チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦、シャルケ対マンチェスター・シティの一戦は、シティが2-3で順当…
チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦、シャルケ対マンチェスター・シティの一戦は、シティが2-3で順当勝ちを収めた。
ドイツでは国内リーグに比べてCLのほうが集客に苦労しており、盛り上がらないこともあるのだが、この試合のチケットは完売。スタジアムは5万4417人の観客で埋め尽くされた。試合の前日から、街ではマンチェスターなまりの英語がたくさん聞こえ、試合後、彼らは上機嫌でスタジアムをあとにした。

シャルケ戦で同点ゴールを決めたレロイ・サネ(マンチェスター・ユナイテッド)
試合後の記者会見で、集中したのはVARの話題だった。デイリー・テレグラフなど英国の主要な新聞の記者たちが、次々に「VARはどうだったか」「中断した4分半はどうだったか」と、ジョゼップ・グアルディオラに尋ね続けた。
彼らが問題にしているのは、シャルケが1点をリードされた38分、PKで追いついたシーンだ。シャルケのダニエル・カリジウリが放ったシュートは、ゴール前にいたマンチェスター・シティのDFニコラス・オタメンディの手に当たったように見えた。だが、主審はハンドを取らず、そのまま試合を続行。それに対してシャルケの選手たちがいっせいにVARを要求した。
ここまではいつも見かける光景だが、主審はなかなかVAR用のモニターを見に行こうとしない。その理由は、機器が故障していたからだというのだ。その後、両チームのキャプテンを呼んで状況を説明するなどしたが、結局、故障が長引くことがわかり、主審は自身でPKと判断したというわけだ。
これについてグアルディオラは、「私はVARのビッグファンだ。あのシーンはPKだった。(前半45分のシャルケの)2点目もPKだった。レッドカード(後半23分にオタメンディが2枚目のイエローを受けた)もレッドカードだった」と潔かった。
「機器の故障については改善されるべきだろう」としながらも、VARに関して不満の様子はなかった。
記者たちは、グアルディオラがVARの批判をすると思って、繰り返し質問したのかもしれない。VARが導入されていない国のメディアは、どうもVARを批判しがちだ(プレミアリーグではVARが来季から導入されることになっている)。だが、グアルディオラは
「私はフェアなフットボールを支持している。だから、VARには大賛成だ」と、強調していた。
一方、敗れたシャルケのドメニコ・テデスコ監督は「我々には賢さが必要だった」と、2-1と逆転したあとの時間帯の戦いぶりについて悔やんだ。だが、立ち上がりから両者の力の差は歴然としており、結果は必然だった。
リードして勝利の可能性を感じたスタジアムの熱気が一気に静まったのは、後半40分、同点弾を放ったのがレロイ・サネだったからだ。
サネは9歳からの3年間と14歳からの5年間、シャルケで育ったクラブの宝だった。トップチームに昇格したが、わずかな期間であっという間にマンチェスター・シティに買われていった。「もう少しシャルケで実績を残してからでも……」という声もあったが、当時、本人は「まだ早いという声があるのはわかるが、自分は決断した」とコメントしていた。
そのサネの凱旋は、この日のシャルケファンの楽しみのひとつだった。ベンチスタートだったため、カメラはことあるごとにサネのワンショットを狙っていた。そして後半33分、セルヒオ・アグエロに代わってサネが登場。すると、その切れ味のすばらしいFKが決まり、シャルケは2-2に追いつかれる。スタジアムは長い沈黙に包まれた。
若くしてシャルケを巣立っていったサネは、試合後、「申し訳ない気持ちもある」と話していた。
この日のマンチェスター・シティの勝利で、マンチェスターで行なわれる第2戦への興味はぐっと減ったというのが正直なところだろう。だが、シャルケはリーグ戦で現在14位。「早めにリーグ戦に集中できるほうが、もしかしたらよかったのかもしれない」という声も上がっている。