日本ハムの清宮幸太郎内野手が4日、右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折と診断された。試合復帰までは約3カ月かかる見通し。開幕はもちろん、リハビリが長引けば前半戦の出場も難しくなる。 3日のDeNA戦でファウルを打った際に、右手首を再び痛めた。昨秋…

 日本ハムの清宮幸太郎内野手が4日、右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折と診断された。試合復帰までは約3カ月かかる見通し。開幕はもちろん、リハビリが長引けば前半戦の出場も難しくなる。

 3日のDeNA戦でファウルを打った際に、右手首を再び痛めた。昨秋のキャンプから違和感を訴え、状態は一進一退だった部位。オフはスイングをできるだけ自粛し、スロー調整からキャンプで状態を上げ、2日のDeNA戦では特大ホームランも放っていた。9、10日の侍ジャパン強化試合・メキシコ戦に初選出されていたが、辞退となった。

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歴代スラッガーの宿命?

 

 有鉤骨は小指の付け根にある骨。バットに接触する部分で、詰まったり、当たり損ねた際に、衝撃を受けて骨折に至ることがある。野球選手には多い怪我で、どんなタイプの打者にも起こり得るが、特に目立つのは長打力のある強打者の故障だ。

 過去に有鉤骨骨折を経験した選手を挙げても、長距離砲が並ぶ。

 1986年 巨人・原辰徳
 1988年 近鉄・金村義明
 1996年 近鉄・石井浩郎
 1996年 近鉄・中村紀洋
 2001年 巨人・二岡智宏
 2005年 西武・カブレラ
 2006年 西武・栗山巧
 2007年 ロッテ・今江敏晃
 2008年 日本ハム・中田翔
 2010年 ソフトバンク・松田宣浩
 2013年 ヤクルト・畠山和洋
 2017年 ヤクルト・雄平
 2018年 中日・モヤ

「バッター原辰徳はこの骨折で終わりました」

 グリップエンドに小指をかけるなど、バットを長く持つことが、有鉤骨骨折のリスクを上げてしまう。スラッガーの宿命とも言える職業病の一つだ。

 その後も違和感が消えず、「バッター原辰徳はこの骨折で終わりました」とまで話した原辰徳。復帰後も再手術を繰り返した中村紀洋ら、後遺症に悩まされた選手もかつては多かった。リハビリには細心の注意が必要だろう。

 もっとも医学や理学療法は進歩している。骨片除去の傷口の入れ方や縫合術なども、一昔前とは違う。今日では選手生命を奪うような怪我ではなく、たいていの選手は完治させて復帰できるという見方が多い。

 清宮は5日に折れた骨片を摘出する手術を受けた。退院後は2軍本拠地の鎌ケ谷スタジアムでリハビリを始める。強打ゆえの宿命で負った傷をまずは癒やし、よりたくましさを増して帰ってきてほしい。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]