「世界一のイチローファン」として知られるエイミー・フランツさんはこの日もスタンドから声援を送り、偉業達成まで背番号51のプレーを見守ることを固く誓った。■イチメーター制作から13年目迎えた「世界一のイチローファン」エイミーさん マーリンズの…

「世界一のイチローファン」として知られるエイミー・フランツさんはこの日もスタンドから声援を送り、偉業達成まで背番号51のプレーを見守ることを固く誓った。

■イチメーター制作から13年目迎えた「世界一のイチローファン」エイミーさん

 マーリンズのイチロー外野手は24日(日本時間25日)、本拠地メッツ戦に代打で出場し、空振り三振に終わった。22日(同23日)から本拠地に戻ったが、メッツとの3連戦は全てベンチスタートで、メジャー通算2996安打のまま。「世界一のイチローファン」として知られるエイミー・フランツさんはこの日もスタンドから声援を送り、偉業達成まで背番号51のプレーを見守ることを固く誓った。

 1点を追う7回1死走者なしの場面、イチローは中継ぎ右腕フェルプスの代打で登場。本拠地は大歓声に包まれ、もはや恒例となった「イチローコール」も起こる。熱狂的な雰囲気の中、イチローは右腕ロブレスに1ボール2ストライクと追い込まれると、最後は外角低めへの直球に空振り三振。守備にはつかず1打数無安打に終わり、3試合連続で快音は響かなかった。

 スタンドでは、マーリンズベンチの真上からエイミーさんが「イチメーター」を手に声援を送っていた。

 偉業を見届けようと、後半戦開始の敵地カージナルス戦から“応援の旅“をスタート。多額の資金を要するため、「クラウドファンディング」を利用して資金援助を求めたところ、日本のイチローファンを中心とした多くの人から多額の寄付が集まり、フィラデルフィア、マイアミと続いてきた連戦を追いかけている。

■最初のイチメーターはクーパーズタウンに

 今や日本でも有名人となったエイミーさんは、「(日本のファンの想いは)とてもクール」と感激の面持ちで話す。さらに、多額の寄付が集まったことにも「とても嬉しい。すごくありがたい。(イチローを追いかけるのは)とてもお金がかかるし、私のクレジットカードが大変なことになってしまうので」と感謝した。

 イチローがメジャー新記録となるシーズン262安打を放った2004年から、特製の「イチメーター」を使っての応援を始めたエイミーさん。今や本人との交流も深まっており、イチローがエイミーさんにプレゼントを送ることもあるなど、2人の心温まるエピソードは広く知られている。

「最初の『イチメーター』はクーパーズタウンの野球殿堂に飾ってあるけど、その後もいくつか新しい『イチメーター』を作ったの。そして、彼は毎年、シーズン200本以上のヒットを打ってくれた」

「イチメーター」でのカウントを始めてから、今年で13年目。ヤンキース、マーリンズとチームが変わっても、日米通算4000安打など節目のタイミングでは、現地でヒット数をカウントするエイミーさんの姿があった。リーグが違うマーリンズに移籍してからは、息子が住むサンフランシスコにも駆けつけている。

■環境変わるも揺るがない熱意、3000安打へも「ついていく」

 エイミーさんは「本当に長い時間よね」と振り返る。以前はペットショップで働いていたが、「もう今は仕事をしていない。働いているのは夫だけ」。それだけに、今回の資金繰りも当初は困難を極めた。「今、息子はサンフランシスコに住んでいるし、娘はケンタッキー州に住んでいるの」。イチローのヒットをカウントし続ける中で、環境も変わった。それでも、エイミーさんがイチローを応援する熱意は、ずっと変わっていない。

 マーリンズは現在、31日(同8月1日)までの本拠地10連戦に臨んでいる。残り4本は、スタメン出場が増えれば、問題なくクリアできる数字。ただ、レギュラー陣が好調で、4番手外野手として出場機会が限られている中、残り7試合で4安打を積み重ねられるかは、まだ分からない。

 マイアミでの連戦が終わると、その後はシカゴ(カブス戦)、コロラド(ロッキーズ戦)と遠征に出る。エイミーさんは、10連戦で偉業達成が決まらなかった場合について「もちろん、ついていくわ」と断言。さらに資金が必要になるが、多くの寄付が集まっていることもあり、「今のところ大丈夫そう」と笑顔で話した。

 3000安打を見届けるための旅が、クライマックスを迎えていることは間違いない。イチローは最高のファンに見守られ、金字塔への歩みを進めていく。