今シーズンから3月開催となった「第5のメジャー」と言われるザ・プレーヤーズ選手権(3月14日~17日/フロリダ州)。世界ランキングの上位選手が勢ぞろいした今大会は、初日に「67」、2日目にも「65」の好スコアをマークして首位に立ったロリー…

 今シーズンから3月開催となった「第5のメジャー」と言われるザ・プレーヤーズ選手権(3月14日~17日/フロリダ州)。世界ランキングの上位選手が勢ぞろいした今大会は、初日に「67」、2日目にも「65」の好スコアをマークして首位に立ったロリー・マキロイ(北アイルランド)が、3日目、4日目も着実にスコアを伸ばしてトータル16アンダーで優勝した。

 一方、日本期待の松山英樹は、カットラインぎりぎりで予選通過を果たすと、3日目、4日目にスコアを一気に伸ばして、最終的には通算12アンダー、8位タイでフィニッシュした。

「ゴルフの内容はともかく、予選を通れば何とかなるんだな、悪くても腐らずにやっていればトップ10入りもあるんだな、ということがわかったので、これからも(今回のようなプレーを)続けていきたい」



プレーヤーズ選手権で8位タイと奮闘した松山英樹。photo by Getty Images

 初日は風が強く厳しいコンディションのなか、松山は4バーディー、3ボギーの「71」。1アンダー、53位タイでの発進となった。

「いいところもありながら、悪いところもあって、非常に微妙なラウンドになりました。ショットに関してはいいイメージはあるけれど、ぴったりハマらないというか……。ピンに絡んでこないのは、それが原因かなと思う。そういう状況のなかで、チャンスは少なかったんですが、(インスタートの)10番で長いパットが入ってくれたのでよかった。あれは、うれしかったですね」

 2日目は、前半9ホールをすべてパー。後半に入って10番でダブルボギーを叩くも、16番パー5、17番パー3でバーディーを奪って「72」で回り、通算1アンダーで終えた。その後、午後組がスコアを伸ばした際には予選落ちかと思われたが、終盤にスコアを落とす選手が続出し、松山は結局、カットライン上の67位タイで決勝ラウンドへ駒を進めた。

「ショットがうまくいかなかったので、なかなかバーディーパットを打てる回数が少なかった。ティーショットもそんなにいい感じではないんですけど、大きなミスが出ているのは、今はアイアン。スイングがうまく連動していないというか、(ここのところ)ティーショットがよくなると、アイアンが悪くなるというのが続いている。その辺をどうにかして、早く解消したいと思う」

 ショットが安定しないなか、苦しい予選ラウンドとなった松山だったが、決勝ラウンドに入ると、そのショットが復調。3日目は、7バーディー、1ボギーと爆発して通算7アンダーまでスコアを伸ばし、順位も22位タイまで急上昇した。

「久々のいいスコアなので、すごく気分的にもいいです。まあでも、もうちょっと練習して、もうちょっといいスコアで回れるようにしたい。ショットに関しては、昨日気になっていた部分がいい方向にいってくれたのかな、という感じ。パットは、朝の練習場ではあまりよくなったんですけど……。よくわからないですね、ゴルフって」

 そして、最終日も「67」と5つスコアを伸ばして、ホールアウトした時点では首位との差も2打差まで詰めていた。強い風が吹く厳しいコンディションのなかでも好プレーを見せた松山。ラウンド後は、充実した表情を見せた。

「もうちょっと伸ばしたかったな、というのはあります。天候が天候なので、上(の選手)にとっても簡単なコンディションではないので、15アンダーくらいまでいっておけば、(優勝に絡む)チャンスもあるのかな、と。

 今日はショートパットのミスがなかったので、そこがスコアに直結した感じ。ティーショットもそんなに荒れなかった。スイングも小細工しながらうまくまとめられて、いいプレーができたと思う。これぐらいを、最低レベルにしていきたい」

 メジャーに続くビッグトーナメントでトップ10フィニッシュを果たした松山。およそ1カ月後に迫った今季メジャー第1弾のマスターズ(4月11日~14日/ジョージア州)に向けて、いい流れにあるのではないだろうか。

「まだ、そこまで頭が回っていないですけど、成績だけ見れば、いい形で迎えられると思うので、がんばりたい。昨年は(マスターズを前にして)ぜんぜん調子がよくなかったので、そういう意味では(今年は)やっていることが結果に表れ始めているので、そこはいいかな、と思う。自分の好調の波が(マスターズで)くれば、チャンスはあると思うので、それを目指したい。

(世界ランキング4位で迎えた2017年の頃に近い状態か?)そこと比べてはいけないけど、(今の)成績や結果だけをみれば、それに近いものはあるかもしれない。でも、もっともっと(当時よりも)内容は上を目指しているので、そういう意味では(今の自分は)まだまだだと思う」

 このあと、松山はWGC デルテクノロジーズ・マッチプレー(3月27日~31日/テキサス州)に出場して、マスターズに向かう。「いい状態を作って、しっかり調整していきたいと思う」と言う彼にも、メジャー制覇のチャンスは間違いなくある。