ開始の2016年に「地元のために」とB3の福岡に移籍し、優勝と昇格という目標を2年連続で達成している。勝つことに慣れてきた彼にとって『降格に瀕した状況』というのは初の経験。モチベーションをどう保つか、彼自身はもちろん、チームをまとめる難しさは今までにないものがあるはずだ。

「福岡のためにと集まったメンバーが一つの目標を持って、B3で優勝し、B2で優勝してきました。B1の舞台に来た時に、これは仕方のないことですが、メンバーやコーチが代わって軸がブレてきているのかなと。今シーズンに限っては方向性で難しいところが出てきています」

現状の難しさを認めた上で、山下はこう語る。「ただ、そこを言い訳にすることなく、プロは結果がすべてです。それでも勝つ、そのために集まったメンバーです。残留プレーオフが見えてしまっている今、そこを回避してB1に残留するのが目的になっているので、ここでもう一回、立て直していかなければいけない」

「最終的に全員が悔いの残らないシーズンにしたい」

『福岡のために』という気持ちは誰よりも強い。「バスケット王国と言われている福岡のために、福岡の子供たちのためにチームをB1に残したい」と山下は言う。

ラスト11試合をどう戦うか。「もう選手もイジることはなく、最後までこのメンバーで戦うことになります。一人ひとりの力はあるので、どうチームにするかが僕たちの課題。コーチ陣を含めてしっかり話し合いたい。今日は違いますけど、このところは競った展開で『良い試合だね』と言われても勝てない試合が多かったです。最終的に勝ちきる、そうしていきたいです」

富山との2試合は、新設されたホームアリーナの照葉積水ハウスアリーナではなく、博多から離れた飯塚第一体育館での開催だったが、連日ともに小さな体育館は大盛況となった。飯塚開催の観客動員が1000人を切ることもあった過去2シーズンのことを考えれば、これがB1効果であることを山下は感じている。

「飯塚開催でも2000人を超えるお客さんが来てくれました。会社も集客を頑張ってくれているので、今度は選手がバスケットで結果を出さなきゃいけない。残留のためにもう一回、一人ひとりがチームに向き合って、最終的に全員が悔いの残らないシーズンにしたいと思います」

レギュラーシーズン終盤、『福岡一丸』となって逆転での残留を実現できるか。山下はチームリーダーとして厳しい現状を受け止めながらも、決してあきらめない。