1年を通して行われてきた全日本学生RCSもいよいよ最終戦を迎え、多くの観客が声援を送る賑やかな雰囲気の中で行われた。早大はクラス1で孫崎大樹(スポ4=京都・北桑田)が2位、そして中川拳(スポ3=北海道・帯広三条)が4位に入り、2009年以…

 1年を通して行われてきた全日本学生RCSもいよいよ最終戦を迎え、多くの観客が声援を送る賑やかな雰囲気の中で行われた。早大はクラス1で孫崎大樹(スポ4=京都・北桑田)が2位、そして中川拳(スポ3=北海道・帯広三条)が4位に入り、2009年以来となる学校対抗優勝を果たした。また、今大会が学生として臨む最後のレースとなった孫崎は見事2018年度RCS総合優勝に輝いた。


リーダージャージーを着用して走る孫崎

 初めに行われたクラス3Bには早大から萩本拓也(法3=熊本)が出場した。第12戦で3位入賞を果たし、クラス2へ昇格の意気込みは十分であったが、序盤に起きた落車に巻き込まれ、完走はならなかった。また、クラス2には山本真寛(社2=青森・八戸工大一)、片野陸(スポ2=長崎・鹿町工)が出走したものの、互いに先頭争いに加わることはできないままフィニッシュとなった。< /p>

 そして、学校対抗が争われるクラス1。各大学の応援部による応援もあり、盛り上がりは最高潮に達した。早大からはRCS第11戦終了時点で年間総合優勝を確定させていた孫崎のほか、中川と小野寛斗(スポ2=神奈川・横浜)の二人が出走した。早大勢はスタートから集団の上位に付いてレースを展開していく。時折、逃げる選手が現れたものの、その度に集団に吸収され、勝負はラストスプリントに懸かることとなった。最終コーナーを回り、勢いよく飛び出したのは沢田桂太郎(日大)。孫崎は懸命に後を追ったがわずかに及ばず、2位でフィニッシュラインを通過した。さらに中川が4位に入り、早大は学校対抗優勝をつかんだ。学生最後のレースで孫崎を勝たせたいという後輩の思いが勝利を引き寄せたのだった。


集団で様子をうかがう中川(中央左)

 孫崎は個人での優勝を逃したことを悔やみつつも、「僕の最後のレースで良い思いをさせてもらってよかった」(孫崎)と笑顔で語った。さらに、早大史上2人目となるRCS総合優勝を達成し、プロの世界での今後の活躍を予感させる結果ともなった。また、主将の中川は今後について「孫崎さんが抜けても強い早稲田を維持できるようにまた残ったメンバーで切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」とすでに先を見て意気込んでいる。今年度はインカレ総合3位の成績を残すなど大きく飛躍した早大自転車部。来年度も勢いこのままに大舞台で輝く早大が見られることを期待したい。

(記事 加藤千咲、写真 菅沼恒輝)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません


学校対抗で優勝した早大


優勝カップを掲げる孫崎

結果

▽クラス3B

萩本 DNF

▽クラス2A

山本 18位

▽クラス2B

片野 17位

▽クラス1

孫崎 2位

中川 4位

小野 12位

▽学校対抗

早大 優勝

▽中間スプリント賞

孫崎、小野

▽2018年度RCS総合成績

孫崎 優勝

納家一樹(スポ3=東京・八王子桑志) 32位

中川 46位

コメント

孫崎大樹(スポ4=京都・北桑田)

――きょうのレースプランについて

前半は様子を見つつ後手に回らないように逃げには人をのせ先手を取り、後半は仕掛けていく作戦で臨みました。また上位2人の成績が大学対抗の成績になるので、終盤は1人がゴール前の逃げに対応し残り2人はスプリントに備えるというプランを立てました。

――中川選手や小野選手が代わる代わる先頭を走っていたのもその作戦の一環ですか

そうですね。逃げを抑えることもありますし、逃げに乗るなら乗っとかないと集団を引く立場になり、足を使ってしまうので、そうならないために積極的に前に出て有利になるようにしました。

――レースを振り返って

小野がしっかり逃げを潰してくれたため自分と中川が上位に入れました。六大(六大学対抗ロード)に続く良いチームワークで優勝することができました。

――序盤の単独アタックの意図について

アップも兼ねていました。ちょうど今村選手(駿介、中大)が逃げた時で集団も疲弊し始め前半の激しいペースが落ち着いていたので、仕掛けて逃げれるなら逃げ、そうでなくても自分も先頭で踏んでみるという狙いでした。

――中間スプリントで大前選手(翔、慶大)との勝負について

仕掛けた時点で勝利を確信しました。スプリントの調子がかなり良かったのと、大前選手も中間スプリントなので無理をする様子がなかったので、余裕ではないですが勝てました。ゴールスプリントを取る上で良い感触をつかめたと思います。

――終盤、東北学院大の風間翔眞選手が逃げましたが、焦りはありましたか

勢いがなかったので焦ることはありませんでしたが、集団が止まってしまうと逃げられてしまう可能性があったので、沢田選手(桂太郎、日大)など何人かで協調して、前までうまく回して行きました。ラスト半周の時には捕らえられる距離に追いついたので焦りというよりは、むしろ良い目掛けという感じでした。

――RCS総合リーダーになりましたが、改めて実感はいかがですか

4年間良い位置にいたのに取ることができなかったので最後にチャンスをつかみ取ることができてとても良かったです。

――学校対抗でも優勝することができましたが

僕の最後のレースで良い思いをさせてもらってよかったと思います。でも最後はやはり個人でも団体でも優勝して完全優勝という形で終わらせたかったのですが、そこは詰めの甘さが出てしまいました。

――大学最後のレースでしたが、いかがでしたか

ほとんど4年生がいない中で後輩たちも仲良くしてくれましたし、最後にこのような都内の場所で応援や観客も多いなかでこれだけ熱いレースができて非常に楽しかったです。

中川拳(スポ3=北海道・帯広三条)

――きょうのレースプランは

きょうは孫崎さんのRCSリーダーはもう確定だったので、あと個人で勝つということ、プラスきょうの三人は過去数年見てもかなりいいメンバーだったので、学校対抗もいけるだろうということで学校対抗も狙っていこうと。ステージを狙いつつ、でもステージに偏るんじゃなくて学校対抗に入るために2人以上入れようという作戦でしたね。

――中川選手は4位に食い込みましたが、学校対抗を意識されたのでしょうか

最後、自分の力を使って孫崎さんを勝たせるというリードアウトの動きもできたと思うんですけど、学校対抗のこともちらついたりして。最初からそれぞれでスプリントしようというプランだったので、そっちで僕もそんなにスプリントは得意ではないんですけど、学校対抗のためにもがくかということで、残り3周くらいで逃げとかも決まらなかったのできょうはこれはスプリントかなということで準備していました。

――学校対抗での優勝はどのように感じていらっしゃいますか

そうですね、監督さん(鈴木芳文監督、昭42商卒)いわく10年ぶりとからしいので、誇らしいことだなと思いますし、孫崎さんは次からは違うチームでライバルとして戦うことになるので、これから孫崎さんが抜けても強い早稲田を維持できるようにまた残ったメンバーで切磋琢磨(せっさたくま)していきたいと思います。

――個人としてきょうのレースはいかがでしたか

実は2019年初レースだったんですけど、ぼちぼち走れたかなぐらいな、そんなに調子がいいってわけでもないんですけど。先週くらいまで沖縄に2週間ほど合宿に行ってまして、そこでそこそこ乗れてたのでまあなんとかなるかなくらいの気持ちで来て、ぼちぼち走れたんですけど、最後あまりスプリントが掛からず表彰台もあと一歩というところでしたね。

――来年度の目標は

来年は大学4年生ということで、いまU23というカテゴリーなんですけど、そのカテゴリーも最後なので、全日本選手権優勝とインカレ優勝、チームではインカレ総合優勝を目標に頑張っていきたいと思います。

小野寛斗(スポ2=神奈川・横浜)

――きょうのレースプランは

学校対抗で総合優勝するというのを目標に三人で話し合って決めました。

――きょうのレースを振り返って

前半かなり動いて、強い選手が乗った逃げに反応して逃げられるかなと思ったんですけど、それは決まらず、昨年逃げ切ってポイント周回で全部差されて一回も取れなかったんですけど、きょうはいい位置でポイント周回の時にもがけて、その後のゴールスプリントは絡めなかったんですけど、この前のRCSと比べてしっかりと走れましたし、調子はよかったと思います。

――最後の中間スプリントは狙って取りにいったのですか

狙ってはいなかったんですけど、なかなかいい位置でもがくことができたのでそのままって感じですかね。

――学校対抗で早大が優勝となりました

孫崎さんが最後で、それも過去にない三人が集まったのかなと思うと当然の結果だったのかなと思いますけど、その当たり前のことをしっかりできて、この大学総合を取れたというのはよかったと思います。

――今年度のRCSはこれで終了となりますが、振り返っていかがですか

昨年からクリテリウムでそんなにいい走りができてなくて、落車続きがあって完走すらできてなかったんですけど、今回しっかり練習して体調もここに合わせることができたので、来年はRCSチャンピオンを狙うことができれば、孫崎さんの次にいいかなと思います。

――最後に、来年度の目標をお聞かせください

3年生ということで来年はもしかしたら就活も絡んでくるかもしれないので、のびのびできるのもラスト1年だと思うのでインカレでは上位入賞は必ずしたいと思っていますし、今年の全日本のレースが比較的平たんだと聞いたのでそこでも生き残ることができれば最後小集団でのスプリントだったらいいところにいけるのかなと思うので、まずは全日本から頑張っていきたいと思います。