究極の三次元モータースポーツ Red Bull Air Race World Championship(レッドブル・ エアレース・ワールドチャンピオンシップ)2019年シーズン開幕戦の決勝が2月9日(土)にアラブ首⻑国連邦で開催された。日本…

究極の三次元モータースポーツ Red Bull Air Race World Championship(レッドブル・ エアレース・ワールドチャンピオンシップ)2019年シーズン開幕戦の決勝が2月9日(土)にアラブ首⻑国連邦で開催された。
日本から唯一出場する2017シーズンワールドチャンピオンの室屋義秀は、順当に勝ち進み、自身初となるアブダビでの優勝を収め、 新シーズンを好発進した。

2003年に第 1 回大会、2005年に世界選手権となり、12シーズン目を迎えたレッドブル・エアレースは、2005 年以来毎年アブダビで開幕戦を開催している。
今大会は、8日(金)の予選、9日の決勝を合わせてのべ 5万人が会場で観戦した。

 


Sebastian Marko/Red Bull Content Pool

現ワールドチャンピオンのマルティン・ソンカと0.003秒、約30cmの差で室屋が決勝を制す

2009年の初参戦以来、今年で参戦 8シーズン目を迎えた室屋のアブダビでの戦績は、2009年 13位、2010年10位、2011年~2013年の中断期間を経て再開した 2014年9位、2015年 6位、2016年7位(オーバーG)、ワールドチャンピオンに輝いた 2017年も 13位(オーバーG)とあまり振るわなかったが、昨年初の表彰台(2 位)を獲得し、そして今年念願の開幕戦アブダビ大会での優勝を手に入れている。
今大会室屋は終始安定し、3回のフリープラクティスのタイムは 3位、1位、3位、そして予選は 1位(自身4度目のポールポジション)。これにより、今年から導入された予選ポイントを獲得した。
その後の決勝も危なげなく勝ち進み、決勝のファイナル 4を 1番手で飛んだ室屋は、 最終コーナーからゲート14に侵入する際に機体の体勢を崩しかけたが持ちこたえ、 ペナルティを得る事なく53秒780のタイムでゴール。
残る3選手は、ニコラス・イワノフ(フランス)がエンジントラブルで離陸出来ず DNS(Did Not Start)で不戦敗に。次に、 昨年のアブダビ大会で優勝し、2018シーズンのワールドチャンピオン争いを繰り広げたマイケル・グーリアン(米国)が54秒009で終わると最後に現ワールドチャンピオンのマルティン・ソンカ(チェコ)が登場。
第一セクター0.007秒、第二セクターでも0.005秒、室屋を先行し、2回目の VTM(Vertical Turn Manuva)中に0.212秒遅れたものの、最終コーナーで再び追い上げ、わずか0.003秒差、ゴール通過時のおおよその速度の時速300kmでの距離は僅か約 30cmという決勝戦まれにみる僅差で室屋が見事勝利を飾った。

 


Naim Chidiac/Red Bull Content Pool

室屋義秀コメント


Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

FP1(フリープラクティス1)からファイナルまで非常に安定して飛べていたので、それで予選も首位で3ポイント取ることが出来ましたし、ファイナルもギリギリでしたけど勝ち抜くことが出来、最終的に最大28ポイントを獲得できたという事で非常に良いスタートを切れたと思います。2017年の(最終戦)インディ(アナポリス)から今まで1年以上勝ちが無く、1位は非常にハッピーなんですけど、2位だとどうしても『こうしたら勝てた』「ああしたら勝てたんじゃないか?」という思いが出てくるので、1位は別格ですね。今はこの1位を味わいたいと思います。

プロフィール

 

室屋 義秀(むろや よしひで)

 

レッドブル・エアレース・パイロット


誕生日:1973 年 1 月 27 日(46 歳)


拠点:

 

福島県福島市ふくしまスカイパーク


究極の三次元モータースポーツ「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」に初のアジア人パイロットとして2009年から参戦。
2016年シーズンの千葉大会で初優勝。
国内ではエアロバティックス(曲技飛行)の啓蒙として、全国でエアショー活動を展開。
世界中から得たノウハウを生かして安全推進活動にも精力的に取り組み、スカイスポーツ
振興のために地上と大空を結ぶ架け橋となるべく活動中。福島の復興支援活動や子ども


プロジェクトにも積極的に参画。福島県「ふくしまスポーツアンバサダー」

 

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップとは

 

世界最高の飛行技術を持つレースパイロットたちが、最高時速 370km、最大重力加速度12Gの中、操縦技術の正確さ、知力、体力、そして精神力の限りを尽くしてタイムを競う FAI(国際航空連盟)が公認する究極の三次元モータースポーツ。高速で機動性に優れたレース専用飛行機を使用し、1 機ずつペナルティを回避しながら高さ25mの空気で膨らませたパイロン(エアゲート)で構成する低空の空中コースを周回して飛行タイムを競います。2003年に第1回大会を開催し、2005年より世界選手権として 2010年まで毎年開催。2011年からの休止後、3年のブランクの間に安全面やルールをさらに向上させて2014年に再開。2019年で 12シーズン目を迎えた。