混戦の終盤、チームに火をつけたのはキャプテン狩野

滋賀レイクスターズが秋田ノーザンハピネッツを迎えての第1戦がウカルちゃんアリーナで行われた。滋賀はリーグ全体最下位、秋田は残留プレーオフに回る『ボトム4』の1つ上の14位。B1残留を争うライバルの直接対決は、激しいぶつかり合いとなった。

序盤は滋賀のアレン・ダーラムとガニ・ラワルの両外国籍選手が、秋田のジャスティン・キーナン、カディーム・コールビーを力強さで上回り、ゴール下で優位を作る。それでも秋田は第1クォーター終盤、長谷川暢のアシストから下山大地が3ポイントシュートを決め、その直後にも長谷川が針の穴を通すアシストを野本建吾に通して連続得点、17-13と先行した。

その野本は第2クォーター、滋賀の強みであるインサイドを抑える貴重な働きを見せる。パワー勝負を避けて機動力のある野本がラワルをマーク。当たり負けせずパスを入れさせないディフェンスでラワルにゴール下でのプレー機会を与えず、滋賀のオフェンスを停滞させた。さらに攻めに転じればラワルを置き去りにするスピードで数的優位を作り出す。

秋田にはコールビー、キーナンのファウルが先行する不安要素があったが、これも野本が第2クォーターに9分プレーすることでカバー。第2クォーターは滋賀から5つのターンオーバーを誘発し、4つのファストブレイクを決めた秋田が圧倒し、37-27と2桁のリードで前半を終えた。

主導権が目まぐるしく行き来する白熱のゲームに

滋賀にとっては苦しい流れ。これを断ち切ったのはベテラン司令塔の伊藤大司だった。先発したものの前半のプレータイムは8分弱と、若い中村功平に出番を譲っていた伊藤だが、後半から的確なゲームメークを見せる。パスが入らず孤立していたラワルに優先してボールを預けてリズムに乗らせることで、チーム全体のオフェンスも回るように。

さらに巧みな動きでコールビーのオフェンスファウルを誘い、直後にラワルに突っかけさせてコールビーから個人4つ目のファウルを誘いだす。伊藤は試合後、「前半はセットオフェンスに固執してしまったが、ハーフタイムでもっとアグレッシブにと切り替えて、後半はうまく行った」と、転機となった第3クォーターを振り返る。

逆に秋田は受け身に回ってしまい、タイムアウトを取るも立て直せない。伊藤のマークを外してしまい、オープンでのコーナースリーを決められ41-43と詰め寄られる。直後のオフェンスも攻めきれずに24秒バイオレーションと不発。ラワルの強引なアタックにバスケット・カウントを献上、不意を突かれてゴール下に切り込まれた伊藤にレイアップを許すなど、約6分半も得点が止まる間に0-13のランを浴びた。

それでも第3クォーターの最後はキーナンのフリースロー、走った長谷川のアシストを受けた野本がゴール下でファウルを誘ってのフリースローで悪い流れを何とか食い止め、47-46と再びリードを奪って最終クォーターへ。

リバウンドとフリースローの差で滋賀が勝ちきる

ラスト10分も接戦が続くと思われたが、ここで滋賀がギアを上げる。きっかけを作ったのはキャプテンの狩野祐介だ。この試合、なかなかシュートに当たりが来ない狩野がオフェンスリバウンドに飛び込み、ゴール下を強引にねじ込む。続くポゼッションでも狩野は、右サイドから3ポイントシュートを選択せずにドライブし、バスケット・カウントをもぎ取った。

この激闘で先に集中を切らしてしまったのは秋田だった。残り5分40秒に個人4つ目のファウルをしたキーナンが、その直後に5つ目も取られてファウルアウト。どちらも滋賀が組み立てる段階での不用意なファウルだった。その30秒後にはダーラムとのリバウンド争いでコールビーまでファウルアウトに。コールビーも個人3つ目、4つ目と立て続けにファウルを犯しており、外国籍選手が熱くなったタイミングで一度下げる選択のできなかったベンチワークが悔やまれる。

こうなると秋田に勝機は見いだせない。残された選手たちは最後まで食らい付いたものの、滋賀は強く当たれない相手のディフェンスを見越して強引なアタックで得点を重ねていく。そのケアに行ったところで中村と狩野の3ポイントシュートが立て続けに決まり、滋賀が72-61とリードを2桁に広げたところで勝負アリ。試合を通してリバウンドとフリースローの数で上回った滋賀が、最終スコア77-68で接戦を勝ちきった。

滋賀は過去2シーズンも終盤戦に強さを発揮し、下位に沈みながらも残留プレーオフ回避に成功している。その『終盤力』が出たと言ってもいい勝利だった。だが、それで滋賀が浮上するのであれば『ボトム4』に転落するのは秋田ということになる。その流れを作るか、阻むか。明日の第2戦も激しい戦いになるに違いない。