1週間のオフウィークを経て、2年ぶりに挑むジェネシスオープン(2月14日~17日/カリフォルニア州)を前にして、松山英樹はこう語っていた。「(年明けは3戦してトップ20が2回)だいぶいい感じできていると思うので、あとはかみ合わせがうまくい…

 1週間のオフウィークを経て、2年ぶりに挑むジェネシスオープン(2月14日~17日/カリフォルニア州)を前にして、松山英樹はこう語っていた。

「(年明けは3戦してトップ20が2回)だいぶいい感じできていると思うので、あとはかみ合わせがうまくいけば、勝てるんじゃないかな、という感じ。(1週間休んで)疲れは取れましたし、元気になりました。雨が多かったですが、トレーニングもきちんとやってきました。

(試合は楽しみ?)どうですかねぇ~。それは微妙ですね……。コース(リビエラCC)は苦手です。グリーンで苦労しているイメージはあまりないんですけど、なぜかうまくプレーさせてくれない。好きな人は好きなんだろうけど、気の抜けないホールが多いですね」

 迎えた本番、初日から悪天候によってスケジュールが大きく乱れた。松山も1日目、2日目と2日間かけて第1ラウンドを消化。以降、3日目に第2ラウンドと第3ラウンドの9ホール、最終日に第3ラウンドの残り9ホールと第4ラウンドと、2日続けて27ラウンドをこなす強行軍を強いられた。

 そうした状況にあっても、松山は通算7アンダー、9位タイでフィニッシュ。2週間前に「大事に試合なる」と話していた試合で、見事にトップ10入りを決めた。



ジェネシスオープンは9位タイでフィニッシュした松山英樹。photo by Getty Images

 初日に11ホール、2日目に7ホールを回って終えた第1ラウンド。松山は「71」のパープレーで、76位タイというスタートになった。

「(長丁場の第1ラウンドを終えて)眠たいです。昨日、3時50分に起きて、今日も3時半に起きたので……。先週まで、ショットはいい状態をキープしていたんですけど、それがなかなかうまくいかなくて。そのうえパッティングもよくなかったんですが、何とかパープレーで回れたかな、という感じ。

(ショットは)極端に曲げて打っているので、それで逆に、大ケガにはなっていないのかな、と。これが、真っ直ぐに打とうとしていたら、大ケガになっていると思うので、そういう意味では……やりたくないゴルフをやっていましたね。(意図的にショットを曲げていた?)そうですね。そうするしか方法がなかったので。フェードではなくて、スライス、どスライスを打って、どうにかしている感じですね」

 3日目、第2ラウンドを「69」で回った松山は、通算2アンダー、34位タイまで順位を上げて決勝ラウンドに駒を進めた。

「ショットも、パットもドタバタやっていたので、そういう不安は拭えないですけど……(予選ラウンドを)クリアできたのはよかった。(決勝ラウンドは)グリーンがソフトな状態にあって、攻めていかないと上位には入れないと思うので、しっかりピンを狙っていきたいと思う。

(ドライバーが右にいくシーンが目立ったが?)9番ぐらいからですね。それまではたいして気にしていなかったんですけど……。いいところも何カ所かあったんですが、それが何で出たのかもわからないし、悪くなった原因もわかっていない。それを見つけられれば、スコアを伸ばせる自信があるので、早くその原因を探り当てたいなと思う」

 その後、第3ラウンドに向かった松山。インスタートの9ホールで3つスコアを伸ばしたところで、日没順延となった。

 最終日は、まずは第3ラウンドの残り9ホールを消化。前日の勢いから、さらなる爆発から期待されたが、1バーディー、3ボギーで回ってスコアを2つ落とした。前日と合わせて、第3ラウンドはトータル「70」。通算3アンダー、36位タイで最終ラウンドへ向かうことになった。

 直後に行なわれた最終ラウンド。第3ラウンドの未消化分を終了した時点で、松山は「あと、もう1ラウンド行くのかぁ……」と、すでに疲労困憊だったという。それでも、松山は奮起。5バーディー、1ボギーの「67」で回って、スコアを一気に4つ伸ばすと、順位も9位タイまで浮上した。

「疲れました。今日も3時20分くらいに起きました。第3ラウンドの残りのハーフでショットもパットも何か違和感があってうまくいかなかったけど、(最終ラウンドは)そこから切り替えられた。とくに後半の(アウトの)9ホールはがんばることができたのでよかったと思う。ティーショットが安定してきて、ティーショットとパッティングがよければ、スコアがまとまるんだな、と。

(いつも「悪い」と言いながら、この位置に持ってこられるのはすごいと思うが?)もう切羽詰ってきて、最後の最後に『どうにかしなきゃ』っていう気持ちだけでがんばっている感じ。今週は、第1ラウンドの途中から5種類くらい打ち方を変えてやってきて、最後にうまくいってよかったなと思う。もちろん、これが(今後)どうなるかわからないし、まだ自信を持ってはいけないレベルなのかどうかもわからないけど、いい兆しは出てきていると思うので、これを来週に向けて仕上げていけたらいいな、と。いい準備をして、優勝したいなと思います」

 徐々に調子を上げてきているなかで、「大事な試合」と位置づけた舞台でもトップ10入りを果たした松山。次週、こちらも2年ぶりの出場となるWGC メキシコ選手権(2月21日~24日/メキシコ)ではどんなプレーを見せてくるのか。本人が「かみ合えば」と語るとおり、優勝のチャンスも十分にあるはずだ。