「ディフェンスでエナジーを出し、声を掛けていく」

ワールドカップ予選も21日のイラン戦、24日のカタール戦の2試合を残すのみとなった。日本バスケットボール界にとって悲願である世界への切符をつかむべく、全身全霊を懸けてこの戦いに挑むのは、日本代表だけでなく相手チームとも同じ。この2試合は間違いなく死闘となる。だからこそ主力選手だけでなく、これまで以上にベンチメンバーを含めたチーム一丸となった総力戦となりそうだ。

古川孝敏は、ここまでの予選で10分から15分の出場とローテーション入りする試合もあれば、プレータイムなしで終わる時もあり、起用法にはばらつきはある。ただ、10試合のうち8試合で12名のメンバー入りを果たしているように、指揮官のフリオ・ラマスから常に戦力として計算されている。

所属する琉球ゴールデンキングスでは不動の先発を担う古川だが、日本代表では主力をサポートする側に回っている。それでも彼は自身のやるべきことに変化はないと考えている。

「結局はどのチームでも自分のプレースタイル、持ち味をどう出せていけるか。基本的に自分は変わらないです。ディフェンスでエナジーを出して、みんなに声を掛けていくとことに取り組んでいます。そこはキングスと変わりません」

現在31歳と古川もベテランの域に入ってきた。代表に呼ばれるのか呼ばれないのか。メンバー入りを果たしても試合に使われるのかは当日の展開次第と、その立場は不安定だ。こういった状況に、沖縄から東京への長距離移動を考慮すれば、タフな代表活動をこなすことは心身ともに決して楽なものではない。

それでも古川の代表への思いは変わらない。「日本を背負って戦うのは自分にとって大きなことで、常に目標です。代表の一員として、どれだけ自分のパフォーマンスを出していけるのか。そこはすごく大事で、ブレずにやっていきたい」

だからこそ、代表に選ばれなかった時のことを聞けば「試合を見ていて、うらやましい気持ちが正直ありました」と、迷わず答えることができる。

他力本願ではなく「勝って決めたいです」

自分より若い世代の選手がどんどん台頭することは、日本代表にとって重要な要素。それは古川も十分に理解しているが、「だからといって自分がもう無理なのかなとは思わないですし、もっと頑張ってやりたいだけです。そこでモチベーションは下げたくないし、下げたつもりもないです」と、ワールドカップとオリンピックを目指す代表の座を若手に譲るつもりは毛頭ない。

それでも、年齢を重ねて代表での経験を積んだ今こそ、日本のためにできることもある。「みんながチームとして一つになれるように、声を掛けていかなければいけない。前はそこまで意識してなかったですが、今は年齢も上の方で、それをやらなければいけない立場です。また自分の良さはそういったところなので、みんなに良い刺激を与えていきたいです」

来たるべき大一番へ向け、「すごく大きなチャンスに、みんなで戦いに行けるのはワクワクします。そして、自分たちがその場に立てるのは大きなことです」と意気込みを語る。

Window6の2試合で日本が予選突破する条件は複雑だが、古川は他力本願での出場について「そんなの絶対イヤです。勝って決めたいです」と自力での本大会出場に強いこだわりを見せる。

イラン戦、カタール戦ともに古川の出番は限定的なものになるかもしれない。ただ、様々な経験を積んできた彼は、コート内ではもちろん、ベンチからでも味方を鼓舞できる。それでチームは有形無形のエナジーを得られるはずだ。