相性の悪い富山に連勝し、好スタート

先週末、アルバルク東京は富山グラウジーズをホームに迎えた。田中大貴は「ウチはインサイドをゴリゴリやってくるチームが苦手。間違いなくタフなゲームになるとは思っていました」と、重量級センターのジョシュア・スミスを擁する富山に対して相性の悪さを感じていた。

実際、第1戦ではスミスのインサイドを軸に宇都直輝のランニングプレーやレオ・ライオンズのポストアップを止められず、最大で14点のビハインドを背負うなど、終始劣勢を強いられた。

「フリーな状態で打つチャンスがあったにもかかわらず、決めることができませんでした。流れに乗れなかったのは自分に責任があります」と、田中は自分を戒めた。それでも、「後半は開き直って、空いたら打ち続けようと思いましたし、焦りはなかったです。『自分が、自分が』ではなく、空いてる選手にパスをさばいていきました」と、アンセルフィッシュかつ良い状況判断でプレーし続けた。その結果、14得点7アシストを記録し、逆転勝利を呼び込む活躍を見せた。

第2戦は前日の反省を生かし、第1クォーターからエンジン全開で7得点3アシストを記録。その後も攻守で違いを見せ、連勝に貢献した。

「みんなに納得してもらえるようなプレーを」

苦しみながらも連勝スタートを飾ったA東京には、田中、馬場雄大、竹内譲次の3人の代表選手が所属している。もちろん単純な能力を考えれば、代表選手が多いチームが強いと考えられる。しかし、特に今シーズンに関しては、シーズン中も頻繁に代表活動に駆り出されるデメリットは無視できない。田中も「チームで練習できないのはマイナスでしかない」と主張する。

「ヘッドコーチもこのブレイクでチームを作り直したかったと思います。でも、自分たちはいなかったので、難しいシチュエーションではありました」

中断期間中もほとんど休みなく活動していたことで、疲労の蓄積は否めない。それでも田中は、日本のバスケットボールを代表する選手としての自覚とプライドを持ち、A東京でのプレーにも妥協はしない。「みんなの代表として向こうに行っています。帰ってきて情けないプレーはできないですし、みんなに納得してもらえるようなプレーをしなきゃいけないと思っています」

そんな田中の意欲の高まりに呼応するように、日本のバスケ人気も過熱している。中断期間明けの週末の観客動員が伸び、B1の18試合中15試合で会場が満員となったことでも明らかだ。

田中は「リーグがもう一週遅れたりして、街を出歩く時間があれば声をかけられるかなと思いますが、誰とも会わないので(笑)」と、冗談交じりに語りつつも、「試合会場で『おめでとう』と言ってくれますし、お祝いの言葉はもらったりしています」と、ワールドカップ出場効果を実感しているようだ。

A東京はワイルドカードでのチャンピオンシップ出場はほぼ手中に収めている。あとは、どの順位でチャンピオンシップに臨むかだ。代表活動が落ち着いたことで、ようやくチーム練習に本腰が入れられるだろう。田中のタフなシーズンはもうしばらく続く。