倉野コーチは「自分の力を取り戻すことが優先」 ソフトバンクは4日、ヤフオクドームで投手練習を行った。ひと足早く練習を終え…
倉野コーチは「自分の力を取り戻すことが優先」
ソフトバンクは4日、ヤフオクドームで投手練習を行った。ひと足早く練習を終えたサファテが、記者に囲まれておよそ8分間の独演会を開いた。
サファテは、まず現在の調子について「宮崎で投げた時よりも良くなっているし、調子も上がっている。早く試合で投げたいよ」と語った。しかし、6日の西武戦で予定されていた登板は回避することが決まった。
「すごく調子が良くて、逆に張り切りすぎるからね。筑後で味方相手に投げてから次の巨人戦あたりで投げられたらと思っている。倉野さんも手術明けだから時間をかけてしっかりやっていこうと言ってくれている。去年はオープン戦で6、7試合くらい投げたけど、それは投げすぎだと思う。3試合くらいで十分だよ。ブルペンでも何度か投げているしね」
倉野信次投手コーチは登板回避について「良くはなっているがまだ波がある。1試合減ることはそんなに大きな問題ではない。彼の場合は自分の球を取り戻せるかどうかだけ。それができれば高い確率で抑える投手。試合で投げることより、自分の力を取り戻すことを優先させたい」とした。その思いはサファテ自身にもしっかり伝わっているようだ。
宮崎に来た時点で去年から10キロ減っていた体重もすでに3キロ戻ったという。何よりも宮崎から福岡に戻ったことが気持ち的にも大きいようだ。
「宮崎ももちろんいいけど、福岡に戻ってファンの皆さんにも会えたし、ビジョンも大きくなったし、自宅でくつろげるからね。(報道陣の)みんなも1か月宮崎にいて早く帰りたかったでしょ?」
攝津の引退セレモニーに「自分もいつかは」
これまでと同様に、今季もブルペンリーダーとしての役割は大きい。10日に宮崎春季キャンプに合流して以来、サファテは今季のブルペン陣をどう見ているのか。
「若い投手が増えて、自分も若くいられるよ。森は少しデブになったね(笑)。甲斐野はすごくいいものを持っていると思う。ただオープン戦でどれだけよくやっていても、シーズンが始まれば変わってくることもあるから、しっかり準備してほしいね。嘉弥真も自分の課題にしっかり取り組んでいるし、(岩嵜)翔や石川や加治屋は(1軍から)離れているけど、しっかり戻ってきてくれると思っているよ」
一番仲がいい森唯斗のことを真っ先にディスったが、森の調整が順調だと認めているからこそ。直後にはきちんとフォローした。
「すごくコンディションはいいと思うし、ここまでそんなに投げすぎていないので自分のペースで調整できていると思う。連続して試合数も多いので、しっかり肩のケアをして投げてくれたらと思うよ」
最後に2日に引退セレモニーを行った攝津正氏について次のように語った。
「攝津は内向的なところもあって最初の1、2年はあまりしゃべることもなかったけど、その後は一緒に釣りに行ったりするようになった。彼の存在は本当に大きなものだったし、すごくいい球を投げる投手だった。最後の方はベストのパフォーマンスはできなくても、それでも恐れずに打者に向かっていっていた。そういう姿勢はすごく参考になったよ。引退セレモニーを見て、自分も数年後にはこういう立場になるんだと思った。それまではしっかりと楽しんで野球人生を送りたいなと思っている」
手術した股関節への負担を考えれば、昨年と同じ体重に戻すことがベストとは限らないだろう。その中で、いかに“サファテ本来の球”を取り戻していくのか。首脳陣も慎重に様子を見ながら調整を続けさせることになりそうだ。(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)