アメリカ・ワシントンDCで行われている「シティ・オープン」(WTAインターナショナル/7月18~24日/賞金総額22万6750万ドル/ハードコート)で、元世界1位のカロライン・ウォズニアッキが左腕の故障を理由に、第1シードのサマンサ・ス…

 アメリカ・ワシントンDCで行われている「シティ・オープン」(WTAインターナショナル/7月18~24日/賞金総額22万6750万ドル/ハードコート)で、元世界1位のカロライン・ウォズニアッキが左腕の故障を理由に、第1シードのサマンサ・ストーサー(オーストラリア)との2回戦を途中棄権した。

 ウォズニアッキは第1セット5-5からのゲームで、両手打ちバックハンドを打ったときに痛みを感じたと明かす。試合は水曜日の夜に始まり、終わったときには木曜日の零時過ぎになっていた。ウォズニアッキは治療を受け、再開してからセットを7-5で取ったが、第2セットでブレークされて3-4となったところでプレーをやめた。

 「バックハンドを打って痛みを感じたポイントがあり、そのときの私は『大丈夫、どうってことないわ』って感じだったの」とウォズニアッキ。「でも、それからまたバックハンドを打ったときにも痛み、これはもしかすると…と思った。そしてどんどん悪くなっていった」。

 今季ここまで、様々な躓きや体の問題に遭遇してきたウォズニアッキにとって、これは新たな苦難だった。2009年と2014年に全米オープンで準優勝した彼女だが、今年は、全豪オープンとウィンブルドンで1回戦負け、そして足首の故障のため全仏オープンには出場できず、グランドスラム大会で1勝すらしていない。

 「ここまでのところ、まったく困難から解放されないわ。遅かれ早かれ、運が向いてくるものよ、と考えてはいるのよ。でも今はまさに一難去ったらまた一難」とウォズニアッキ。「いい感じでボールを打てているし、サービスもいいと感じていた。そしてその矢先のこれよ。本当にがっかりしているわ」。

 ウォズニアッキは、リオデジャネイロ・オリンピックにデンマーク代表として臨み、開会式では母国の国旗を運ぶ旗手を務める予定だ。当初は、今年4月上旬のフェドカップのための練習で足首を故障し、そのせいで大会に出られなかったため、ITFの五輪代表選出基準を満たしていなかった。それゆえウォズニアッキは、ITFに上訴して五輪に出場する許可を勝ち取ったのだ。

 2011年全米オープン優勝者であるストーサーに対し、ウォズニアッキは第1セットで3-5とリードを許していたが、そこから4ゲームを連取した。この成功は、ウォズニアッキの左腕に痛みがあり、非常に辛かったにも関わらずの成功だった。彼女はサービスのトスにさえ苦労していた。

 それから彼女はトレーナーを呼んで治療したが、ストーサーが自分のフォア側にボールを打ち続けていたことに驚いた、と言っている。

 「彼女がバックハンドで回り込み始めたとき、カロラインにしては珍しいことだから何かが起きているようね、とは思ったわ」とストーサーは言う。

 試合をコントロール下に置くのに苦労していたのはなぜか、と聞かれたストーサーは「故障をした人と戦うというのは、ときに難しいものなのよ」と答えた。

 試合はメインスタジアムではなく、グランドスタンドコートで行われた。メインスタジアムには男子の試合が入ることのほうが多いのだ。

 そのスケジュールの組み方について聞かれ、「残念ながら、女子のセンターコートでの試合があまり多くない、ということには気づいているわ」とストーサーは言った。「もちろん、(センターコートの試合の)男女比が50-50になったらいいとは思うけど」。(C)AP