「自分たちはくそったれのシーズンを過ごしている」 1週間のうちに、アヤックスに敗れてチャンピオンズリーグ(CL)4連覇を…

「自分たちはくそったれのシーズンを過ごしている」

 1週間のうちに、アヤックスに敗れてチャンピオンズリーグ(CL)4連覇を逃しただけでなく、スペイン国王杯に敗れ、リーガ・エスパニョーラも、数字上は可能性が残されているだけで、現実的には逆転がほぼ不可能になったレアル・マドリード。悪夢のような時を過ごしているその現状を、ダニエル・カルバハルはアヤックス戦後のフラッシュインタビューでそう表現していた。



週明けにも解任が発表されるものとみられるサンティアゴ・ソラーリ監督(レアル・マドリード)

 普通のチームであれば、無冠で終わるのはよくあることであり、たとえ優勝しなくても、優勝争いを繰り広げたことで高い評価が与えられるだろう。だが、常に勝利を求められるレアル・マドリードは、優勝争いではなく、優勝をしなければいけないのだ。

 今シーズンのレアル・マドリードは、昨年までチームを文字どおりゴールでチームを牽引していたクリスティアーノ・ロナウドが退団し、得点力の低下を危惧する声が大きかった。しかも、突出したカリスマ性でチームを指揮していたジネディーヌ・ジダンも監督を辞任。ジダンは「勝ち続けるためには変化が必要だ」と、まるで沈む船から逃げるネズミのように、チームが落ち込んでいくことを予想していた。

 その予想が現実となるのに時間はかからなかった。

 夏の移籍市場で獲得した目玉はティボー・クルトワだった。補強の優先順位が高くはなかったGKで、優先事項であったはずのFWの補強は、すでにシーズンが始まっていた8月終盤にマリアーノ・ディアスをリヨンから買い戻しただけだった。その後は生え抜きの選手もケガを重ねて、ロナウドの穴埋めをするどころかチームの戦力となることすらできずに終わる。

 チームは公式戦496分無得点というクラブの無得点記録を更新。バルセロナに大敗したことで監督フレン・ロペテギを更迭する。

 後を継いだサンティアゴ・ソラーリは、就任直後こそ勝利を重ねていたが、CLグループリーグのCSKAモスクワ戦でまさかの無得点敗戦。このアルゼンチン人監督は、得点力不足を解決できないだけでなく、イスコやマルセロといった昨シーズンまでのチームの主力を先発から外したことから、メディアを騒がせた。ロッカールームをうまくまとめ切れていないという批判は高まる一方で、主力に多くの負傷者が出たことも追い討ちをかけた。

 多くの問題を抱えていたソラーリのチームだが、何よりも不安定な戦いをしていたことが大きく、その不安定さは、シーズンのもっとも重要な時期に顔を出した。

 リーガが再開した1月、首位バルセロナとの勝ち点差を縮めるチャンスがあったにもかかわらず、失敗。2月に入ると調子を取り戻し、シーズン終盤に向けて期待を抱かせたが、バルセロナとの2連戦、そしてCLアヤックス戦と続く大一番を前に、ホームでジローナに敗れてしまう。ここからアヤックス戦まで、サンティアゴ・ベルナベウでまさかのホーム4連敗という不名誉な結果を残すことになった。

 シーズン終了まで3カ月を残し、無冠で終わるチームにとって必要なのは冷静さだが、アヤックス戦敗退後も騒動は続いている。

 フロレンティーノ・ペレス会長とセルヒオ・ラモスが試合後のロッカールームで口論したことが明らかにされた7日、チームの首脳陣が集まり、ソラーリ監督の更迭を話し合った。

 チームはジダンの復帰を望んだものの、フランス人監督が要請を受け入れなかったことから結論は出ず、3月10日のバジャドリード戦終了まではソラーリが監督を務め、11日の月曜日に新たな監督が発表されるということになった。

 ジダンがオファーを受けなかったことから、現時点ではジョゼ・モウリーニョの名が監督候補の1番手として挙がっている。だが、モウリーニョが就任しても、レアル・マドリードに問題がなくなることはないだろう。

 最初に持ち上がるのが、モウリーニョとセルヒオ・ラモスの関係という問題だ。ソラーリが監督に就任した後も、次期監督としてモウリーニョの名前はたびたび挙がっていたが、両者の関係は決して友好的なものではない。モウリーニョが就任するならチームを退団するだろうという報道も出たほどだ。

 そして誰が監督になろうとも、言われているのが来夏の移籍市場でチームが大刷新されるということだ。放出候補には、CL3連覇達成の立役者であるガレス・ベイルをはじめ、イスコなども挙げられている。レアル・マドリードが何よりも必要としている落ち着いた雰囲気は、ビッグクラブの宿命とはいえ、しばらくは望めそうもない。