香川大会ベスト4最後の椅子を巡ってセンバツ準優勝・20年ぶり20回目の夏甲子園出場を目指す高松商と3年ぶり5度目の夏制覇を期す丸亀が激突した準々決勝。■4強が出揃った香川大会 香川大会ベスト4最後の椅子を巡ってセンバツ準優勝・20年ぶり20…

香川大会ベスト4最後の椅子を巡ってセンバツ準優勝・20年ぶり20回目の夏甲子園出場を目指す高松商と3年ぶり5度目の夏制覇を期す丸亀が激突した準々決勝。

■4強が出揃った香川大会

 香川大会ベスト4最後の椅子を巡ってセンバツ準優勝・20年ぶり20回目の夏甲子園出場を目指す高松商と3年ぶり5度目の夏制覇を期す丸亀が激突した準々決勝。22日に行われた試合の結果は、高松商が香川県営野球場(レクザムスタジアム)の青空に82分間で5発の大花火を打ち上げ、15安打16得点。戦後から換算して2年連続46度目となるベスト4進出を決めた。

 先陣を切ったのは1回表2死一塁で打席に立った4番の植田響介(3年)である。1ボール1ストライクから丸亀先発左腕・東条拓哉(3年)の真ん中外よりストレートを捉えた彼の打球は追い風にも乗り、右中間最深部の芝生席に到達した。

 自身高校通算21号、大会11号の2ランで一気に主導権を握ると、続く2回表、4点を加えた後の1死二、三塁でもインコースのストレートにバットを払うように出す技ありスイングでレフト芝生席へ2打席連続となる3ラン。9-0と試合を完全に決めた。

 この快挙に高松商打撃陣は全員で続いた。3回表には丸亀2番手・戸城凌(3年)に対し、1死二、三塁から1番・安西翼(3年)が右翼ポール際芝生席に高々と運ぶ高校通算9本目となる3ラン。さらに3番・米麦圭造主将(3年)も3回戦の四国学院大香川西戦に続く2試合連続・高校通算17本目のソロアーチをバックスクリーン左へ。この回も4得点。4回にも2死走者なしから得点を奪うソツのない攻めを見せた。

■大会史上初1試合3本塁打の大偉業

 そして締めはやはりこの男。5回表1死二塁から植田が放った打球はどよめきの中、ライト芝生席へ。あの、怪童・中西太氏(高松第一~西鉄ライオンズ)や、読売巨人軍の4番も務めた大森剛氏(高松商~慶應義塾大)、尽誠学園のスラッガー谷佳知氏(大阪商業大~三菱自動車岡崎~オリックス・バファローズなど)でも成し遂げたことのない大会史上初1試合3本塁打の大偉業は、高松商の絶対的4番によって成し遂げられた。

 守っても先発の大熊達也(3年)以下の3投手が4安打無失点リレー。安西、米麦圭造、米麦波留(1年)のリレーで右中間二塁打を三塁で封殺。さらに走っても盗塁も3個を決めるなど、16-0で5回コールド勝ち。高松商はほぼ盤石の状態で準決勝を迎えることになった。

 甲子園初出場をつかむべく「打倒・高松商」・「奪進塁」を明確に掲げ、日々の練習に取り組んできた大手前高松との戦いは、四国高校野球の2016年トレンドをも決する一大決戦となる。

(記事提供:高校野球ドットコム)

寺下友徳●文