専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第195回 先日、沖縄にゴルフをしに行ってすこぶる楽しかったので、その報告がてら「人はなぜリゾートに行くのか?」を、真剣に考察してみたいと思います。 私が沖縄に行ったときは、今…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第195回

 先日、沖縄にゴルフをしに行ってすこぶる楽しかったので、その報告がてら「人はなぜリゾートに行くのか?」を、真剣に考察してみたいと思います。

 私が沖縄に行ったときは、今年最後の寒波が来ていたときで、都心では雪が舞っていました。ぶるぶる振るえながら空港に向かいましたが、飛行機のシートに着席するや、もう気分は南国です。

 やはりリゾートゴルフの魅力はなんと言っても、これです。

(1)トリップ感が半端ない
 夏は涼しいところ、そして冬は当然暖かいところに行きたくなるのですが、今回も飛行機に乗って、CAさんが沖縄ガイドのパンフレットを配っているあたりから、気分的には「あ~、すでに心の中は沖縄なんだ」と実感させられます。

 いったん飛行機のシートに座れば、こっちのもの。そこからバケーションは始まり、そして沖縄ツアーの開始となるのです。




飛行機のシートに座った瞬間、すでに気分は沖縄!(写真は沖縄の『カヌチャリゾート』以下同)

(2)完全に仕事をオフで、脳内リフレッシュ
 同じゴルフでも、休日を使って2連チャンのラウンドをしたとしても、家に帰れば、仕事のメールが来ていてそれを処理したり、家族サービスをしたりと、日常が待っているじゃないですか。さらに、たまった書類があったりすると、それはそれで夜はせわしないものです。

 けど、リゾートに来れば、気候がまるで違って、周囲の景色もいつも見ている商店街とは雲泥の差です。その絶景のなかにいるだけで、気分は高揚し、心が癒されます。

 流れる空気や時間も全然違うので、ここはもう、割り切って仕事放棄です。過去に何回かノートパソコンを持っていったり、機内で原稿を書いたりしましたが、今ではそうしたことは皆無です。

 そういうことをしたくないから、旅の前後には仕事を詰めてがんばるわけです。その代わり、リゾートでは何もしません。目いっぱい、そこでの快適な時間を満喫します。



こんな環境に来たら、仕事なんてやってられません

 ちなみに、今回一緒に沖縄の『カヌチャリゾート』に行った漫画『風の大地』(小学館)で有名な巨匠、かざま鋭二先生はどこぞの漫画賞の選考委員をなさっていて、行きの機内でもその資料を読みまくっておられました。

 ただ、こちらが「大変ですねぇ」と声をかけた途端、先生のお喋りは止まらず、ふたりの会話も弾んで、持ち込んできた仕事は中断。やがて、先生も喋り疲れて、機内でお休みになっておりました。

 無論、現地でも仕事は手つかずで、帰りのフライトでようやく先生は資料を再び読み始めましたが、時すでに遅く、30分ほど資料を読んでまたも就寝。お気持ち、お察しします……。

 リゾートでは、なかなか仕事モードにはなれないものです。そのムードのなか、だんだん思考能力が低下してきて、頭の中は子どもみたいになっていきます。そこにアルコールが加わって、こちらはいい塩梅に脳内リフレッシュができました。




美味しい料理に舌鼓を打って、お酒もドンドンすすんじゃいます

(3)俗世間を忘れられる
 通常、リゾートに来させていただくと、その写真を自身のSNSなどで発信したりして、そうした状況にいられることを、お礼がてら各方面にそこはかとなくアピールするのがお約束です。

 けど、今回の沖縄旅行では、完全に思考が止まってしまいました。写真は1枚も撮っていません。

 大好きなスポーツ新聞も読まなかったし、ネットニュースも無視。しまいには、毎週見ていた大河ドラマ『いだてん』(NHK)まで見逃してしまいました。視聴率が今ひとつらしいので、「まあ、いいか」って感じですが……。

 いやほんと、ゴルフとお酒と、何もしないこと。これだけで、十分ヘブン! ですわぁ~。




何もしなくても、十分にヘブン!

(4)人生の励みとしてのリゾート
 若い女性が自分へのご褒美として、フランス料理を食べたとか、高いバッグを買ったとか、微笑ましいことをしますよね。これ、オッサンがやると、非常に見苦しいものとなります。

 たとえば、仕事をがんばったからって、ドイツの高級車を買えば、周りがやっかむだけです。SNSにアップしただけで、敵が100人ぐらい増えます。

 だからといって、どこぞのエキサイトな店に行って本音で迫ろうとしても、今のご時世、そこの女性たちから袋叩きにあうだけでしょう。結局、どこにも発信できません。

 ゆえに、リゾートに行ってリフレッシュするのが、一番世の中が丸く収まります。しかも、ハワイなどの海外高級リゾートに行くと、またやっかみ野郎が騒ぎますから、ちょうど予算的にも沖縄がナイスポジションです。

 そうそう、最近はハワイと沖縄の来島客の数が逆転して、沖縄に来る人のほうが多いそうです。




思い出深いラウンドになること、間違いなし!

(5)満足度が高い
 リゾートツアーは料金が高いと思うでしょうが、満足度も相当高いっす。つまり、家から車で行けるコースに10回行くなら、たった1回でいいから沖縄に行け、と思います。

 過去10回の自らのラウンドを振り返ってみてください。ほとんど覚えていないでしょ?

 たとえ思い出しても、いつものメンバーと、いつものコースで、たまにコンペ、または月例……。そうやって、月日は流れていくのです。

 だったら、沖縄や宮古島、宮崎あたりのリゾートに行って、2泊3日ラウンドでもしましょうよ。予算は通常の5~6ラウンド分かかりますが、それだけの非常に思い出深いツアーになるはずです。

 一度経験すれば、おそらく頭の中は「毎年沖縄に行けるように、仕事をがんばろう!」となります。もしそこで成功すれば、「飲み屋のあの娘を伴って沖縄に行けるようにしよう!」……って、それはちょっと余計でしたかね……。



一度行くと、また行きたくなってしまいます