3月10日、福岡ソフトバンクホークスの2軍施設がある筑後で贈呈式が行われました。和田毅投手から渡された寄付金を受け取った…

3月10日、福岡ソフトバンクホークスの2軍施設がある筑後で贈呈式が行われました。

和田毅投手から渡された寄付金を受け取ったのは福岡大学ボクシング部キャプテンの伯野海人君。彼は児童養護施設で育ってきた学生。和田投手らの活動によって集められた寄付金を児童養護施設で育つ子供たちへ送る為の贈呈式でした。

この光景を見て、僕は2週間前に会った和田毅投手の言葉を思い出しました。

「吉田君、素晴らしいと思う。あのイベントの翌日に自ら社会貢献活動をしたいと動いたって聞いて、心底、嬉しかった。本当に良かった」

春季キャンプも終盤に差し掛かる頃、宮崎の宿舎で話す和田投手は表情は誇らしげでした。

怪我で出遅れている為、元気づけようと思って僕は会いに行きましたが、和田投手は終始嬉しそうで笑顔が絶えませんでした。

彼が言う“あのイベント”とは去年、和田投手発起人となり行われた「BLFチャリティートーク」イベント。当イベント等で集まった募金や寄付を児童養護施設で育った子供たちの進学をサポートする日本財団の「夢の奨学金」に寄付をする活動でした。

和田投手の声掛けによりソフトバンクの千賀滉大、楽天の則本昴大、ヤクルトの館山昌平、畠山和洋、オリックスの吉田正尚の6選手が有志で集まり、各選手らの社会貢献への情熱が駆け付けたファンの皆さんに伝わり、会場は終始、熱気に包まれました。

イベント終了後、束の間のオフの時間を割いて全国から集まった選手たちはすぐに帰路に着こうとはしませんでした。

「和田さんのように世界の子供たちを救うような取り組みができないか」

「今日のイベントを通して自分も社会貢献活動が出来るのではないか」

「プロとしてプレーすることの意味を考え直しました、この輪を広げたい」

「僕にでも取り組めるような社会貢献のアイディアを教えて欲しい」

各選手から出てくる質問、それに答える和田投手と関係者の皆さん…熱を帯びる会話は1時間でも終了する様子はありませんでした。同い歳の和田投手、館山投手から「大貴からも伝え手の側から見て、何かいいアイディアがあれば教えて欲しい」とも言われました。

胸を打たれる時間でした。目頭が熱くなる時間でした。冒頭の和田投手の表現にあったように、ただただ“素晴らしい”と感じる一夜でした。

その翌日、吉田正尚選手は公式戦で自分が本塁打を放つ度に10万円を寄付し、バングラディッシュなどの開発途上国の子供たちの支援に充てることを決めました。この日、当日にはソフトバンクで和田投手の活動を間近で見てきた千賀投手も子供虐待のシンボルマークとして知られるオレンジリボン活動に1奪三振につき1万円を寄付することを発表しました。

心を動かす和田毅投手らの社会貢献活動の綸は、更に日本球界に広がっていくと僕はあの日、あの瞬間、あの現場にいて確信しました。

プロ野球選手はプレーすることで、ファンの心を動かしてきました。

そして今、グランドから離れた時にも心を動かせる選手たちが日本球界には増えているのです。

2019年の開幕がまた更に待ち遠しくなった今日の授与式でした。

取材・文 / 田中大貴(スポーツアンカー)