2019年Jリーグ開幕特集「ヴィッセル神戸が面白い」(4)FWダビド・ビジャ インタビュー(1)山口蛍インタビューは…
2019年Jリーグ開幕特集
「ヴィッセル神戸が面白い」(4)
FWダビド・ビジャ インタビュー
(1)山口蛍インタビューはこちら>>
(2) 藤谷壮インタビューはこちら>>
(3)西大伍インタビューはこちら>>
今季Jリーグでもっとも注目集めているヴィッセル神戸のインタビュー特集。第4回は、かつて名門バルセロナやスペイン代表で活躍し、欧州王者やW杯制覇などチームのタイトル奪取に大いに貢献してきたダビド・ビジャ。今季、鳴り物入りで加入したワールドクラスの点取り屋がJリーグの舞台で目指すものは何なのか、話を聞いた――。

ヴィッセルのタイトル奪取へ、ビジャの活躍は欠かせない
――2月22日には、セレッソ大阪とのJ1リーグ開幕戦を戦いました。初めてのJの舞台は楽しめましたか。
「僕たちはこの日を迎えるにあたって、たくさんの時間を費やし、準備をしてきました。それだけに、すばらしい雰囲気でプレーできた事実をとてもうれしく感じました。結果としては、うまくいかなかったこともあり、僕たちが望んでいた勝利をつかむことはできませんでしたが、この先も自分たちのサッカーを貫くことで、必ず目標にたどりつけると信じています」
――ボールを支配し、攻撃チャンスは作りましたが、結果的にゴールは生まれませんでした。何が足りなかったと思いますか。
「確かに僕たちは、多くの時間ゲームをコントロールしながらプレーすることができました。前半はとくに多くのチャンスを作り出せましたが、我々はそのチャンスをゴールにつなげられず、相手チームはセットプレーからチャンスを作り、ゴールを奪いました。
結果、我々は敗者となりましたが、クラブとしてのアイデンティティーや我々が取り組む姿勢は、決して恥ずべきものではありません。ポジティブな要素を次の試合に向けてしっかり生かしていきたいと思います」
――後半は、とくに相手に引かれて守備を固められたなかで、思うように好機を見出せませんでした。チームとして、相手の堅守を打ち破るために必要だと感じたことがあれば教えてください。
「単純にポジショニングやマークを外す動きの質も追求しなければいけないし、相手に対して焦(じ)れることなく、僕たちがチャレンジしている”ゲームをコントロールすること”を前提としたサッカーをやり続けることも必要だと思います。そして、早い時間に得点を奪うこと。それによって、ゲームの中で変化することはたくさんあるはずなので、そこは狙っていきたいです」
――クラブからは「J1でふた桁得点」を狙える選手として、ビジャ選手に白羽の矢を立てたと聞いています。”ゴール”という部分で目標にしている数字はありますか。
「もちろん、より多く(得点を)取れるに越したことはないですが、サッカーは個人でするものではなく、チームスポーツです。そういう意味では自分が何点決めるかより、ヴィッセル神戸が目標を達成するために必要なゴールをできるだけたくさん決めたいと思っています」
――FWとして常日頃から意識していることがあれば教えてください。
「普段から常にいいトレーニングをして、いい状態を保ち、集中を欠かさないこと。それによって、常にチャンスを逃さない自分であることを意識しています。
FWというのは、DFからチームが組み立て、運んできたボールをゴールに結実する役割を任されているポジションです。だからこそ、仲間が運んできてくれたボールが無駄にならないように、常に集中力を保っておかなければいけないし、練習でも、試合でも、常にそういった状態を自分に作り出しておけるかが、ゴール数にも影響を与えると思っています」
――これまでのサッカー人生では、常に周囲からの多くの期待を受けてこられました。それをプレッシャーに感じることはなかったですか。
「この世界にプレッシャーはつきものですが、プレッシャーが大きいほど、サッカー選手としていいステージでプレーできていることの証明でもありますからね。だからこそ、常にそのプレッシャーとうまく付き合うことを……いや、プレッシャーというより、責任を背負ってプレーすることを、サッカー選手としてとても幸せに感じています」
――ビジャ選手にとって初めての海外移籍となったニューヨーク・シティ(アメリカ)でのキャリアは、日本での新たな挑戦をするうえで役立っていますか。
「僕に限らず、人はいろんな経験を糧にして人生を送るものですが、ニューヨーク・シティのプロジェクトに関われたことは、僕にとってファンタスティックな経験であり、とても有意義な時間でした。アメリカのMLS(メジャーリーグサッカー)はサッカーのレベルにおいても、マーケットとしても成長を続けています。世界的なビッグプレーヤーの獲得は、その成長にひと役買っていると言えるでしょう。
その舞台に身を置いて多くを感じられたことを含め、僕はアメリカの地で公私にわたり、とても充実した4年間を過ごすことができました。と同時に、その経験は間違いなく日本でのキャリアにも生かされるはずです。加えて、アメリカでは経験できなかったことを、この日本で経験できるかもしれないという期待もあります。
実際、開幕前に行なったアメリカツアーは、Jクラブとして初めてのチャレンジだったと聞いていますが、そうして新しいことに挑戦しようとする姿勢は、私にも大きな刺激を与えてくれていますし、このクラブの一員として、さまざまなプロジェクトに関わっていけることがとても楽しみです」
――来日して、一番インパクトを受けたことは何ですか?
「そうした分析をするには、もう少し時間が必要だと思います。今はまだ、家のことや子どもの学校のための準備、買い物で忙しく、日本という国をあまり体感できていないからです。もちろん、これから先はそうした時間も見出していくつもりですが、今はまだアンドレス(・イニエスタ)のファミリーと一緒にユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったくらいで、”日本”を感じられる場所には行けていません。
ただ、僕はもともとお寿司のファンで、何年もお寿司を食べ続けてきたし、来日後も毎日のようにお寿司を食べていたので、日本の食生活にはすぐに適応できました(笑)」
――ちなみにお箸は使えますか?
「お寿司を食べるときは、もちろんお箸も使います。だけど、それ以外のものを食べるときは、フォークとナイフのほうが楽ですね(笑)」
――名前が挙がったイニエスタ選手と同じ所属チームでプレーするのは、スペインのバルセロナ(2010年~2013年)以来です。久しぶりに一緒にボールを蹴って、何か変化は感じましたか?
「とくに驚きはありません。彼は相変わらず高い質を備えた、すばらしいプレーヤーで、日々、同じチームでボールを蹴れることを楽しめています」
――この先のキャリアを考えることはありますか?
「引退がいつになるか、ということを含め、僕はあまり先のことを考えたことがありません。この先もサッカーに関わって生きていくことになるはずですが、過去を振り返ることも、遠い先の未来を想像することもほぼない。頭にあるのは、いつも目の前のことにひたすら、ひたむきに取り組むことだけです。これは、僕のサッカー選手としての信念にも通じるものです。
どの国でプレーするのか、どのユニフォームを着ているのかに関係なく、また、そこでどういう結果を出せたのか、自分のプレーがどれだけチームに貢献できたのかとは別に、まずは自分が目の前の試合において、持ちうる力をすべて発揮できたのかを、常に自分に問いかけています。その信念は、今回のヴィッセルでのチャレンジにおいても変わりません。どんなときも最大限の力を発揮する自分であり続けたいと思います」
――3月2日にはホーム開幕戦でサガン鳥栖を迎えます。フェルナンド・トーレス選手との対戦を楽しみにしているファンの方も多いと思います。
「僕もとても楽しみです。トーレスはスペイン代表時代のチームメイトでいろんな時間を一緒に過ごしてきました。素晴らしい選手であることも十分に理解しています。また、チームとしても我々に対していろんな対策を練ってくることでしょう。
だからこそ、開幕戦と同様に、難しい試合になるはずですが、僕は自分たちのチームに自信を持っています。このクラブを高みに押し上げ、クラブが掲げる目標を勝ち取るために、全力を尽くして戦います。スタジアムで会いましょう」