2月7日のキックオフをもって新生ラクロス部が始動した。2019年、女子ラクロスは大幅なルール改正が施行され、競技として節目の年を迎える。慶大は新たな時代の「先駆者」となれるよう、“LEAD OFF”をスローガンに掲げ、悲願の全国制覇を目指…

 2月7日のキックオフをもって新生ラクロス部が始動した。2019年、女子ラクロスは大幅なルール改正が施行され、競技として節目の年を迎える。慶大は新たな時代の「先駆者」となれるよう、“LEAD OFF”をスローガンに掲げ、悲願の全国制覇を目指す。新チームを率いるのは荒井理沙主将(新経4・慶應女子)と西村佳子副将(新政4・東京女学館)の2人。今回は新幹部のお2人にまだキックオフを迎えてから日の浅い新チームについてお話をうかがった。

 (取材日:2月8日)

――いよいよ‘19シーズンが始まりました。キックオフ(2月7日)を迎えられるまでの期間はどのように過ごされましたか

荒井:新4年で毎日学年ミーティングを重ねていました。スローガンもロゴも全部自分たちで一から決めているので。

――あまりリフレッシュ期間という雰囲気ではなかったのですね

西村:テストがある人は、ひたすらテストとミーティングを繰り返していました(笑)。テストのない人はミーティングのない日、みんなが勉強している間にちょっと出かけたり…。でも、基本的にはずっと新しいチームに向けてのことを考える時間でした。

――先ほど新チームでの初練習を終えられたそうですが、いかがでしたか

荒井:私すごい楽しかった。

西村:結構良かったよね。

荒井:練習場所がなくて全員いっぺんに練習することができないので、サブチームが先にやって、トップチームがその後にやるみたいに時間を分けてやる形になってしまったのは残念でした。でも、良い感じだったよね。

西村:うん。あと、今年から外国人のコーチ(Hannah Wszalekコーチ)も正式に依頼していて、そのコーチも今日来てくださって楽しかったです。

荒井新しいアメリカの技術を教えてくれるので。

――みなさんは英語で会話されるのですか

2人:そうですね。

西村:でも、ボディーランゲージを使っています。シュートの合図とかもわかりやすいので。

荒井片言でも聞いてくれるんですよ。私すごく英語できないんですけど(笑)。今日パスキャッチのフォームを教えてもらうときも、意思疎通はできたかなって。私の片言の英語に付き合ってくれる優しい方です。

(私たちは)結構似ているけど似ていない(荒井)

――早速新主将と新副将についての質問に移りますが、まずお2人はどのような経緯で主将と副将に就任されたのですか

荒井:毎年、各学年で話し合って決めています。

西村「主将は私!」みたいな人がいない学年なので、誰が主将になるかはなかなか決まらなくて…。まずは幹部になる人たちを絞り込むところから始まりました。その話し合いを進める中で、私とあらりさ(荒井)のどっちかがいいんじゃないかという話になって。

荒井自分たちで言うのも何だけど、(私たちは)結構似ているけど似ていないみたいな。共通の良いところがあって、プラス2人の違う良いところがあるから比較できないってなってね。

西村決め手は、私は主将じゃなくて他の役割でもできるけど、あらりさは主将じゃないか、というところでした。

荒井色々話した上で、佳子の良いところは主将でも副将でもどっちでも活かせるという結論になりました。なんか、難しかったよね(笑)。

西村半分半分みたいなので、本当に話し合いを重ねた結果という感じです。私は最初、副将になることは考えていなくて、自分は戦術を考える幹部か主将だと思っていたんですけど、話し合いを重ねるにつれて私の中で副将というポジションもやりたいと思えるようになったので、それは1つまた成長できたかなと思えます。

――自分が幹部になるという予想はしていましたか

2人:幹部にはなるな、と(笑)。

西村あらりさがずっとキャプテンキャラだったので

荒井(慶應)女子高のときもキャプテンをやっていたから、性格的にまとめたがりだし、それが苦ではないという感じだったので、そういうイメージもあったのかなと思います。話し合いの中で、個人のことも深掘りして、自分という人を知ったよね。

西村みんなそれぞれイメージはあるけど、「そのイメージだけで決めていいのか?」っていう話までしましたね。「イメージとはなんだ?」みたいな(笑)。

荒井すごく難しい話合いだったね(笑)。

――引継ぎ時に、友岡阿美(政4・慶應女子)前主将や小久保磨里奈(政4・慶應NY)前副将から何か言葉はありましたか

荒井引き継ぎとか全然ないんですよ。だから阿美さんに何かないですかって聞いたら、「頑張れ」って(笑)。

西村あの阿美さんの口調でね(笑)。

荒井:「頑張るしかない」って。

西村:まーぴさん(小久保)も何もない。「まあがんばれ~」って感じだった。

荒井:まあ結構こんな感じだよね。

西村:チームが終わるとスパっと。

荒井:良い意味でね、「未練残さず」という感じですね。

――大久保宜浩監督からは何か

荒井:何も言われてないよね?

西村:変におだてるようなタイプではないので。想定内です(笑)。

荒井:逆に責任を感じずにできるというか。主将や副将という立場ではあるけれど、主将だから頑張るとか、副将だから頑張るという感じではなくて、一部員に過ぎないし、そういう意味では重いプレッシャーみたいなものは感じていないです。

西村:わかる。良い環境ですね。

――就任が決まってから、何か意識し始めたことはありますか

西村:幹部を決めるときに自分の中で考えて覚悟を持っていたので、決まった後はやるだけだと思っています。


意気込みを語る荒井主将

荒井:同じですね。トップ幹部とサブ幹部が基本的に戦術面はやってくれるので、4年生として自分が一番楽しんでやっていたら、後輩もついて行きたいと思ってくれると考えています。今日の練習はすっごい楽しくて、後輩も楽しんでくれていたんじゃないかなと思うので、継続して1年間やっていけたら良いなと思います。「楽しくやれ」って言われました、阿美さんに(笑)。

西村:そうですね。あとはオン・オフをしっかりとやっていきたいですね。楽しくやるところと締めるところをしっかりと切り替えて。私たちは戦術に関わっていないので、その分練習を盛り上げる役割をきちんとできたら良いなと思います。楽しかったね、今日は確かに。

――お互いはどのような性格だと思いますか

西村:何だろう…。

荒井:感覚は一緒なんだよね。例えば、何かが起きて「あっ」と思うときに絶対に目が合うとか(笑)。「これやばいよね」と思う基準が一緒だから、話しやすいし、相談もできる存在です。ただ、私たちの差は何かというと、(西村は)結構元気で、(私は)結構冷めている感じ。まあバランスは取れているのかなと感じます。

西村:(荒井は)冷めているわけではないんですけど、そう言われるよね。

荒井:学年ミーティングでもそう言われたよね。だから、差と言えばそこだけど。

西村:でも割と似てはいるよね。

荒井:私は佳子になら何でも任せられます。

西村:お互いにそれはね。

荒井:仲良しみたい(笑)

西村:ラクロスが大好きっていう基盤があるから、そこに対する考え方も似ているのかなと思います。

――お2人はこんな主将、副将になりたいという理想像はありますか

荒井:今まで見てきた3個上2個上の主将はみんな強くて、「行くよ!」みたいな感じだったのに比べて、自分は引っ張るというよりもみんなで一緒に喜びたいというか。統率者ではないという点においては、この1年間を通して、もっとついて行きたいと思える主将になれたら良いなと思います。実際に阿美さんとか、佳代子さん(出原佳代子=H30経卒)、りっぴさん(渡邊ひかり=H29法卒)は、この人たちの背中を見ていたら自分も頑張れそうと思えるような主将だったので、みんなが頑張ろうと思えるような存在になりたいです。

西村:私も一度は「主将になる」、「この100人のチームの顔になる」と想像した分、自分の中である程度の覚悟というか、気持ちはあったので。その分副将って一歩後ろに引いて主将を支えるという役割だと思われがちだけど、もっと自分ができることを前面に発信していきたいし、あらりさに刺激を与えるぐらいの勢いを出していきたいと思っています。今までの副将の先輩方は良い意味で参考にしていないです。私たちらしく行きたいです。

荒井:また違った雰囲気があるもんね。

「お互い悔しい1年だった」(西村)

――続いて、昨シーズンの振り返りをしていただきたいのですが、お2人にとって昨年はどのような1年間でしたか

西村:昨年はけいさん(大沢かおり=経4・学芸大附属国際)という絶対的なゴーリーがいて、その2枚目としてシーズンインをして。私の中ではけいさんを抜かすぐらいの勢いやっていこうと思っていました。でも、春の早慶戦のメンバーに落ちてしまって。そのとき私は春幹部としてチームの勝利をすごく考えていたので、自分がその中にいるんだろうとどこかで勝手に思ってしまっていました。だから、落とされたときに絶望というか、「なんだろうこれ」という気持ちを味わいました。でもそこで吹っ切れたというか、もっと自由にやるようになりました。結果から言うとリーグにもあまり出ていなかったけど、ベンチには毎回出させてもらっている状況の中で、先輩の強さや覚悟を目の前で見て、「ゴーリーってこうあるべきなんだ」ということは自分の中ですごく感じました。けいさんを理想にはしたくないんですけど(笑)。プレーだけじゃなくて、チームの盛り上げ方とか、失点したときの雰囲気の上げ方を見ることができました。だからタフだったけど、自分の中で一番成長できた1年でした。

荒井:私のポジションはアタックで、12人制ラクロスのときはAT3枚、MF5枚、DF3枚、G1枚というのが大体スタメンの正式な形なんですけど、一昨年からずっとリーグに出続けている3枚のアタックの先輩たちの壁は厚すぎて。正直昨年のキックオフのときは、そこに入り込みたいけど「結局4枚目かな」と、「スタメンは無理だ」と思っていました。「4枚目でより早く使ってもらえるように頑張ろう」と、最初はそういう気持ちでした。でも、色々とチームの事情で早慶戦とかでもスタートに入れてもらえて、「アタックが4枚のうちに結果を残してずっと使ってもらえるような選手にならなきゃ」と思いながらやっていたんですけど、何となく試合に出られている感じが自分の中に生まれてしまっていて。それで外されてしまって…。それからは「試合に出たいから頑張る」ではなくて、「自分の技術を延ばそう」と思い始めました。試合途中で出してもらえたときは「絶対に爪痕を残して帰ってやろう」と思っていたし、そこは自分の中で成長だったかなと思います。結局関学戦ではフリーシュート打たなかったので、それはすごく後悔していますけど。

西村:お互い悔しい1年だったよね。

荒井:そうだね。

西村:燃えたね。

荒井:4年にスター選手が多くて、それに連れられている私たち、みたいな感じがあったので、「私がいなきゃこのチームは勝てない」とはどうしても思えなかったです。主体的にやらなきゃという気持ちは持ちつつも、どこかで頼ってしまっている部分がありました。

西村:本当にそうだよね。

荒井:去年はチームが全体的にそんな雰囲気でした。

西村:4年任せ感は強かったね。

――昨年の4年選手の存在はやはり大きいものでしたか

荒井:そうですね。

西村:目立つ選手が多かったので。でも、いなくなった今は私たちがやるしかないという気持ちが生まれました。だから大きな存在が抜けて、良い意味で全学年に主体性が生まれたので、そこは頑張ろうと思えます。

荒井:チーム全体が主体的にプレーできるようになるんじゃないかなと思います。

――‘18チームの最終戦となったNeO戦を振り返って

荒井:良い試合でした。NeOは一人一人の技量を比べても絶対に上の選手たちばかりだったし、それに対して結果的には負けてしまったけど、一局面では負けてない部分もたくさんあったし。日本代表レベルの選手がたくさんいるNeOに対して、代表クラスのいない学生チームがちゃんとゲームプランを考えたり、相手の特長を覚えてそれに合わせた練習をしたりすれば、ここまでできるんだということは感じました。

西村:うん、関学に負けてからの2週間で本当に変わったと思う。

荒井:それまでは何となく気が抜けたチーム状況ではあったし、負けてからは本当にこの世の終わりのような感じだったんですけど。

西村:毎日ラクロスのことを考えていたよね。

荒井:ちょっと下向きにはなったけど、上手く上がっていって、「NeO戦に勝てばまた日本一へのチャレンジができる」という一心であそこまで頑張れました。負けたことは悔しいけど。

西村:互角の戦いだったよね。最後まで勝てると思っていたし。

荒井:1点返して同点になったときに、社会人トレーナーの方がベンチに向かって涙目になりながら「行けるぞ、ここからだぞ!」と言っていたのを聞いて、「ああ、スポーツっていいな」と思いました。

西村:楽しかったよね。

荒井:うん、一番楽しい試合でした。

「一歩踏み出すのは怖いけど、慶應はそういうことを怖がらずにできる環境が整っているからこそ怖がらずに行こう」(荒井)

――次に、今年のチームについてお伺いします。チームスローガンは“LEAD OFF”ということですが、これにはどのような意味がありますか

荒井:まず、“LEAD OFF”という英語を日本語の意味にすると「先手を取る」とか、野球用語では「先頭打者」という意味があります。自分たちのチームが来年どうするかと考えたときに、今年からラクロスのルールが大幅に変わって、12人制から10人制になったり、試合形式も25分が2本から4Q制になったりして、どう戦うべきかの答えがない状況で。ラクロス界の変革のときでもあると思っているから、慶應は日本にラクロスを持ってきたということもあるし、“Pioneer’s pride”という精神を大事にしているからこそ、どこのチームよりもいち早く新しい外国の技術などを取り入れて、プレーでも相手に負けずに一歩でも早く先手を取ろうという意味を込めて、“LEAD OFF”になりました。これで大丈夫だった?

西村:もう完璧ですよ。

荒井:国際部があるということは慶應の強みだと思うので。

西村:このチームは英語を喋れる人がたくさんいて、海外のコネクションを持っている人もたくさんいるから。

荒井:プレー面だけじゃなくて、組織面でも立派な組織になりたいということは意識してやっているし、新しいことも一番に始めたいという思いがあります。今年はベトナムにラクロスを広めに行ったり、国内部であまりラクロスのメジャーでない地域へ行ってクリニックをしたりして、ラクロスを発展させる活動もしています。一歩踏み出すのは怖いけど、慶應はそういうことを怖がらずにできる環境が整っているからこそ怖がらずに行こう、先駆者となれ、という意味で“LEAD OFF”です。まとまったかな?

西村:うーん、何となく(笑)。

――スローガンはどのような形で決まりましたか

荒井:まずはどういう意味を込めたいかを出していって、それに似た言葉を選んでという感じです。

西村:でも、意味は私たちが考えていた通りのものが出てきたという感じでした。

荒井:その前までに色々と出ていたんですけど、決め手に欠けていて。でも、“LEAD OFF”が出てきた瞬間にね。

西村:「これだ!」ってなったね(笑)。

――目標は「一戦一勝」とうかがいました。昨年は「全戦全勝」でしたが、どのような違いがありますか

西村:今年「一戦一勝」にした理由は、ルール改正などで日本のラクロスの変革の時代が始まる年だということもあるし、私たちの学年のカラー的にも、一戦一戦をちゃんと向き合って、泥臭くでもいいから戦い抜こう、その先に日本一はあるんじゃないか、という考えに至ったからです。一戦一戦相手を研究して、真摯に向き合おうという意味があります。

荒井:意味的には「全戦勝利」と一緒です。でも、もっと真剣勝負をしようという思いを込めたくてこれにしました。

――‘18チームから引き継いでいきたい点と自分たちの代で新しく変えていきたい点はありますか

荒井:変えていきたい点としてはさっきも話した通り、4年生頼りの現状を変えていきたいです。10人制になってどんなことが強みになるかまだわからない状態なので、ただ歴の長い4年生に頼るんじゃなくて、全員がどんどん主体的にできるという点は去年から変えられるところなのかなと思います。

西村:今年は「ボーダレス」という言葉を掲げていて、学年の壁を取り払うことに専念しています。例えば、1年生が仕事をやるのが当たり前な環境はやめて、4年のやれることがあれば4年がやろうという考え方の下、色々な部則が変わったりしています。

荒井:受け継いでいきたいことは、やっぱり“Pioneer’s Pride”です。新しいことに挑戦した上で、「強い慶應」という今あるイメージを継続できるようにしていきたいです。

西村:4年生が私たちに見せてくれた背中を受け継いでいきたいよね。

――昨年の対談では新4年の代が「真面目」だという話が良く出ていましたが、最高学年のカラーはどのようなものですか

2人:真面目です(笑)。

荒井:真面目の結果が「一戦一勝」だよね。

西村:真面目、現実的。他の学年と比べるとやっぱり真面目だなと言われることも多いし、感じることも多いです。話し合いの仕方とか、意見の出し方も結構最後までちゃんと話し合うという感じで。適当な部分があまりないというか。

荒井:適当だとなんか嫌だよね。

西村:そわそわする(笑)。

荒井:心配性が多いんだよね。だからいっぱい話すし、ちゃんとみんなで決めることが多いです。でも1個下2個下は本当に自由で動物園みたいな感じですね。

西村:学年のカラー的に割と冷めているというか…。

荒井:クール?

西村:そう、クールな人が多くて、その分真面目みたいになっちゃっています。

荒井:みんな割と自分の心の中でメラっとしたものはあっても、それをうまく表現できないから、真面目なイメージがついちゃっているよね。

西村:そういう人が多すぎる(笑)。

荒井:集まってしまったね(笑)。真面目ってよりもクールなんだね。

西村:クールだけどみんな本当はラクロスが大好きで思っていることはあるから、もっと出せばいいのにと思うことはあります。

荒井:大人なのかもね。

西村:大人なんだね。

荒井:私たちは子供な方だけどね(笑)。

「今までのラクロスをやるんじゃなくて、自分たちで新しいラクロスを作る感じ」(西村)

――今年からいよいよ女子ラクロスに新ルールが適用されるそうですね。主な変更点と言えば、①12人制から10人制へ、②25分のハーフタイム制から15分の4Q制へなること以外は何かありますか

荒井:あと、今はボールがラインを越えたら笛の音で再開なんですけど、誰かがフィールド内でファウルされたときは、セルフスタートと言って、笛の音を待たずにファウルした人が離れたらすぐスタートしてよくなります。ファウルを受けた人のタイミングでスタートしてよくなるので、結構みんな戸惑っていますね。

西村大きく言えばそれくらいだよね。

荒井人数変更で言えば、最初のドローサークルの周りにいる人たちが2人いなくなるんです。元々4対4だったものが2対2になるので、ドローは重要になって来ると思います。ドローを取れればスペースも広いからブレイクに繋げて点も取れるけど、ドローが取れないと一生ポゼッションを相手に取られてしまうリスクもあります。どこの大学も今年はドローに力を入れていると思うので、そこでどうアドバンテージを取れるのかということが重要になってくると思います。

西村人数が減るのは衝撃的だったよね。

荒井こんなことがあっていいのかと思ったもん。

――ルール改正についてはどのくらい前から知らされていたのですか

2人結構最近ですね。

荒井去年の秋ぐらいに変わる説が出ていて、「それはやばーい」みたいな感じで話していたら、気づいたら本当に変わっちゃうんだって。

西村最後の年に新しくなるなんてね(笑)。

荒井まあでもリフレッシュだね。

西村追い風にしていこう。

――影響は大きいと感じますか

西村慶應が今まで強みにしていたことが、試合の中盤に相手を追いかけ回すライドだったんですけど、2人減ることでスペースが生まれてしまってライドがかけづらくなってしまいます。だから、今年は新しい強みを見つけていこうと頑張っています。

荒井一番の強みにしていた部分を生かせなくなってしまうので。

西村だから、より個に特化した年になると思います。一人一人のスティックワークなどを特化して、やれるプレーを増やそうとしています。だから、影響は大きいよね。でも良い意味でもあるから。

荒井個の強さとか走力はもちろん大事ですが、それはどこの大学も同じ。慶應としての強みをどこに当てていくのかということを今年は探しながら、色々と試しながら試合をやっていくと思います。

西村楽しいよね。

荒井:そうだね。

西村今までのラクロスをやるんじゃなくて、自分たちで新しいラクロスを作る感じなので、すごく面白いです。

荒井スポーツが変わった感じ。結果的に楽しいから良かったです(笑)。

――ルール改正に合わせた練習も開始されているのですか

荒井:そうですね。細かい技術に特化した日が増えていますね。

――3月にはオープン戦となる六大学戦が始まります。みなさんにとってルール改正後初のリーグ戦となりますが、どのような位置づけだと考えていますか

荒井「一戦一勝」を掲げている以上、一戦一戦相手に勝つという気持ちは絶対に持っています。でも、私たちの最終目標は「日本一」であって、秋のリーグにピークポイントを置いているので、その前の早慶戦や六大学戦は勝つことはもちろん、いかに挑戦して10人制を自分たちのものにできるかが重要になってくると思っています。勝ったけど何も挑戦していないより、負けたけど色々挑戦はできたから発見があったということ目指しているので、勝つという前提の下で色々と挑戦できる実のある試合にしたいです。

西村:「負ける覚悟さえも持つ」、それぐらいの勢いで挑戦し続けないと変わることはできないし、それくらいの覚悟がないと勝てないんじゃないかという話をしています。

――では、今年の個人目標を教えてください

荒井:主将という立場ではあるけれど、いい意味でそれに囚われずにいきたいです。責任感は元々持っている性格なので(笑)。慶應の一選手として戦力になることが目標なので、しっかりと自分のポジションであるアタックとしてチームの得点源になりたいです。また、10人制になることもあって自分が1個の試合の中でどれだけボールに触れられたか、というのを意識したいなと思います。得点を取ることはもちろん、皆が困ったときの出し先に絶対にいるような不可欠な存在になれるように頑張ります。

西村:今年は自分が下の学年に見せていかなきゃいけないプレーにこだわっていきたいです。基本的にそれがチームの中で水準になっていくから、新しいプレーとかをもっと追及して、その中で絶対に失敗を恐れたくないです。そして、その姿を後輩に見せることができたら良いなと思っています。もう準備は万端なので(笑)。あとはやるだけです。

――最後に、今年のチームの抱負をお願いします

2人:日本一です。

荒井:最近思うことは、色々な組織があって私たちはプレーできているので、そういう感謝を忘れずに、勝利することで感謝を伝えられたらいいなと思いました。

西村:その中でやっぱり「日本一」という目標は忘れたくないです。重荷になって欲しくはないんですけど、もっと部員一人一人が慶應女子ラクロス部という看板を背負っている誇りを感じて欲しいなと思っていて。それは学年の壁を取り払うという意味でも私たちがもっとアプローチできることなのかなと思います。

荒井:あとは“Pioneer’s Pride”を掲げている以上、10人制になって初めての日本一は絶対に慶應が取りたいなと思っています。なので、応援のほどよろしくお願いいたします!

――荒井選手、西村選手、ご協力ありがとうございました!

(取材:堀口綾乃)

#18荒井理沙(新経4・慶應女子)

慶應女子高ラクロス部時代も主将を務め、部員からの信頼は厚い。今季はアタッカーとしての活躍も期待大。

#5西村佳子(新政4・東京女学館)

今季の慶大ゴールを守る西村選手。チームの司令塔として最後方からチームを支えるキーパーソンとなる。