★本田望結インタビュー(前編)

 フィギュアスケーターの兄・太一(20歳)、姉・真凜(17歳)、妹・紗来(11歳)を家族に持ち、自身もその世代のトップスケーターとして活躍している本田望結さん。3歳のときから始めたスケートは、全日本ジュニアまで出場するほどの実力がある一方で、それより早く始めたお芝居でも大ヒットドラマ『家政婦のミタ』(2011年)に出演するなど、女優として数々の作品に出演し、話題を呼んできた。そんな彼女に、家族や自身について聞きつつ、フィギュアスケーターとしての今シーズンを振り返ってもらった。



しっかりとした口調でインタビューに答えてくれた本田望結さん

――(国際大会のチャレンジカップで優勝した妹の紗来がオランダから帰国した日が、取材日だったため)紗来さんとはもう話をされましたか。

本田 結果についてはまったくしてないです。試合とかスケートのことについてはホントに一切話さなくて。試合がある時間も知らなかったので。

――「お疲れさま」とか、そういう連絡もしないんですか。

本田 しなかったですね。動画が送られてきたので、それを見て「ああ(終わったんだな)」みたいな感じで。(LINEで)スタンプは送りました。でも、「どうだった?」みたいな話は全然してないんですよ。

――動画は誰が送ってくれるんですか。

本田 コーチとか父ですね。あとはニュースとかで動画を見たりして。時差とかもあって、向こう(オランダ)が何時かわからなかったので。今日家に帰ったら、いると思うので、そこで「お疲れ」「ただいま」みたいな話はあると思います。けど、そんなに(試合について)深い話はしないと思います。

――それは姉妹間の暗黙のルールみたいなもので、真凜さんも含め、お互いフィギュアの話はしないという感じなんですか。

本田 そうですね。今日帰ってくるのも知りませんでした。

――昨年末に全日本フィギュアがあったとき、試合後に姉の真凜さんが望結さんから「逃げ道の先には行き止まりしかないよ」という話をされた、というニュースがありました。そのときは、頑張ってほしいという気持ちが強かったからこそ、あえてそういう話をされたのでしょうか。

本田 でも、それも私はけっしてスケートのことに対して言ったわけじゃないんです。普通の人生の中で1つのページとしてスケートはあるだけだと思うので。姉も(これまで)自分でいろいろ決めて、それに対してたくさんの方からいろんな言葉をいただいて、きっと気持ちの中でゆらゆらしている部分が…まあ、確実に今はないと思いますけど、去年の全日本のときにはきっとそういう(揺れている)気持ちがあったと思うので、「逃げた道っていうのは行き止まりでしかないよ」と言いました。それが姉にはけっこう心に残ったみたいで、取材の時に言ってくれたんだと思います。”スケートをしている姉”というよりは、”姉の人生”として、あのとき、すごくつらい時期なのかなと思ったので、そういう言葉をかけました。

――それを伝えたときの真凜さんのリアクションはどうだったんですか。

本田 うなずくぐらいですかね。どうだろう…。それぐらいだったと思います。

――望結さんが真凜さんに伝えた言葉や今の話を聞いて、改めて14歳だけど、しっかりしているんだなと思いました。いろんな人からそう言われませんか。

本田 それはすごく言ってもらうんですけど、うれしい気持ちにはならなくて…。「ああ、ありがとうございます」みたいな感じなんです。小さい頃から大人の方と一緒にお仕事をしてきたので、やっぱり精神年齢みたいなものは上にあると思うんです。それに、小さい頃から相談相手がいなくて、全部自分で決めてきたからというのもあると思います。大人の方にも自分の意見をしっかり言いますし。自分で決めている道が自分の中にはもうあるので、それに対して「しっかりしてるね」って言ってくださるのかなと思います。

――相談相手がいないということでしたが、ご両親やお姉さん、お兄さんなど、悩んだ時にまわりの人に相談しないんですか。

本田 まったくしません。全部自分で決めます。誰かに相談して、そのとおりに実行して失敗した時に、やっぱり相談した方のことを考えてしまうじゃないですか。それだったら全部自分で決めて、後悔というものは自分で背負ったほうがいいなと思うし、誰のせいにもしたくないなと思った時に、じゃあ自分で決めようかなって思っていたら、いつの間にかそういうスタンスができていたんです。

――話を少し戻します。フィギュアの話は姉妹ではしないということでしたが、普段3人で話している時は、望結さんはどういう感じなんですか。

本田 じつは、私が一番末っ子みたいな。オンとオフじゃないですけど、姉妹の中で一番下っていう感じで、すごい(姉と妹に)なめられています。仕事の現場にいる時と、家にいる時の違いがヤバいらしいです(笑)。

――望結さんがそういう立場になると、逆にお姉さんの真凜さんとかはしっかりキャラになるということでしょうか。

本田 そうですね。でも、姉妹で出かけたりすると、私が電車の時間とかいろいろ決めて。

――やっぱりそこはしっかりキャラが出てくるんですね。

本田 そうなんです(笑)。いざとなったら、やっぱり全部私が決めちゃいます。「これに乗るから早くして」みたいな。何か食べる時でも作る時は全部私が材料も揃えて。「よし、やりましょう」みたいな感じなんです。根が真面目なので、お願いごとをされちゃうのかなと思います。

――じゃあ、お姉さんも妹さんも、望結さんのそういう性格を知っているから、頼っちゃうというか、「これやっといて」みたいになるんですね。

本田 たぶん。今、姉はアメリカにいるので普段はLINEもしないし、全然話もしていないんですけど。

――LINEとかメールもしないんですか。

本田 しないです。昨日、唯一久しぶりにお姉ちゃんからLINEが来たので返したんですけど。今はそういう関係でも、私が人生でいちばんの危機を迎えたりしたら、最初に相談するのはやっぱり姉だと思います。でも、それ以外のことは一切言わないと思います。

――逆にお姉さんから相談されることはあるんですか。

本田 ないです。でも、私が勝手に思っていることは、たぶん姉は何か大きな決断をしなきゃいけない時に、一番に私に相談してくれるんじゃないかなって、私は勝手に思っています。

――それはいつか答え合わせをしてみたいですね。

本田 そうですね(笑)。じつは、めっちゃ対談とかしてみたいんですよ。会いたい人とかしゃべりたい人は誰?って聞かれたら、「姉」って答えると思います。

――そのときは、ぜひスポルティーバでお願いしたいです。

本田 ホントに。ぜひお願いしたいです! そういう機会がないので。

(つづく)