3日に開催された東京マラソンで日本人トップの5位入賞を果たし、学生ランナーとして初めてMGC出場権を獲得した堀尾謙介選手(中央大学)が、学生生活最後の練習に参加した。レース後は「数日にわたって足が動かなかった」とのことで、この日は軽めの調整が中心。終始リラックスした表情が印象的だった。

須磨学園高校時代から全国高校駅伝、インターハイに出場し、陸上競技のエリート街道を走ってきた堀尾。しかし、その後の道のりは平坦ではなかった。大学1年生で迎えた2016年の箱根駅伝。中央大学は総合15位に終わり、シード権を逃した。翌年は予選会からの復活を目指したものの、あと少しのところで叶わず、87回続いた連続出場記録が途絶えるという屈辱も味わった。

血のにじむような努力を重ね、堀尾は3年生でようやく箱根への切符をつかんだ。その予選会の際、彼を一躍有名にしたエピソードがある。レース中、ドミニク・ニャイロ選手(山梨学院大学)に給水ペットボトルを渡すシーンが中継に映っており、視聴者の感動を呼んだのだ。「ニャイロにも箱根駅伝を走って欲しいという思いがあったので渡した」というコメントからも、彼の性格や人となりを伺うことができる。箱根駅伝で任されたのは“華の2区”。各校のエースが揃う区間で2018年8位、2019年5位という成績を残した。そして、記憶に新しい東京マラソン日本人トップの5位入賞を果たす。苦しいことが多かった学生生活の最後に、日本中の注目を集める大輪の花を咲かせた。

来月からはトヨタ自動車に進む。服部勇馬選手(東洋大学OB)ら、MGC出場権を獲得している先輩を3人擁する強豪チームだ。「最強のメガネランナーになる」という堀尾の夢は、次のステージに続いていく。

※大学アスリート1日密着動画「THE STARS」にて、堀尾選手を特集しています。
 堀尾選手の「THE STARS」はこちら>>https://sportsbull.jp/p/495101/

堀尾謙介(ほりお・けんすけ)
兵庫県姫路市出身。1996年8月12日生まれ。183センチ、61キロ。姫路市立大白書中学校、須磨学園高校を経て、現在は中央大学経済学部4年。中学の後輩には中島怜利選手(東海大学)がいる。2019年4月からはトヨタ自動車に所属し、競技を続けていく予定。