ポール・ジョージとのタッグ結成2年目の変化

今シーズンも平均トリプル・ダブル(平均21.7得点、11.2リバウンド、11.2アシスト)という離れ業をやってのけているサンダーのラッセル・ウェストブルック。だが、チーム全体の攻撃を負担した率を表す『ユーセージ・レート』は、2年目以降もっとも低い30.1%にとどまっている。それでもサンダーが西カンファレンス3位をキープできている一番の理由は、ウェストブルックの相棒、ポール・ジョージの存在が大きい。

ジョージは、今シーズン自己ベストとなる平均28.7得点、8.0リバウンドを記録し、シーズンMVP候補にも挙げられている。ウェストブルックのプレーからは、ジョージに絶大な信頼を寄せているのが伝わってくるほど。それ以上に、彼の中では昨シーズンと比べて意識も変化したのかもしれない。その違いに気づいたジャズのドノバン・ミッチェルは、ウェストブルックがドウェイン・ウェイドと同じアプローチを取ったと考えている。

2月22日のサンダー戦前、ミッチェルは、ウェストブルックの変化について、こう語った。

「最大の違いは、彼がレブロン・ジェームズと組んでいた時のドウェイン・ウェイドのようなやり方をしていること。多くを譲って、任せている。彼は、そういうことができる選手。プレーを見れば分かる」

ミッチェルの言う『ウェイド式アプローチ』とは、レブロンとウェイドがヒートでタッグを組んだ2年目のことを指している。2010年のオフにレブロン、ウェイド、クリス・ボッシュがヒートに集結し、周囲は結成1年目からの優勝を予想。だが、1年目はNBAファイナルでマーベリックスに敗れた。結成2年目からウェイドはレブロンにチームを引っ張るように伝え、彼らは2011-12シーズンから2連覇を達成した。ミッチェルは、今シーズンのウェストブルックから同様の変化が見られる、と続けた。

「これまでは、彼の能力に懐疑的な味方をする意見が多かった。それだけ彼がボールを保持していたから。でも今は、リーダーとして、選手として、オフ・ザ・ボールでのプレーもこなせることを証明している」

今シーズンのウェストブルックは、アシストでキャリアハイを記録。『ウェイド式アプローチ』により、『友情タッグ』がどこまで進化を遂げるのかに注目したい。